妻は更年期、50歳の夫が家事・育児に協力してくれない理由とは…… 更年期の悩みとの向き合い方を描いた体験談マンガ『私の生理のしまい方』(1/2 ページ)

著者インタビューと合わせて、マンガ本編を出張掲載。

» 2023年11月26日 19時00分 公開
[ねとらぼ]

 「最近なんだかイライラが止まらなくて、自分が自分でなくなったみたい」「家族に伝えたいけど自分でもよく分からない不調。私はこれからどうなってしまうんだろう?」―― 40代以降の女性が経験する悩みをテーマにした漫画『私の生理のしまい方』(10月26日刊行/KADOKAWA)。

 生理不順、疲れやすい、眠れない、気分の乱高下など、特に閉経前後10年間はこれまでとは違う心身の不調に悩むもの。9人の体験談を通じて、そんな心身のトラブルと、向き合い方を描いた著者・原あいみさんにインタビューしました。合わせて、漫画本編も掲載します。

書影

漫画『私の生理のしまい方』とは

 年齢に伴う心身の変化。思春期の子どもであれば学校で教わることができ、親や先生といった理解者がしっかりサポートしてくれるものですが、大人になると事情が変わります。

 『私の生理のしまい方』では、更年期を乗り越えた40代以降の女性たちの体験談をマンガ化して分かりやすく紹介。また、女性医療クリニックLUNA理事長・関口由紀さん監修のもと、ホルモンの変化と不調の関係性、病院の探し方などが学べるコラムも掲載しています。

著者・原あいみさんインタビュー

―― 本書のメインテーマは、女性の更年期の悩み。ですが、今回掲載する「第8話」は男性の更年期を取り上げています。その理由は?

 まさに私の夫(50代)が、疲れ方がひどく、覇気がなく、メンタルな落ち込みがひどい時期がありまして。私がこの本を作っていたのでもしやと思い「取材も兼ねて更年期外来に行ってみてよ!」とお願いしたところ、やはりホルモン値が60代くらいまで落ちているとの結果でした。

 雑談として編集さんにお話ししたら、「やはり更年期は女性だけのものじゃない。夫婦の話を入れたほうがいいね!」と。

―― 本書の制作を通じて感じた「男性の更年期の難しさ」は?

 本の中で監修の関口先生も解説していますが、正確には“男性の更年期”というものはなく、女性の更年期症状によく似た不調(加齢性腺機能低下症)が起こるそうです(分かりやすさを重視して“男性の更年期”と呼ばれているのだと思います)。

 女性の場合は「閉経の前後5年ずつ10年間が更年期」とされていますが、男性の更年期症状が現れる時期ははっきり決まっていなくて、分かりづらいみたいですね。

 女性なら同年代のみんなで「更年期だからねー」と会話しやすい気がしますが、男性が、特に30〜40代など若いうちにこういった症状に悩まされたら、周りにも話しづらいだろうなと思います。

―― “加齢と関係のある心身のトラブル”なのに、同年代の人たちはまだ起こっていない……となると、別の原因を疑うのが自然でしょうしね。

 それから、男性にも加齢による不調があることは徐々に認知されてきましたが、まだまだ「更年期症状は女性特有のもの」という感覚があって、自分ごととして捉えにくいかもしれません。

 想像ですが、もしかしたら女性以上に「更年期の症状かも」と受け入れることに抵抗があるのではないかいう気もしていて。だから、夫に対しても「取材だと思って行ってきて!」とお願いしました。これなら「仕方ないなあ」と行きやすいかなと思って。

―― 更年期は、社会的にはまだまだ若いとされ、家庭や仕事のために頑張らなくてはいけない年代。そんな板挟みな悩みと、上手に向き合うには?

 私自身、高齢出産で娘を産んでいて、更年期世代に突入した今も、子育ての真っ最中。職業人生的なことを考えても、ここからラスト10年間が最後のイチバン面白い時期では、と感じます。会社勤めの方であれば、役職に就いて責任ある立場にいる方も多いかもしれませんね。

 でも、20〜30代のころと比べると、やっぱり圧倒的な体力の衰え、そして老いを感じずにはいられません。個人的には、まだまだ若いと言われても、やはり無理はできないという自覚があります。

 しかし、更年期の年代になると、自分の性格や特性が分かってきて(良いところもダメなところも)、良い意味でずうずうしさも備わってくるものでしょう(笑)

 限りある体力と時間を何に優先的に使うべきか、上手に大胆に決めていける時期かなと感じていますので、「やりたくないこと」「自分がやるべきことではないこと」をどんどん切り捨てていくのがよいのでは、と思っています。

 だって、「アレもコレも」はもう無理なんですから!

―― 読者へのメッセージをお願いします

 今回、取材に協力してくださった皆さんは、口をそろえて「自分が苦労した体験談が、少しでも皆さんの役に立つのなら!」と仰ってくださいました。さまざまなタイプのさまざまな症状(不調がなかった方のお話も!)のリアルな様子が分かる本になっていると思います。

 タイトルを『私の生理のしまい方』にしたのは、「更年期」という言葉にまだ抵抗を感じる年代の方にも手にとって読んでもらいたかったから。女性にとって「生理」は日常的にあるものなので、そちらの方が受け入れやすいかなぁ、と。

 男性からすると「生理」でもまだとっつきにくい言葉かもしれませんが、私のまわりでは、けっこう男性の方が「勉強させてもらうよ」と手にとってくれています! 夫は一気に読んで「これは、男女問わず広くみんなが知った方がいいねぇ」としみじみと言ってくれました。

―― 誰しもいつかは当事者か、当事者の身近な人間になるテーマですからね。

 この作品が更年期についての認知が広がる一助になって、みんなでフツーのこととして話せるようになっていくといいなぁ、と思っています。「こんなことがあるんだって」「私ももしかして?」と家族や友達、身近な人と雑談できるきっかけになったら、うれしいです。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた