日本シナリオ作家協会が「脚本契約7原則」を宣言 脚本家の待遇改善のため、映像業界に順守を求める(1/2 ページ)

よりよい作品を作り続けるために。

» 2022年07月06日 20時22分 公開
[ねとらぼ]

 日本シナリオ作家協会は7月4日、脚本家が契約を結ぶ際の「脚本契約7原則」を宣言しました。脚本家の権利保護や待遇改善のため、映像業界に7原則の順守を求めています。

 日本シナリオ作家協会は、シナリオの著作権擁護や、シナリオを起点とした文化の発信、シナリオ作家の育成および表彰、日本の映像文化および映像産業発展への寄与などを行う組織。

 「脚本契約7原則」は6月17日開催の通常総会で、全会員の総意とすることが決議されたもの。「オリジナル」の脚本や企画を執筆する際の扱いや、最低限守られるべき意識の向上、脚本家の権利の保護、待遇の改善をはかることを目的とした原則です。7原則は以下の通り。

【原則その1】 「オリジナル企画」および「オリジナル脚本」の脚本家は、原作者として尊重されなければならない。

【原則その2】 「オリジナル企画」および「オリジナル脚本」が映像化に至らなかった際は、特段の取り決めがある場合を除き、いかなる場合も著作者である脚本家が任意に利用できなければならない。

【原則その3】 企画開発費と脚本料を一元化してはならず、企画段階の企画書・プロット執筆、脚本執筆には、別途ギャランティが支払われなければならない。

【原則その4】 脚本料は受注時に取り決め、長期間に及ぶ脚本執筆の場合は随時支払われるものとし、決定稿を提出した後、速やかに支払いが完了されなければならない。

【原則その5】 企画開発および脚本執筆のために必要とする取材費、資料費、交通費その他の実費については、発注者が負担しなければならない。

【原則その6】 氏名表示に関して著作権法第19条の規定を順守し、宣伝・広告活動の際にも配慮されなければならない。

【原則その7】 著作権法第20条の規定を順守し、脚本家に無断で脚本を改訂してはならない。

 日本シナリオ作家協会は、この原則を宣言した背景について、「現在、脚本家を取り巻く状況は危機的状況に陥っております」とした上で、「映像の根幹は脚本であることは言うまでもございませんが、脚本家の権利が制限され、執筆環境が整いにくい状況がこのまま続けば、いずれ脚本家の才能が枯渇し、映像業界そのものも先細りしていくことは明らかです」とコメント。

 最後に「業界全体でよりよい作品を作り続けるために、広く映像業界の皆様にも、この脚本契約7原則の順守にご協力とご理解を賜りたくお願い申し上げます」と呼びかけています。

 ネットではこの原則について「『まあ、いいじゃん』とか『ごめんねー、うっかり』とか、なし崩しで進む業界の慣習に、勘弁してくださいね、という表明」「めちゃくちゃ大事なこと。脚本家さんの立場が守られてこそいい作品が世に生まれると思うので、どうか守られてほしいです」といった声が寄せられています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」