プリキュアが戦い続けてきた“表現の歴史” 過剰な自主規制を打ち破り進化を止めなかった20年サラリーマン、プリキュアを語る(1/4 ページ)

プリキュア20周年おめでとうございます。

» 2023年02月01日 08時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

 2023年2月1日。プリキュアが記念すべき20周年目を迎えました。

 今でこそ、プリキュアは親子で楽しめる人気アニメシリーズとなっていますが、ここに至るまで道は決して平たんではありませんでした。

 「子どもたちのため」として始めた表現が、いつの間にか自らを呪縛する。プリキュア20年の歴史は「表現との戦い」の歴史でもあったのです。

プリキュア プリキュア20作目「ひろがるスカイ!プリキュア」は青色プリキュアが主人公

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


プリキュア 大団円を迎えた「デリシャスパーティプリキュア」(出典:Amazon.co.jpから)

プリキュアシリーズ20周年

 2004年2月1日。記念すべき第1作「ふたりはプリキュア」がスタートしました(※これを記念して2月1日は「プリキュアの日」と制定されています)。

 女の子向けアニメでありながら、パンチやキックで戦う姿が当時の女の子の心をまたたく間につかみ大ヒットアニメに。以後1年に1作品、途切れることなくシリーズを重ね、ついに2023年で20作目を迎えることとなりました。

 バンダイが実施していた「お子さまの好きなキャラクター」アンケートの3〜5歳部門では14年連続で1位になるなど、今や小さな女の子向けコンテンツの代表となっています。

 20シリーズの合計では77人を超えるプリキュアが登場しています。そこでずっと描かれてきたのは「女の子が自立していること。りりしくあること」。77人のプリキュアには、77通りの生き方が描かれているのです。

プリキュア プリキュアシリーズには77人以上のプリキュアが登場しています(出典:Amazon.co.jpから)

 ちなみに、今でこそプリキュアといえば「女の子だって暴れたい!」というキャッチフレーズによりフェミニズム的な視点で語られがちですが、実はこれは企画書の2番目に書かれていた言葉。企画書のトップに書かれていたのは「永遠のテーマ・友情に真っ向勝負!」。プリキュアは何より「女の子の友情を描く物語」としてスタートしていたことを忘れてはいけません。

プリキュア プリキュアシリーズの歴史

 そのプリキュアシリーズが20年も続いてきた要因の一つに、制作者が悩み決断し続けてきた「表現」の歴史があります。

「女の子は〜」「男の子だから〜」は使わない

 プリキュアを立ち上げた東映アニメーションの鷲尾天さん(現:執行役員エグゼクティブプロデューサー)は、プリキュアを制作するうえで最も気を使ったこととして「主人公が女の子であること」「番組の対象が子どもであること」をあげています。

――番組を作っていくうえでもっとも気を使われたことは?
鷲尾 “やはり主人公が女の子”という点と、あくまでも番組の対象は子供たちなんだというスタンスです。
講談社『ふたりはプリキュアビジュアルファンブックvol.2』(P87)

プリキュア 全ては「ふたりはプリキュア」から始まりました(出典:Amazon.co.jpから)

 そのため、初期のプリキュアでは「顔面への攻撃はしない」「下着などのセクシーな表現はしない」「汚い食べ方をしない」「過剰なダイエットの描写をしない」など、子どもたちの作品であることに配慮した数々の決めごとがありました。

例えば顔面への攻撃はしない。水着や下着は見せないなどだ。アニメのターゲットである女児がプリキュアごっこをしたとき、無意識のうちに絵に刷り込まれていることをやってしまったら怪我をする可能性がある。そこで、顔面や腹部を殴ったり殴られたりというシーンは表立って出さないようにした。
プレジデント社『プレジデント2010年8月30日号「プリキュア」に学ぶ子どもマーケット攻略法』より

