おたる水族館のガンダムで生き物の違いを例える掲示が話題 「一瞬で理解できてしまった」「さすがアザラシだ何ともないぜ!」(1/2 ページ)
やっぱりガンダムで例えると分かりやすいな。
北海道のおたる水族館で、アザラシとアシカの違いを、ガンダムのモビルスーツで例えた掲示が注目を集めています。アザラシはゴッグで、アシカはズゴック――分かる人には実に分かりやすい。
アザラシとアシカは、いずれも鰭脚類(ききゃくるい)に属する海生哺乳類。おたる水族館の掲示は似ているようで違う両者の特徴を、耳の形状や泳ぎ方・歩き方で説明するとともに、性質の異なる2機のモビルスーツで表現しています。
ゴッグは重装甲が特長の水陸両用モビルスーツで、推力12万1000キロのスラスターにより高い水中航行能力を実現。その反面、熱核反応炉用に冷却水を蓄える必要があって陸上での動きは鈍く、稼働限界も1〜2時間程度だったといわれています。
この問題を受けてか、後発のズゴックは空冷式と水冷式のラジエーターを併用。本体重量もゴッグより20トン以上軽く、陸上でも陸戦用モビルスーツに迫る性能を実現したとされています。
これを踏まえて、おたる水族館は装甲(皮脂)が厚く陸上だと動きがもっさりなアザラシはゴッグ、陸上でも素早いアシカ(トドやオタリアも含む)はズゴックだと説明。両機のカラーリングを動物に寄せたり、「じゃあカワウソはアッガイでセイウチはゾックかも?」といった空想を添えたり、楽しげなイラストで演出しました。
言い得て妙なこの掲示は、同館を訪れた作家の葛西伸哉(@kasai_sinya)さんのツイートがもとで広く注目を集めることに。「一瞬で理解できてしまった」「子連れの親御さんに刺さるだろうし、ターゲティングは成功してる」「さすがアザラシだ何ともないぜ!」など反響を呼びました。
編集部はおたる水族館を取材し、飼育部の獣医師で、掲示を担当した角川雅俊さんに話を聞きました。
―― この掲示はいつごろから行われているのでしょうか
角川さん 10月上旬です。アザラシの飼育頭数日本一の当館では、4〜9月は海辺のプールで飼育展示をしています。しかし10月から翌年3月にかけての時期は、海が荒れて高波で水没してしまうため、波の影響がないプールへ移動しています。そのプールの1つにて、この掲示を始めました。
―― 掲示に至った経緯を教えてください
角川さん 当館ではアザラシに限らず、生きものの解説パネルはなるべくお客様に印象深く伝えるようにしています。私がガンダム好きで、アザラシやアシカの仲間はそれぞれ各モビルスーツの特徴に通ずるものがあると日々思っていまして、私と同様アラフィフで、1980年代のガンダムブームを体験した世代のお客様には響くかなと思い作成いたしました。
―― 職員の方にガンダムファンは多いのでしょうか
角川さん あまりいないようです。いても若い世代なのでファーストガンダムは知らないと思います。
―― 掲示について、来館者からの反応はいかがですか?
角川さん 少し分かりにくい場所にあるのですが、気付いていただけるお客様もときどきいます。葛西さんのツイートのおかげで見てもらえる機会が増えそうで、感謝しております。
参考文献:『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』(講談社)
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