一体なぜこんなルートになったんだ!? 60年前に開通、不思議で謎だらけの愛され険道「山口県道270号」を愛でる(3/6 ページ)
「人生と県道270号には“3つの坂”がありまして……」って結婚式のスピーチか!
太田川に架かる橋を2つ渡ると、徐々に緑が迫ってきました。
ここまで険道たる「険しさ」は全くなく快適です。緑が迫ってくるといよいよ……なのでしょうか。
県道270号はこう配がつきはじめ、緑の中を突っ切るような道になっていきます。それにしても緑にオレンジ色のガードレールが映えます。
坂の中腹で上る道と下る道の分岐が表れます。さて、どっちが県道270号なのか。ここまで読んでくれた人ならば一発で分かります。そうです「オレンジ色のガードレール」がある方です。県道側はガードパイプもきちんとオレンジ色で塗ってくれていました。
県道270号は、いよいよカーブが連続する山道になっていきます。坂を登り切ったと思えば、今度は下り坂に。その先が開けて、蛇のようにうねった上り坂を見渡せます。まさかこんな光景が広がっているとは。上り坂に下り坂、「まさか」もある。「人生と県道270号には“3つの坂”がありまして……」。って、これじゃあ結婚式のスピーチじゃないですか。
しばらく走ると、左へ上畑集落へと続く道と分岐しますが、県道270号はそのまま二見方面へ直進します。これまでの経験から“険道”は、県道なのに市道よりも立場が下だったり、「Uターンもできません!」と強い警告が書かれていたりと、どれも何か予兆がありました。でも、ここまでの約5キロの道のりに“険しい”要素はありませんでした。
結婚式スピーチの「つかみ」は得られましたが、ここは本当に“険道”なのでしょうか……?
「険道」じゃなかったの!?
しばらく進むと、工事が行われていました。
Googleマップで2013年当時の様子を見てみると、県道270号はこのあたりで1車線になり、橋で4回も太田川を渡る道だったようです。しかし現在(2022年10月の取材時)、橋を整備中。その代わりに迂回路が設けてありました。
新たに作られた迂回路を進みます。あらためてこれまで「険道」と呼ばれる道をいくつも愛でてきましたが、ここまで手をかけてもらっていることを目の当たりにできた道は初めてです。愛されているなぁ、県道270号。
この迂回路は新道レベルにきれい。将来はこの道がバイパスになるのでしょうか。
振り返ると、川の対岸に県道270号のヘキサもちゃんとありました。橋は通れませんが、県道沿いに民家があるためここからアクセスできるようになっているようです。
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