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1608/02/news135.jpg 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  2. /nl/articles/2402/27/news036.jpg 【今日の計算】「699×7」を計算せよ
  3. /nl/articles/2402/28/news025.jpg 1歳兄、年子の弟を受け入れられず泣いて嫌がり…… 日々少しずつ近づく距離に「こうやってお兄ちゃんになっていくんですね」
  4. /nl/articles/2402/28/news018.jpg 勉強を見張りにきた鳥さん、ツッコミ殺到の“5分後の姿”が114万表示! 「頑張りすぎて脳が」「首埋まるの最高」
  5. /nl/articles/2402/27/news134.jpg 「ずっと手を触って」「強烈な口説きが」 グラドル、元K-1王者のセクハラ行為を“告発”→反論しバトルに 「引っ込んどけよロバは」謎の容姿罵倒で流れ弾も
  6. /nl/articles/2402/27/news196.jpg 「これはダメだろ」「ただの危険行為」 街中で奇声上げ走るランナー集団が物議…… サポート役のミズノが謝罪
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2402/28/news022.jpg 赤ちゃん返りした2歳長男、保育園の先生の言葉にママが号泣…… 大切なことに気付いた出来事に「いろんな部分で共感の嵐です」
  9. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  10. /nl/articles/2402/28/news086.jpg 「FINISH」のはずが「FUNISH」に…… 東京マラソンTシャツに「まさかの表記ミス」、アシックス謝罪「深くお詫び」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小泉進次郎、生後3カ月の長女を抱く姿に「貴重なパパの顔」 2023年末には小泉元首相の“幸せじいじ姿”も話題に
  2. 庭にアジサイがあるなら知っておくべき!? 春になる前に急いでやりたい“大きな花を咲かせる”お手入れ術に反響続々
  3. 生まれたばかりの孫に会いに来た両親、赤ちゃんを見た瞬間号泣し…… 幸せあふれる光景に「一緒に泣いちゃいました」
  4. つんく♂、「僕の大好きな妻」と元モデル妻の貴重ショット公開 「めちゃくちゃお綺麗」と反響
  5. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  6. 「ずっと手を触って」「強烈な口説きが」 グラドル、元K-1王者のセクハラ行為を“告発”→反論しバトルに 「引っ込んどけよロバは」謎の容姿罵倒で流れ弾も
  7. 2歳娘、帝王切開で入院するママの前では強がっていたが…… 離れてから号泣する姿に「いじらしくて可愛くて朝から泣いた」
  8. 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  9. 長女と赤ちゃんの夜のルーティンが「可愛いしか言えん」 愛が強すぎな姉から逃げる姿に「嫌いじゃないのねw」「素敵な姉妹」
  10. 「ほんと愛でしかない」「心から尊敬します」 “6男7女の大家族”うるしやま家のスーパーママ、“15人分のお弁当作り”が神業レベルで称賛の声
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「天までとどけ」長女役、芸能界の「負の連鎖」訴え 主演俳優の“お誘い”拒否し「他の演者やスタッフからも無視」「本当の事なんか誰も話さない」
  2. 田代まさし、南部虎弾さん通夜で“一団”に絡まれる騒動へ……にらみ合いの末に「ちょっと来い」「止めろよお前」
  3. 妊娠中の英俳優、授賞式での“金太郎”ドレスが賛否両論 「半裸の妊婦なんて見てられない」「ホットなママ」
  4. 「変わんないもん俺のと」 所ジョージ、ホンダ軽を超速カスタムで高級外車と“まったく同じ”外見に 「朝から楽しいよ」「完璧!」
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 「意識もうろう」「何も食べられない」 すい臓がんステージ4の森永卓郎、痩せた顔出しで“最悪の時期”告白 息子は「『死ぬ』が冗談に聞こえなかった」
  7. 授業参観の度に「かっこいい」と言われた父親が10年後…… 「時間止まってる?」と驚愕の声がやまない父子の姿が870万再生
  8. 65歳マドンナ、ワールドツアー中のダンスが“おばあちゃん”だと視聴者衝撃 「もうやめなよ」「こんなふうに終わりを迎えるなんて」
  9. 人気ブロガー医師が4年の闘病の末に42歳で逝去 夫が伝える「素敵な女性がいたということを皆様の心に残していただければ」
  10. 能登半島地震により海底が“隆起”→すさまじい様子を収めた写真に「自然の脅威を感じる」