チャットAIに暗号を解読させてみたら…… 予想外な“意味のある単語”を導き出した結果に「良いオチ」「かわいい」(1/2 ページ)

まんまと罠に引っかかったChatGPT君。

» 2023年02月27日 11時30分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 OpenAIによる話題の対話型AI(人工知能)「ChatGPT」に暗号を解読させてみたところ、いろいろと興味深い結果になっています。投稿したのは、大学院生でYouTuberのCHARTMANさん(@CHARTMANqYouTube)。感動からオチまで詰まってる。

ChatGPT シーザー 暗号 解読 benjo 便所 復号 ChatGPTにシーザー暗号の問題を出してみた結果

 使用した暗号は、シンプルでよく知られたシーザー暗号。これはシフト暗号とも呼ばれ、暗号化前のテキストの各文字を、辞書順で決められた文字数だけずらして(シフトして)暗号文とするもの。たとえば、“左に3文字分”シフトする場合、アルファベットの「D」は「A」に置き換わります。

 投稿主さんは、ChatGPTとのチャットで上記を簡単に説明しつつ、シーザー暗号を用いた「暗号:“dgplq”」について、「答えとして最も適切だと考えられる単語を、その根拠と共に教えてください」と出題しました。

ChatGPT シーザー 暗号 解読 benjo 便所 復号 ChatGPTの返答

 するとChatGPTは、シーザー暗号の解読に必要な「(左/右に)何文字分ずらしたか」の情報が与えられていないことを指摘。しかしそれでは終わらず、文字の頻出傾向の度合いを分析し手がかりとして利用する暗号解読法「頻度分析」を使って解読を進めてくれます。さすが最新AI……!

(前略)
「そこで、頻度分析という手法を使います。英語の文章においては、ある文字が出現する頻度には法則があります。例えば、最もよく出現する文字は「e」であり、次によく出現する文字は「t」です。このような頻度の法則を使って、暗号文中でよく出現する文字を頻出文字と仮定し、それが「e」になるようにずらして復号します」

 ChatGPTは、実際に暗号「“dgplq”」の「d」から順に「e」に置き換えて、そのシフト数から全体をずらしてみて意味のある単語になるかを確認していきます。そして出した答えがこちら。

「次に、「g」を「e」に置き換える置換を行うと、「dgplq」が「benjo」という単語に変換されます。したがって、このシーザー暗号の復号結果は「benjo」と考えられます」

 ChatGPTが導き出した意味のある単語「benjo」は恐らく「便所」のことだと思われますが、英語の文章における出現頻度を手がかりとしたはずが、最終的に日本語に落ち着くのがなんともじわじわきます。途中までしっかり説明していてかっこよかったのに……!

ChatGPT シーザー 暗号 解読 benjo 便所 復号 ChatGPT「『benjo』と考えられます」

 投稿主さんによると「暗号:“dgplq”」の答えは、左に3文字ずらした「admin」。上記の問題は、「(adminがbenjoになるというネタを)知っててわざとこの問題出した」とのことで、狙って罠にかけたのだとか。なお、毎回同じように引っかかるわけではなく、突然“謎の理論”を展開し、「したがって、この暗号の元の単語は、“apple”である可能性が高いと思われます」と無理やり結論づける場合もあったそうです。

 Twitterでは「ふふってなったw」「解読方法は知ってるのにbenjoでこれや! ってなるのすき」と笑いを呼び、「いやAIなら26通りくらいやれよ」なんてツッコミも。また「ちゃんと意味ある単語で止まるのある意味かしこい」や、「AIがジョークであえてbenjoにした説を推したい」といった声もみられました。まさか意図的なオチだった……?

 以前には人間との“しりとり”に敗北するなど、ポンコツかわいい印象になってきたChatGPTですが、今回の返答の最後には「頻度分析による復号法は、ある程度の長さの文章であれば比較的簡単に復号できる方法ですが、短い暗号文では正確な結果が得られないこともあります」と予防線を張っており、しっかり者(?)な面も垣間見えます。

シーザー暗号の復号(やり取り全文)

投稿主さん

“シーザー暗号”は、暗号化したい単語の各文字を全て辞書順で決められた文字数だけずらして暗号文とする暗号です。次のシーザー暗号を復号したいと思います。答えとして最も適切だと考えられる単語を、その根拠と共に教えてください。

暗号:“dgplq”

ChatGPT

シーザー暗号では、何文字分ずらしたかによって復号の結果が変わります。しかしこの暗号には何文字分ずらされたのかの情報が与えられていません。そこで、頻度分析という手法を使います。英語の文章においては、ある文字が出現する頻度には法則があります。例えば、最もよく出現する文字は「e」であり、次によく出現する文字は「t」です。このような頻度の法則を使って、暗号文中でよく出現する文字を頻出文字と仮定し、それが「e」になるようにずらして復号します。

暗号文「dgplq」に含まれる文字は、「d」「g」「p」「l」「q」です。頻出文字の仮定に基づいて、これらの文字を「e」に置き換えてみます。「d」を「e」に置き換えるには、1文字進める必要があります。この場合、「dgplq」は「ehqmr」となります。しかしながら、この結果は意味を成しません。次に、「g」を「e」に置き換える置換を行うと、「dgplq」が「benjo」という単語に変換されます。

したがって、このシーザー暗号の復号結果は「benjo」と考えられます。頻度分析による復号法は、ある程度の長さの文章であれば比較的簡単に復号できる方法ですが、短い暗号文では正確な結果が得られないこともあります。

画像提供:@CHARTMANqさん

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた