「Twitterに不満があるなら自分で作ろう」と開発 個人開発SNS「タイッツー」が1週間で登録者10万人突破 開発者に聞く思い(1/3 ページ)
開発者のhokuさんに詳細を聞きました。
7月1日、新たなSNS「タイッツー」が誕生。それからわずか1週間程度で、登録者数が10万人を突破するにぎわいを見せています。全ユーザーがタイツのアイコンをかぶり、好きなことを投稿するゆる〜い世界。
タイッツーはエンジニアのhoku(@hoku_unagi)さんが、個人で開発し運営しているSNS。スタイルはツイッターとよく似ており、ユーザーは「タイーツ」と呼ばれる140文字以内(半角は280文字)の短文を投稿したり、他のユーザーの投稿を「いいね」したり、「リタイーツ」してフォロワーに紹介したりできます。
ただ、hokuさんは1日で開発したとのことで、現状ではリプライや通知、画像の投稿といったSNSに必要な機能の多くは未実装。それでいて、使い道を特に決めないまま「タイーツコイン」と「タイーツ石」のパラメーターを設定したり、毎日ログインボーナスとしてタイーツ石を配ったり、タイーツ石と引き替えに用途不明なアイテムが当たるガチャを引けたり、ゲームめいた仕様はやたら充実しています。
リプライやDMによるコミュニケーションができない一方で、AIを相手に悩み相談ができるのも面白いところ。「三賢者の館」コンテンツで1000タイーツ石を支払うと、マッチョ・ギャル・科学者の「三賢者」が、おのおのの個性的な観点から相談に答えてくれます。
ちゃめっ気にあふれるタイッツーは、昨今のTwitterへの不安から移行先を求めるネット民の注目を集め、一時はメールサーバーが限界に達し登録ができない事態に。「プロフィールの変更」や「投稿の削除」など、細かい機能が少しずつ増えていく様子も子どもの成長のようでほほえましく、多くのユーザーに温かく見守られているようです。
編集部はhokuさんを取材し、開発意図など詳細を聞きました。
きっかけはTwitterAPIの機能削減
―― タイッツーを開発しようと思った理由を教えてください
hoku 私はもともとTwitter APIを有料プランで利用し、さまざまなサービスを開発していました。しかし、6月27日に告知なくAPIの「フォロー取得」と「フォロワー取得」の機能が使えなくなり、当初はいつもの不具合かと思われていましたが、後日これがなんと事前告知無しの仕様変更であることが判明しました。
これらは多くのサービスにおいて極めて重要な機能であり、そもそもこの機能が使えないのであれば有料プランのAPIは利用しませんでしたし、なによりTwitter関連のサービス開発に多くの開発リソースを投入する判断は行いませんでした。
私はどちらかといえばTwitterが好きで、関連のサービスを作ってきましたが、これらの多くは突如サービス終了に追い込まれた形です。今回の措置はさすがに強権的で、今までのエコシステムをないがしろにする行為だと感じました。その憤りと、個人開発者としての「不満があるならば自分で作ろう」という発想から、タイッツーの開発に至りました。
―― 「タイッツー」という名前にしたのはなぜでしょうか。タイツはお好きですか
hoku タイツに対して好き嫌いという感情は特になかったのですが、今はユーザーさんたちが投稿や閲覧をする際に「タイツを振り回す(タイッツーを利用すること)」とか「タイツをはく(タイッツーを始めること)」とか、面白い表現で楽しんでくださっていて、なんか、こう、すごくタイツが好きになってきました! ちなみに「タイッツー」というサービス名には驚くべき由来が隠されているのですが、それが何なのかは秘密です(ウィンクの顔文字)。
―― ユーザーがここまで増えることは予想していましたか。サーバー代など負担は大丈夫でしょうか
hoku 大変ありがたいことに、7日と19時間でユーザー登録者数が10万人を超え、現在も増えている状態です。もちろん多くのかたに使っていただきたいとは思っていましたが、ここまで一気に実現するとは考えてもいませんでした。リリース時は「タイーツ」と「フォロー」の機能しかなかった謎のSNSなのに……。
サーバー代については現時点でもけっこうかかっているのですが、PIXIV FANBOXにて支援を募集させていただいたところ、なんとか問題なく支払えそうな状態となりました。このようなサービスの利用は初めてなのですが、多くのかたからご支援いただけて大変驚いています。金銭的なご支援もそうですが、ご支援者様からの気持ちのこもったメッセージや共感の声などもあり、励まされるとともに多くの気付きをいただいて本当に感謝しております。
また、タイッツーをどういうSNSにしていきたいかPIXIV FANBOXの記事で公開したところ、同じ思いを持っているかたも多くいらっしゃることが分かりました。今後もみんなが安心して楽しく使えるSNSを目指して開発していこうと考えています。
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