英バンド、マレーシアの反LGBT法を“メンバー同士のキス”で批判 政府指示でフェス中止へ「プロ意識に欠ける」

バンドが現地ガイドラインの順守を約束したと主張。

» 2023年07月26日 08時25分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 マレーシアのクアラルンプールで7月21日から23日まで開催予定だった音楽フェス「グッド・ヴァイブス・フェスティバル 2023」が、英バンド「The 1975」フロントマンのマシュー・ヒーリーによるステージ上での振舞いを理由として残りのステージを中止すると発表。マシューはステージ上でマレーシアの反LGBT法を批判する発言や行為に出ていました。

The 1975のマシュー・ヒーリーがマレーシア政府を批判しフェスティバルが中止に フェスがなくなるほどの騒動に(画像はThe 1975のInstagramから)

 マシューは21日のステージ上、観客に向けてフェス出演を承諾したことを謝罪し、マレーシアのLGBTに対する姿勢をよく理解していなかったと主張。「ミスを犯してしまった。公演を計画していたときにはそのことについてよく考えていなかったんだ」と述べ、「The 1975を自分の国へ招待しておきながら、誰と性的関係を持っていいのか指示をするなんて意味が分からない」としました。

 さらに「これが君の気分を害したら、君の信仰であったら、君のクソ政府の一部であったならごめん。でも、君たちの政府は時代遅れの集まりで、もうどうしようもない」などと強い言葉を使って批判を続け、スピーチの終わりに抗議の一環としてベーシストのロス・マクドナルドと同性同士のキスを交わしました。

The 1975のマシュー・ヒーリーがマレーシア政府を批判しフェスティバルが中止に 来日した際のThe 1975(画像はThe 1975のInstagramから)

 この騒動の背景として、イスラム教国であるマレーシアではLGBTの権利は広く認められておらず、同性間の性交渉には最長で20年の禁錮刑などの刑法における罰則が残されているという事情があります。

 一連の出来事の後、同フェスティバルは22日に「残念なお知らせとなりますが、本日と明日に予定されていたグッド・ヴァイブス・フェスティバル2023の残りのスケジュールは、英国人アーティストThe 1975のマシュー・ヒーリーによる物議を醸す行為と発言により中止となりました」とイベントの中止を発表。

 また、「この決定は7月22日午後1時20分に通信・デジタル省が発表した即時中止の指示に従ったものです。同省はマレーシアの法律に対する異議、嘲笑、違反を行ういかなる人物に対しても断固とした態度を示しています」と、本決定はマレーシア政府による指示で行われたと自ら明らかにしています。

 主催者側は、同決定に影響を受ける人々に謝罪するとともに、The 1975のマネージメントチームがフェスティバルの開催に先立ち、バンドは現地のガイドラインを順守すると約束したと指摘。マシューの行為を「プロ意識に欠ける」と非難しました。

 The 1975は騒動の後、インドネシアと台湾での公演中止を発表。出演予定だったジャカルタの「WE THE FEST」のアカウントを通し、「The 1975は予定されていたジャカルタと台北での公演が行われなくなったことを残念に思います。バンドは決して軽々しく公演を中止の決定を行うことはなく、ジャカルタと台北のファンたちのため演奏することを心待ちにしていましたが、残念ながら現在の状況では公演をスケジュール通り行うことが不可能となってしまいました」とこれが苦渋の決断であったことを伝えています。

 一方で、マシューは以前からその言動がたびたび物議をかもしてきました。2023年2月に出演したポッドキャスト「The Adam Friedland Show」では、司会者が外国のアクセントをまねたり、女性蔑視やひどい内容のトークを繰り広げたりしたことへ、笑ったり同意したりしたようにとれる対応をみせたことで大炎上。

 本配信が日本にも触れる内容であったことから、英国で活躍する日本人歌手リナ・サワヤマは6月23日に出演した同国の「グラストンベリー・フェスティバル」のステージでマシューを激しく非難するに至っています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  7. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  8. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  9. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  10. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」