「誕生日会は初めて」カンボジアから来た技能実習生20歳のお祝いが「泣いた」「感動した」と話題 会社の上司に思いを聞いた(1/2 ページ)
三重県の外壁塗装専門店「日塗建」に取材しました。
「誕生日会は初めてです。私はぜんぜん誰からもやってもらった事がないです」――。カンボジアから来た技能実習生20歳の社内での誕生日会を映した動画が感動的だと、TikTokで話題になっています。上司や先輩たちにはどのような思いがあったのか。ねとらぼ編集部では、三重県の外壁塗装専門店「日塗建(にっとけん)」に話を聞きました(※)。
※この記事は技能実習生の管理団体および、技能実習生のタカさんの了承のもと掲載しています
話題になっている動画では、20歳の誕生日を迎えた技能実習生タカさんの誕生日会が開かれ、朝倉社長たちが料理とケーキを振る舞う様子が映されています。タカさんは日本に来て8カ月経っているとのこと。
うれしいサプライズにタカさんは、「誕生日会は初めてです。私はぜんぜん誰からもやってもらったことがないです」「とってもうれしい」と感動した様子です。もう1人の技能実習生であるジンさんによると、カンボジアでは誕生日会があるのはお金持ちだけで、生活が大変な人は開かないとのこと。朝倉社長は感極まるタカさんを見つめて、「泣くな泣くな」と優しく料理を薦めています。
投稿には29万超のいいねが集まり、感動的な展開に4000超のコメントが寄せられています。「いい会社だ、、、」「ええ会社やな。泣いてしもた」「こんな温かい人たちと仕事ができたら幸せだな」「僕の職場にも、ベトナムから技能実習生が来てます(中略)僕も何かしてあげたいと思います」など、胸が熱くなったというコメントが多数見られました。
「撮影しながら涙が止まらなかった」
ねとらぼ編集部では、動画を撮影した日塗建の常務取締役である吉田美香さんに話を聞きました。
――カンボジアの技能実習生を迎えたきっかけや背景を教えてください。また、御社での技能実習生の割合はどれぐらいでしょうか。
吉田さん:管理団体様からカンボジアの技能実習生についてご提案いただき、昨今の職人不足もあることから、受け入れを決めました。現在、自社職人として6人が在籍していますが、そのうち2人がカンボジアの技能実習生です。今回の技能実習生が初めてではなく、以前にもカンボジアの技能実習生を受け入れたことがあります。今回の技能実習生には、2022年6月13日から在籍していただいています。
先日新しく面接しまして、2023年中にさらにカンボジアからの技能実習生をもう1人受け入れる予定になっています。
――話題となった誕生日会のときには、どのようなお気持ちでしたか。社長のまなざしがわが子や弟子を見るような、温かいまなざしだと感じました。
吉田さん:弊社では従業員全員の誕生日会を実施しています。今回、カンボジア技能実習生の誕生日会は私が撮影しましたが、まさか「誕生日会を誰からもやってもらったことがない」という言葉を聞くとは思いもよりませんでした。社長も「誕生日会やった事ないの?」と驚いて何度も聞いていました。私たちには当たり前のことが当たり前でないという事実に、胸が締め付けられる思いでした。動画内にも鼻をすする音が録音されていますが、私は撮影しながら涙が止まりませんでした。
この子たちも日本に来たばかりのころはホームシックで、毎晩泣いていましたが、今では私のことを「ママ」と呼んでくれています。私たちには想像もつかない苦労や努力があると思いますが、この子たちは決して腐らず前向きに一生懸命仕事に取り組んでくれています。「私たちが実習生を受け入れる」のではなく、「私たちが実習生に選んでもらえる」ような世の中にできるよう、また架け橋となれるよう尽力したいと思っています。
――投稿には「心と目頭が熱くなりました」「日本のお父さんとお母さん(のような存在)ですね」など、感動したというコメントが多数寄せられていますね。
吉田さん:4000にものぼる温かいコメントを拝見し、少しずつ返信しているなかで、ただ技能実習生たちを受け入れるだけではなく「私たちで何かできることはないかな?」という思いがあふれてきました。4月には(もう1人の技能実習生)ジンの誕生日があります。私には県外に住む息子が2人いますが、カンボジアに住むご両親の子どもを心配する気持ちを思うと居ても立っても居られません。近々カンボジアに行き、ご両親にお会いする予定です。彼らの育った環境、カンボジアの現実をこの目で確かめてきたいと思っています。
――外国人労働者の受け入れには、企業の負担が大きいなど課題もあると言われています。言語や文化など異なる点もあるかと思いますが、接する際にはどのような思いを大切にされていますか。
吉田さん:技能実習生を受け入れる際には、受け入れる側も講習を受ける必要があります。技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員を設置する必要があり、各講習を受けて試験に受からなくてはいけません。受け入れる私たちも万全の対策をして厳しい条件のもと、受け入れを実現しています。
この子たちはカンボジアの家族の生活のために、言葉も文化も違う日本へ仕事にきています。わずかな日本での生活費を残し、給料のほとんどを母国に仕送りしています。そのように生活のために日本に来て、弊社に来ていただいているので、この子たちの未来の糧となれるようにと思い、日常的に接するようにしています。
技能実習生を受け入れる企業側の負担は決して少ないものではありません。また、技能実習生がこうして日本へ来られるのもほんの一握りかもしれません。難しい問題であることは重々承知ですが、受け入れる企業側の努力と送り出したい側の願いがかなうことを祈っております。
厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2021年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者数は約173万人。国籍別では、ベトナムが最も多く約45万人、次いで中国が約40万人、フィリピンが19万人の順となっています。
日本での外国人労働者の雇用環境には課題も多く、労働条件、差別、悪質ブローカー、企業の負担などには改善の余地があると言われています。法律など制度的な改善だけではなく、日塗建のような温かいまなざしも社会に求められます。
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三度見くらいしてしまいそう。
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