31歳年の差ベッドシーンに「気持ち悪い」 「ウェンズデー」ヒロインの最新作に不快感噴出、話題職“親密コーディネーター”は反論(1/2 ページ)

何かと幼いイメージのあるジェナ。

» 2024年02月09日 19時03分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 米俳優ジェナ・オルテガと英俳優マーティン・フリーマンが出演する最新作「Miller's Girl(原題)」が米国で1月26日から劇場公開中。現在21歳と52歳と、31歳の年の差がある2人によるベッドシーンが「不快」であるなどと批判され、話題になっています。これに2月8日、撮影現場でインティマシーコーディネーターを務めたクリスティーナ・アルホナが反論しました。

「Miller's Girl」主演ジェナ・オルテガとマーティン・フリーマン 21歳のジェナ・オルテガと52歳のマーティン・フリーマンが共演(画像はYouTubeから)

インティマシーコーディネーターは「同意と配慮」を強調

 クリスティーナは英Daily Mail紙への独占インタビューに応じ、撮影現場で俳優は「快適」な環境にあったと明言。クリスティーナが務めるインティマシーコーディネーターとは、ヌードを含め撮影現場で俳優たちの身体が密着するような性的なシーンを撮影する際に、身体のポジションや角度、また俳優が不快な思いをしていないか精神的なケアまでを担う役割で、近年ハリウッドでは積極的に導入されています。

 映画「Miller's Girl」は、ジェナが演じる18歳の学生カイロと、マーティン演じる教師のジョナサンが複雑な関係にもつれ込み、自身の内面にも向き合う物語。才気あふれるカイロにジョナサンが何か書いてみるよう勧めるうち、彼女は官能小説を書くことを選択します。

 同作のインティマシーコーディネーターを務めるにあたり、クリスティーナは2人の年齢差を重要なポイント捉え、「特に、かなり若い人に対しては、継続的に同意していることを確認する」とジェナには特別に繊細な配慮を心掛けていたと主張。彼女の仕事にとっては、俳優らの決断をサポートし、また彼らが限界を超え無理なことをしないよう寄り添うことも重要であるとのことです。

 ジェナ、そしてマーティンと、「どの程度までヌードになるか」「どういった“疑似的セックスシーン”が必要なのか」をよく話し合ったと述べ、これらの情報は撮影の48時間前までに書面で共有され、もし俳優の気持ちが変わりそのどれかをやりたくないと思えば「当日変更するという選択肢もある」と明かしました。

 「本当にたくさんの人が(ジェナが)快適で、納得できるものと食い違いがないよう思いやりました。また彼女はとても決断力があり、そして自分がやりたいことについてはっきり確信していました」と、現場では多くの人がジェナに配慮し、ジェナ自身の意志が尊重されたと強調しています。

ティーンの役もまだまだ多いジェナ

ジェナ・オルテガ 「ウェンズデー」主演で一躍人気者になったジェナ(画像はジェナ・オルテガのInstagramから)

 マーティンは映画「ラブ・アクチュアリー」(2003年)や、ホビット三部作のビルボ・バギンズ役、ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」のジョン・ワトソン役、MCUシリーズでのエヴェレット・ロス役など幅広い役で活躍してきたベテラン俳優。

 一方21歳のジェナは「アイアンマン3」(2013年)など子役としての活躍からキャリアをスタートし、Netflixで2022年から配信中のコメディーホラードラマ「ウェンズデー」で一躍ブレイク。第2シーズンの制作が決定している同シリーズではハイティーンの役柄であり、三つ編みにゴスロリ風ファッションで広く知られるようになりました。

 彼女が155センチと欧米では比較的小柄であることも手伝って、実年齢より幼いティーンのイメージを持つ人も少なくないよう。31歳の年の差もさることながら、今回多くの人が2人の性的なシーンに違和を感じた一因にもなったようで「Miller's Girl」公開後、2人のベッドシーンに対し異を唱えた人からは、「ジェナ・オルテガは子役だって考えてたのは私だけじゃないはず」「ジェナ・オルテガとマーティン・フリーマンの映画を見てしまって……(泣き顔の顔文字)」など、すでに成人しているもののジェナに幼い印象を持っていたためショックを受けてしまったというコメントも。

 インティマシーコーディネーターによるインタビュー公開後も、「ジェナ・オルテガとマーティン・フリーマンの件、私は快適じゃない」と映画の観客としては“快適”とは感じられなかったとの意見もありました。

同じく20代で50代俳優とのロマンスを数多く演じていたオードリー

映画「Miller's Girl」予告編

 そもそも中高年男性と若い女性俳優のロマンスを描く作品は数多く、例えばオードリー・ヘップバーンも「ローマの休日」をはじめ初期の代表作のほとんどで、相手役は10〜30歳年長の俳優ばかり。よくも悪くもこれをハリウッドの“伝統”と捉える意見も投稿されていました。

 「何か簡単に考えてるかもしれないけど、ハリウッドではこの手の年の差恋愛が何十年も描かれてきたんだよ。何十年もだよ」「これは何も最近はじまったことでもなくハリウッドではずっと行われてきたこと。俳優が良いならそれで良いじゃない」「これは現実じゃない。彼らは演技をしてるんだ」と映画の世界ではこれが慣例で、また出演者は俳優として仕事をしているだけだという擁護コメントもみられました。

 さらに、根本的な問題として「問題は、映画にこういったセックスシーンが必要なのかということだ。何のために必要なんだよ」「映画にセックスシーンなんて必要ない。それならポルノを見ればいい」と性的なシーン自体の是非や、「セックスシーンといえるほどのものでもなかったよ」と性的要素はほとんどなかったと訴える映画視聴済みの人もいました。

 また極論として、「誰かが快適だったって、他の誰かが言うことが気持ち悪い。これはジェナ本人に聞くべきだろう」とインティマシーコーディネーターの発言も含めて疑問と訴え、問題はジェナ本人にしかわからないことであるという声も寄せられています。

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