大のアニメ好きが選ぶ“もっと評価されるべき2023年アニメ”TOP20! 「贄姫と獣の王」「もういっぽん!」を押さえ2023年のランキングを統べた大傑作は……?(1/3 ページ)

秋の怪作も上位に食い込む。

» 2023年12月27日 18時00分 公開
[はるのおとねとらぼ]

 200以上もの新作アニメが生まれた2023年。今年は「鬼滅の刃」や「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」といった人気シリーズに加え、「【推しの子】」「わたしの幸せな結婚」「葬送のフリーレン」など新規作品も人気を博し、例年以上に活気のあるアニメシーンであったように感じます。

 しかし大ヒット作以外にも面白い作品があるというのはアニメファンならご存じでしょう。本稿ではそうした少し隠れた名作を探るため、アニメを週25本以上視聴し続ける“アニメ好き”100人以上を対象に「2023年の作品でもっと評価されるべきアニメは?」というアンケートを実施。放送/配信作品は5つ、劇場公開作品は3つまで挙げてもらってランキングを作成しました。まずは放送/配信作品のTOP3を紹介します。

3位:贄姫と獣の王

 2023年は人間と異種族の恋愛を描いた作品が多数見られましたが、少女と魔族によるロマンスストーリー「贄姫と獣の王」が3位にランクインしました。本作は魔族の国に生贄(いけにえ)としてささげられたものの、魔王の意向で后として迎え入れられた少女・サリフィが主人公の物語です。「獣っぽい魔族が全員色気あり過ぎてやばい」という声もありましたが、多くの投票者は人種差別や親子の呪いといったテーマが盛り込まれた物語にひかれていました。

 また本作は20位以上で唯一の連続2クール作品でした(次点は28位の「青のオーケストラ」「ダークギャザリング」)。連続2クールではなく分割2クールが増え、また連続2クール作品でも失速が目立つなか、本作は2クールたっぷり使っての緻密かつ丁寧な物語展開と終盤の大きな盛り上がりが、満足度の高さにつながったようです。

2位:もういっぽん!

 2位の「もういっぽん!」は高校1年生の園田未知が主人公の女子柔道もの。「いわゆる美少女という感じではなく、汗臭い週刊少年チャンピオンらしい女子スポーツもの」というコメントもありましたが、明るく前向きな未知を始め、敵味方問わず等身大のキャラクターによる王道の青春ストーリーがアニメファンの心をつかみました。

 また柔道シーンについても、「『YAWARA!』以降、あまり新作が出ず止まっていた柔道アニメというジャンルが次の段階へとようやく進んだ」「4〜5話の試合のすごさ!」「緊張感溢れる試合を、丁寧な作画と演出で見事に再現していた」「これは『帯をギュッとね!』のアニメ化も期待」など高く評価するコメントが多数ありました。

1位:冰剣の魔術師が世界を統べる

 2023年の当ランキング1位は、同名のライトノベルをアニメ化した「冰剣の魔術師が世界を統べる」でした。世界最強と謳われる「冰剣の魔術師」の称号を受け継いだ少年・レイ=ホワイトが、エリート魔術師が集まる魔術学院に入学する……と、あらすじだけ書くと「よくあるファンタジーものか」と敬遠する人もいるかもしれませんが、一見の価値は十分以上です。

 1話の唐突なサンシャイン池崎パロから始まり、執拗(しつよう)な筋肉推しなど「アクセル全開」なギャグ描写もインパクトが強く、本筋もしっかりと面白かったですが、本作の真骨頂は創意工夫の数々。自由自在に、そして効果的に使われるオープニング/エンディングテーマを筆頭に、多彩な演出で視聴者を楽しませようとする姿勢が「TVアニメの表現の枠を拡張するような斬新な手法」「TVアニメの形式を骨までしゃぶり尽くすかのようなお約束の“冰剣システム”に夢中になりました」といった評価を集め、2位にダブルスコアをつけての1位で「『冰剣』が2023年アニメを統べる」結果となりました。

 そんな意欲作に「今まで連綿と積み重ねてきたファンタジーバトル系ラノベアニメの総決算のような作品」「今はテレビよりもネット配信が人気を決めていると言っても過言ではないが、『TVアニメ』としての価値を重視する姿勢を評価」「オープニングから次回予告に至るまでアニメの面白さを上手に乗りこなしたアニメとして、2023年の顔とも言える」と最大級の賛辞が寄せられています。

 なおシリーズ構成・監督のたかたまさひろ氏が手掛けた秋アニメ「でこぼこ魔女の親子事情」も票を集めており、今後アニメファンなら注目すべき存在でしょう。

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