旧統一教会施設の自民党議員ポスターにぼかし追加 Googleからは回答得られず 渦中2人は関連イベント登壇を事実と認める(1/2 ページ)

【追記あり】森雅子さんの選挙ポスターのぼかしが削除されていることが確認されました。

» 2022年08月23日 14時40分 公開
[上代瑠偉ねとらぼ]

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた、自民党議員の選挙ポスターの画像にぼかしが入っている――。Google ストリートビューの修正が波紋を広げています。

 物議を醸したのは福島県にある「世界平和統一家庭連合 いわき家庭教会」に貼られた、元法務大臣で、内閣総理大臣補佐官(女性活躍担当)の参議院議員・森雅子さんの選挙ポスターです。8月7日時点では選挙ポスターの顔の部分にしかぼかしが入っていませんでしたが、8月17日に選挙ポスター全体にぼかしが入っていることが指摘されていました。

 ねとらぼ編集部でも2019年7月に撮影されたストリートビューを見たところ、左側と右側の画角では選挙ポスター全体にぼかし加工が施されていることが確認できました。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 執筆時の8月23日12時に左側から撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 執筆時の8月23日12時に右側から撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)

 一方で、正面からの画角では選挙ポスターの上部にある「森」の文字などが修正されずに、そのまま写されています。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 執筆時の8月23日12時に正面から撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)

 また、旧統一教会の他施設でも同様の指摘が見られます。岩手県にある「世界平和統一家庭連合 一関家庭教会」に貼られた、元防衛大臣の衆議院議員・小野寺五典さんと、元内閣府大臣政務官の衆議院議員・藤原崇さんの選挙ポスター全体にも、以前は見られなかったぼかしが入っているというのです。

 同じくねとらぼ編集部でも2021年5月に撮影されたストリートビューを見たところ、選挙ポスター全体にぼかし加工が施されていることが確認できました。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 執筆時の8月23日12時に撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)

 なぜ、このような修正が加えられたのか。公式サイトによると、ストリートビューでは画像のなかから識別可能な人の顔やナンバープレートに自動でぼかし加工を施しています。追加でぼかし加工が必要な場合は、「問題の報告」からリクエストを送れる仕組みです。ねとらぼ編集部ではGoogleに選挙ポスターに修正を加えた理由や経緯などを問い合わせましたが、回答は得られませんでした。

森雅子さんと藤原崇さん、旧統一教会関連のイベント登壇を認める

 ところで、今回、渦中の自民党議員3人と旧統一教会に接点はあるのか。

 森雅子さんは旧統一教会の施設に自身の選挙ポスターが掲示されていたという指摘を受け、Facebookで「2019年7月撮影のGoogleストリートビューで旧統一教会建物内に私の選挙ポスターが貼られている様子が写っているとのご指摘をいただき、皆様に大変ご心配をおかけしております」とコメント。

 続けて、「その時期は3年前の私の参議院選挙の時期にあたります。私の選挙事務所では、旧統一教会の関係者と認識せずにポスターをお渡ししてしまったものと思われます。今後はより一層厳しくチェックをしてまいります。もとより、旧統一教会から政治献金なども一切受け取っておりません。政府内に霊感商法についての検討会等も立ち上がりました。問題となっている被害の実態を解明し、違法行為については厳しく対処し取り締まっていくべきと考えています」と述べています。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター (画像はFacebookより)

 一方で、デイリー新潮の報道では、森雅子さんは2018年に福島県郡山市で開催された旧統一教会主催のイベントに登壇したり、いわき市の旧統一教会の施設で演説をしたりしていたことが明らかになっています。事務所はこれらを事実と認め、「名前が違っていたので、旧統一教会と同じ団体だと気付きませんでした。認識が甘かったと反省しております」と弁明しました。なお、朝日新聞が実施したアンケートでは、「(遊説で訪れたかどうかは)調査中」と回答しています。

 小野寺五典さんは河北新報が実施したアンケートのなかで、「社会的に問題が指摘される団体との関係は厳正かつ慎重な対応をするべきだ」と述べています。

 藤原崇さんは2021年に、旧統一教会関連が開いた会合に出席したことを認め、「地元の人から参加してほしいと要請があり出席した。バックボーンがそう(旧統一教会関係)と認識していなかったことは軽率だった」などと釈明しました。一方で、旧統一教会や関係団体からの献金や選挙での支援については「組織的にはなかった」とし、今後は「基本的には関わりを持たない」と話しています。

森雅子さんのポスターのぼかしが削除されました【8月26日13時00分追記】

 ねとらぼ編集部が8月23日にストリートビューを見たところ、森雅子さんの選挙ポスターのぼかしが削除されていることが確認できました。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 加筆時の8月23日13時に左側から撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 加筆時の8月23日13時に右側から撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)

 一方で、小野寺五典さんと藤原崇さんの選挙ポスターからはぼかしは削除されていません。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設に貼られた自民党議員の選挙ポスター 加筆時の8月23日13時に撮影したもの(画像はGoogle ストリートビューより)

 なお、Googleは8月23日現在、今回の対応の経緯などについて発表していません。

タイトルおよび記事内の一部で「モザイク」と記載していましたが、正しくは「ぼかし」でした。お詫びして訂正します【8月23日16時35分】

記事の一部を修正しました【2023年5月30日3時5分】

協力:HOM55(@HON5437)さん

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