「タイタニック」“ジャックもいかだに乗れば助かった説”をキャメロン監督ガチ検証、「生き延びたかも」

そうなん?

» 2023年02月03日 20時00分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 アカデミー賞11部門を獲得し、多くの人に感動を与えた1997年の映画「タイタニック」は、ラストで主人公のジャックがローズの乗ったいかだに一緒に乗りこめば2人とも助かったのでは? と長らくファンの間で議論され続けてきました。監督のジェームズ・キャメロンはこの長年の疑問に白黒つけるべく、ついに「科学的な検証」を行いました。

ジェームズ・キャメロンが「タイタニック」でジャックはいかだに乗れば生き延びたかもと認める 監督とレオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット(画像はアカデミー賞公式Instagramから)

 2月10日より公開される「タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター」に先駆け、2月5日に公開される「ナショナルジオグラフィック」との特別番組「Titanic: 25 Years Later with James Cameron」。その中でキャメロン監督は、映画のラストでローズの乗ったいかだにジャックも乗れるのかどうかを数パターンに分けて検証。米大手紙や米ABCの報道番組「グッド・モーニング・アメリカ」でもその検証内容を先駆けて紹介しています。

ジェームズ・キャメロンが「タイタニック」でジャックはいかだに乗れば生き延びたかもと認める キャメロン監督が見守る中検証は行われた(画像はYouTubeから)
ジェームズ・キャメロンが検証に乗り出した「Titanic: 25 Years Later with James Cameron」

 しぶとく付きまとう“ジャックは生き延びられたのでは説”に、かつてキャメロン監督は法医学的に検証した結果「1人しか生き残れない」と言明していたこともありました。しかし今回、「私たちは可能な限り正確に映画を作ろうと努力したのだけど、一部のファンがどうしても受け入れられないことがある」と述べ、よりはっきり映像で示すために、まず当時のジャック役レオナルド・ディカプリオとローズ役ケイト・ウィンスレットと同等の身長と体重のスタントマン2人にオファー。

 複数の専門家に協力を求め、「コントロールされた実験環境」を準備します。巨大な水槽に、作中で使われたいかだと同程度のサイズ・重量のものを用意。いかだは映像と同じくらいの浮力で浮いているという状況を整え、スタントマン2人には体温計などのセンサーを装着しました。

 キャメロン監督はジャックとローズ役のスタントマンをさまざまなポジションでいかだの上に乗せてみます。まず、上半身だけいかだの上、腰から下は水の中という状況では2人とも低体温症で死んでしまうという結論に。また、2人がいかだの上にひざまずくような格好で乗りときどき身体を温めあう場合には、いかだはほとんど沈んでしまい、作中でローズが救助される2時間後まで生き延びられなかったという結果が出ました。

 いくつか試すうち、足だけが水中に浸かるポジションでならジャックが数時間生き延びられることを発見したキャメロン監督。しかし作中で2人は沈む船から逃れようと走り続け、ジャックはローズの救命胴衣を奪おうとする男と戦うなど、すでにいかだに乗った状況では疲弊していたはずだと主張します。そしてそれらの条件を追加して再現するべく検証を続けた結果、「いかだの上でローズがジャックに救命胴衣を渡して着るとジャックの状態は安定し、それから2人とも足だけ水中に浸けた状態で浮かび続ければ助かる可能性が高い」ことが判明しました。

ジェームズ・キャメロンが「タイタニック」でジャックはいかだに乗れば生き延びたかもと認める 当時のいかだシーン撮影風景(画像はアカデミー賞公式Instagramから)
25周年記念の3Dリマスター版予告

 しかし、これは架空の好条件がそろったファンタジーだとキャメロン監督。実際には、恐怖や興奮など再現しきれないものが絡んでくるといいます。「ジャックは生き延びたかもしれないけど、そこにはたくさんの変数があった」とにっこり。さらにキャラクターの性格にも言及し、「ジャックの性格からいって『万が一にもローズを危険にさらすようなことはしない』と考えただろう」としています。

 ちなみにローズ役のケイトは2022年12月に出演したポッドキャスト「Happy Sad Confused」で「あの扉(※いかだとなったタイタニック号の一部)に2人で乗ってたら2人とも生き残れなかったと思う」と発言。「ジャックは扉に乗れたとは思うけど、傾いてしまって、ずっと乗り続けられるわけじゃない」とし、“ジャック生存可能説”に異論を唱えていました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/04/news038.jpg 米津玄師、紅白で“205万円衣装”着用? 星野源“1270万円ネックレス”も話題…… 「凄いお値段」「びっくりした」
  2. /nl/articles/2501/04/news025.jpg サバの腹に「アニサキス発見ライト」を当てたら……? 衝撃の結果に「ゾワっとした」「泣きそう」と悲鳴 その後の展開を聞いた
  3. /nl/articles/2501/03/news057.jpg 「箱根駅伝」10区ランナー、“父親が大物アーティスト”と判明し「息子が走ってたなんて」「イケメン息子」と驚きの声
  4. /nl/articles/2501/02/news034.jpg 「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
  5. /nl/articles/2501/03/news005.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」→こだわり満載の完成品に「すごすぎて意味わからない」と大反響 2024年に読まれたハンドメイド記事トップ5
  6. /nl/articles/2501/01/news001.jpg 【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
  7. /nl/articles/2501/03/news004.jpg 授業参観の度に「かっこいい」と言われた父親が10年後……「時間止まってる?」父子の姿に驚愕 2024年に読まれた家族記事トップ5
  8. /nl/articles/2501/04/news004.jpg 高校生息子にリクエストされたお弁当を作ったら……驚きの仕上がりに「うらやましい」 2024年ねとらぼで読まれた【お弁当記事トップ5】を紹介
  9. /nl/articles/2501/03/news012.jpg 小さなカエルを大事に育て、たった1年後…… 娘が「こわい!」と逃げ出すレベルの“ヤバい成長”に「デカすぎやろ」「僕でも怖いわ」
  10. /nl/articles/2501/03/news007.jpg 考え方も性格も“正反対”の2人が結婚→それから13年後…… 苦楽をともにした“現在の姿”に反響 「素敵ですね」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  2. 大谷翔平、妻・真美子さん妊娠公表→エコー写真に“まさかの勘違い” 「デコピン妊娠?」「どう見てもデコピンで草」
  3. 「すごい漢字!」 YouTuberゆたぼん、運転免許証公開 「本名の漢字」に衝撃の声続々
  4. 「麻央さんにそっくり……」 市川團十郎の11歳息子・勸玄の成長ぶりに驚きの声 「大きくなってる!」「すでに貫禄がある」
  5. チェジュ航空社長、日本語で謝罪 犠牲者は170人以上との報道 公式サイトは通常のオレンジからブラックに
  6. 「スマホ入荷しました」 ハードオフ店舗がお知らせ→まさかの正体に大横転 「草しか生えない」
  7. 母「昔は数十人もの男性の誘いを断った」→娘は信じられなかったが…… 当時の“想像を超える姿”が2800万再生「これは驚いた」【海外】
  8. 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  9. 「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
  10. 「デコピンを抱き寄せたのはもしかして」 妻・真美子さん第1子妊娠発表で大谷翔平の発言と行動に再注目 「“もう帰る?”は気遣っていたのかも」
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」