「Twitterに不満があるなら自分で作ろう」と開発 個人開発SNS「タイッツー」が1週間で登録者10万人突破 開発者に聞く思い(2/3 ページ)
SNS疲れしにくい、雑に使えるSNSを目指して
―― 「タイーツコイン」と「タイーツ石」の配布の際、「何に使うか全然決まっていません!が、とりあえず配布します!!」とのメッセージが表示されますが、現状のガチャや賢者への相談以外に使い道は増える予定でしょうか
hoku はい、使い道は今後増えていく予定です。やりたいことはたくさんあるのですが、今は基本的な機能でまだ未実装のものも残っており、まずはそういったものを実装してからおいおい……という状況です。
―― 今後どのような機能を追加していく予定ですか
hoku まずはSNSの基本的な機能から追加していきます。具体的には、「鍵アカ」「画像投稿」「リプライ」「プロフィール画像変更」「タイーツ検索」などです。その後、詳細はまだお伝えできませんが、従来のSNSにとらわれない便利な機能も追加していくことを予定しています。
また、それと並行してAPIの機能公開も進めています。APIを公開することで私自身が考えもしない楽しいサービスが多く生まれると思いますし、それによってSNSが本当の「楽しい遊び場」になると思っています。ただ、APIはその設計が非常に難しいと考えています。技術観点ではなく、運用観点での設計です。
TwitterをはじめさまざまなSNSの状況から考えても、APIでデータを無尽蔵に公開すればよいというものではなく、APIを使って生まれたサービスの収益の一部をタイッツー側にも還元するなどの仕組みを考えておかないと、後で高額なAPI料金の設定が必要になったり、そもそもAPI提供が不可能になってしまうことを心配しています。
もしそうなると結局全員が悲しいことになってしまいますので、それを避けるべく、現実的にどう解決していけばよいか? を真剣に、そして慎重に検討しています。最近のTwitterAPIの問題には憤りを感じますが、なぜそうせざるを得なくなってしまったのかはサービス運営者として理解できる面もありますし、今後に生かすべき教訓であると思っています。
―― 最近のTwitterの状況について思うところなどありましたらお聞かせください
hoku 最初にもお話しましたが、私は基本的にはTwitterが好きです。いろいろな情報に触れられますし、多くのかたと薄くゆるくつながれるからです。しかし、Twitterは「ネガティブな情報をほぼ強制的に見せられる」という、大きな問題があると思っています。ふとタイムラインを見ると、怒りや悲しみに満ちたツイートが流れてきたり、何かを引用リツイートで告発して大人数で叩くようなものが流れてきたり、何かしら負の感情を揺さぶるものが目に入ってきます。
こうした「本来自分に関係ない、知らない人のエピソードで、怒りや悲しみの感情を無理やり揺さぶられ、正義感に基づいたリツイートなどの行動を自然と促される」現象は、「SNS疲れ」の大きな要因の1つであると考えています。以前、「Twitterは七つの大罪の『憤怒』を刺激する」とする内容のツイートが共感を得ていましたが、まさにその状況だと思います。
Twitter APIの問題にもあらわれていますが、サービスの収益が改善しない限りこの状況は変わらないと考えています。なぜならば、SNSはより長くサービス内に滞在してもらうことで広告費を稼げるビジネスモデルである以上、経営判断的には「刺激的な情報」という、投稿数や滞在時間を増やす要因を制限する方向には舵を切れないと思われるからです。
タイッツーでは「リプライ」や「引用RT」といった基本的な機能よりも前に、ミュート、ブロック、鍵アカといった機能の開発を優先しています。これも「SNS疲れをなるべくしてほしくない」という思いから来ています。
―― そんなTwitterの状況を踏まえて、ユーザーにはタイッツーをどのように使ってほしいですか
hoku 私はタイッツー公開時点からずっと「雑に使ってください!!!!」と言い続けています。
この「雑に」とは、断じて「人を不快にする行動をとってよい」でなく、「真面目にSNSしすぎちゃうと疲れちゃうよ」「SNSは楽しむためのただのツールだよ」と、思い出してほしくて言っています。やっぱりみんな真面目な人が多いですし、雑に使おうと思っても忘れちゃうじゃないですか。なので、人を不快にしないようにマナーを守ることは大前提としつつ、定期的に「SNSは雑に使うべきだよねー」と思い出しながら楽しむのがいいんじゃないかなと思っています。
私は自身の思想等を積極的に発信したりしていこうとは思っていないのですが、この「雑に使ったほうがよくない?」という思いだけは、たまにつぶやきたいなと思っていますし、タイッツーを使っているとたまに思い出せる、または思い出さなくても快適に使えるようにしていきたいと考えています。
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