道路に鳥居!! ここ、クルマが通ってもいいの……? 激坂の険道「茨城県道139号」をゆく(1/3 ページ)

驚きの連続! 実は由緒ある、愛される道です。

» 2020年08月16日 10時30分 公開
[少年Bねとらぼ]

 「酷道(こくどう)」をご存じでしょうか。道幅が狭かったり、路面が舗装されていなかったり、そもそも通行止めだったり……。一般的な国道(国が政令で指定した道路)というイメージからはかけ離れた国道のことを愛情と敬意を込めて示す言葉です。それと同様に、そんな状態の県道(都道府県が管理する道路)にも愛称があります。「険道(けんどう)」と呼ばれます。

水平に積まれたブロックを見ると、その勾配の異様さがわかります 「激坂険道」こと茨城県道139号の様子。ブロック塀でその勾配のきつさが分かるでしょうか

 これまで筆者は「地図に載っていない県道」「門番がいて運転がヘタな人は通れない県道」「普通車が通るのさえ困難な幅1.7メートル制限の県道」などの険道を紹介してきましたが、愛すべき険道、まだたくさんあります。

 今回は茨城県の激坂1車線道路「茨城県道139号筑波山公園線(以下、県道139号)」を紹介します。

パッと見は坂のきつい生活道路、でも由緒ある愛される県道

 県道139号は茨城県は筑波山の中腹にある筑波山神社前から、つくば市北条市街地まで南北に結ぶ一般県道です。

 実は、古くから筑波山神社の参道だった「つくば道」をほぼそのまま踏襲した、由緒正しい県道。今回は山のふもと、終点の北条側からスタートします。

この交差点から険道が始まります この交差点から険道が始まる
よく見ると「つくば道」の看板が よく見ると「つくば道」の看板も立っていた

 スタート地点には「つくば道」と書かれた石碑がありました。古道ならではの歴史を感じます。

 石碑と電信柱の間、1.5車線の狭い道路は緩い登り坂です。

県道の入口には石碑が 県道の入口には石碑が
正面から。なだらかな登り坂になっています 正面から。なだらかな登り坂になっている

 付近には「筑波山神社 4.2km」と書かれた道しるべやつくば道の由来が書かれた看板があります。由緒ある筑波山神社の参道だということを強く意識させられます。

 案内によると、この道は江戸城への鬼門を守る祈願所だった筑波山神社への参道として、江戸幕府第3代将軍・徳川家光の時代に開設。そんな歴史を伝える道として1986(昭和61)年、当時の建設省による「日本の道百選」に選出されたそうです。胸が高鳴ります!

筑波山神社まで4.3km 筑波山神社まで4.3キロ
つくば道の案内看板 つくば道の案内看板
少し離れたところには地図付きの解説も 少し離れたところには地図付きの解説があった

 ……しかし、スタート地点こそ参道といった趣でしたが、進んでいくとスクールゾーンのペイントがあるなど、だんだんと生活道路感が強まっていきます。側溝のフタには茨城県の「茨」の文字もありました。

スクールゾーンに指定されています スクールゾーンに指定されています
「茨」の文字が入った側溝のフタ。県道であることをアピールしているよう 「茨」の文字が入った側溝のフタ。県道であることをアピールしているみたいだ

 スタートから登り下りを繰り返しながら、1キロ弱で2車線の市道に合流します。ここから約200メートルは市道を間借りする形で2車線道路になります。あれ……? 由緒ある参道なのに、扱いが少し悪くないデスカ……?

 市道に合流してから振り返ると、直線の市道に対して、県道は右折。信号はありませんが、丁字路の県道側に「止まれ」の標識があることから、この区間はあくまでも市道がメインで、県道は優先度の低い存在であることが分かります。実際に観察していても、市道へ進むクルマのほうが圧倒的に多かったです。

県道の側に「止まれ」の標識があります 県道の側に「止まれ」の標識があった
振り返って。直進が市道、右側が県道です 直進が市道、右側が県道

 一時合流するも200メートルほどで県道139号は市道から離れます。青看板には「神郡(かんごおり)」の文字だけで、県道のマークはありません。この扱いよ……! 間違えないようにご注意。

 曲がってすぐは余裕のある2車線ですが、つくば田井郵便局を過ぎると、あっという間に1.5車線の狭道に逆戻りです。この後県道139号が再び2車線になることはありませんでした。

こちらも直進は市道、右が県道です こちらも直進は市道、右が県道
県道の2車線区間はあまりにも短い 県道の2車線区間はあまりにも短い

 もちろん本番はこれから。もっと先へ進みましょう。

フォトギャラリー

水平に積まれたブロックを見ると、その勾配の異様さがわかります この交差点から険道が始まります よく見ると「つくば道」の看板が 県道の入口には石碑が 正面から。なだらかな登り坂になっています 筑波山神社まで4.3km つくば道の案内看板 少し離れたところには地図付きの解説も スクールゾーンに指定されています 「茨」の文字が入った側溝のフタ。県道であることをアピールしているよう 県道の側に「止まれ」の標識があります 振り返って。直進が市道、右側が県道です こちらも直進は市道、右が県道です 県道の2車線区間はあまりにも短い 神郡地区の北側は雰囲気のあるお屋敷が並ぶ 一見ふつうの田んぼ道ですが…… 左右に分かれた道路が! 行先も同じ 150mほどの並走、どうして? 関東ふれあいの道にも指定されています ブロックを基準にすると勾配のきつさがわかります 県道をまたぐ鳥居 鳥居の向こうはさらなる急坂が 歩行者専用道路に見えますが、れっきとした県道です 振り返るとこのパノラマ 波打つ路面、スピードの出し過ぎは危険です 見た目で区別がつきませんが、県道は左です 階段のようになっているコンクリートブロック塀 こちらはもう、完璧に階段です 県道は坂を外れて左折です もっとも坂が急な部分は県道ではありません 道幅は狭いままですが、道は平坦になりました 離合には注意が必要です 300mほどで県道42号と合流します 合流地点は急カーブの途中! 下りはともかく、登りの見通しはかなり悪いため、注意が必要です
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた