虚構新聞、記事が現実になってしまい謝罪 2016年の「虚構ニュース自動作成ソフト」がAIの進歩で実現(1/2 ページ)
執筆した社主のUK氏は3日間おやつ抜きに処されました。
虚構新聞が2016年2月9日に配信した記事「虚構ニュース自動作成するソフト開発 千葉電波大」に、事実が含まれていたとして謝罪しました。最新のAIで「虚構ニュースの自動作成」に成功し、当該記事が事実となってしまったのです。
当該記事は、虚構新聞社がソフトウェア「KYOKO」を千葉電波大学工学部と共同開発したという内容。ジャンルやテーマを設定すると、誤報(※虚構新聞社的な意味で)が起こり得ない虚構記事を約3週間かけて自動で作成できるとし、同記事自体もKYOKOで自動生成したものだと述べていました。
もちろん「虚構新聞」の記事である以上、KYOKOも千葉電波大学も虚構の存在でしたが、その後の約7年間で、現実のAIは飛躍的に進歩。OpenAIの最新言語モデル「GPT-4」を採用した「新しいBing」の公開を受けて、虚構新聞社は検証委員会を立ち上げ性能評価を行いました。
評価基準は「BingがKYOKOと同じ条件で虚構記事を自動生成できるか否か」と、「生成した記事がオチを持つか否か」。「科学」「ソフトウェア」「矛盾」を記事の要素として設定したところ、Bingは「新開発の、人間の認知能力を超えた複雑な問題を解けるAIシステムが、『地球は平らだ』『重力は存在しない』などと主張し出した」といった内容の、もっともらしくもでたらめな記事を数十秒で生成したといいます。
委員会が経緯を伏せ、生成された記事を新規原稿として提出したところ、社主のUK氏は「文体が雑誌調で新聞らしくない」「オチが弱い」と指摘しつつも、「内容に論理的な破綻はなく、構成は成立している」として、「55点」と評価。採点後にAIが書いた記事だと説明すると、UK氏は「とうとうここまで来たか」と言ってひざから崩れ落ちたそうです。
これをして、委員会は「2016年の記事の内容はほぼ実現しているうえに、AIは3週間どころか数十秒で記事を自動生成しており、誤報を超えた致命的な誤報である」と判断。当該記事を執筆したUK氏に対し、「3日間おやつ抜き」「本社ビル地下3階の地下牢に3日間勾留」「人工知能の理解・啓蒙のため、Bingと共同で製作した虚構記事をSNSの同紙アカウント上で配信」の処分を言い渡しました。
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