「54万匹駆除しても追いつかない」琵琶湖で大量発生している“生態系を壊す恐怖の生物” ゾッとする正体に「こんなに増えてるなんて…」(1/2 ページ)
繁殖力がすさまじい(※集合体恐怖症の人は閲覧注意)。
琵琶湖で大量発生している外来生物を駆除する動画がYouTubeに投稿されました。記事執筆時点で、この動画の再生数は41万回を超えており、「やはり今年は多いんですね」「こんなに増えてるなんてゾッとします」と反響を集めています。なお、集合体恐怖症の人は閲覧注意です。
生態系の保全活動
投稿したのは、生物採集系YouTuberのマーシーさん。自身のYouTubeチャンネル「マーシーの獲ったり狩ったり」で、滋賀県の琵琶湖を中心に生態系保全のための活動を発信しています。
あまりにも早い遭遇
今回のターゲットは夜行性であるため、夜の琵琶湖でガサガサ(川の中の草や生き物を採集すること)を実施したところ、即座に1匹目を発見。あまりの早さにマーシーさんは、「もう見つけました……」と力なくコメントしました。
問題となっているのは、南米原産のスクミリンゴガイ(通称:ジャンボタニシ)。食用とするため日本へ導入された後、野生化して各地で繁殖してしまった外来生物です。
主な食べ物は柔らかい草。そのため稲をはじめとする農作物を食害し、繁殖力の強さからタニシなど在来生物の数を減少させかねないとして、環境省と農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されています。
ジャンボタニシは寒さに弱く、土の中で冬を越そうとする生き物。マーシーさんは暖冬の影響で多数の個体が生き残ったために、今回の大量発生へつながったと分析しています。
あちこちに“ピンクの塊”
駆除の対象としているのはジャンボタニシの成体と卵塊。メスは最大700粒もの卵を「ピンク色の塊」として植物に生み付けます。1匹のメスが何度も生むため、たちまちその一帯はジャンボタニシだらけに。マーシーさんが撮影した映像にも、ピンクの卵塊があちこちに生み付けられている光景が映っています。
発見した卵塊の数をカウントしながら、より確実に駆除できるよう卵をつぶしていくマーシーさん。なお、卵には神経毒が含まれており、ジャンボタニシの体内には寄生虫がいる可能性もあるため手袋を付けて作業しています。
他の生物にも遭遇
捕獲作業を繰り返す中で、ミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニ、ウシガエルといった外来生物にも遭遇。もちろん見逃さずに全て捕まえていきます。
最終的に捕獲したジャンボタニシの成体は181匹で、つぶした卵塊は777個。1つの卵塊が700粒の卵で構成されているとした場合、今回の作業で「推定54万4081匹」の個体を駆除したことになります。途方もない数値だ……。
また、ウシガエルの食べた物を調べたところ在来種であるウチワヤンマの幼虫を発見。今回のジャンボタニシ捕獲作業中には、羽化しようとしているウチワヤンマとも遭遇していました。マーシーさんは、「ウシガエルからしたら格好の的ですよね」と羽化の最中に狙われる可能性を指摘し、危機感を示しました。
映像と字幕を通じて、“もし見つけたら、手袋を付けて卵塊をつぶしてほしい”と呼びかけたマーシーさん。動画には、「ウチの田んぼでも一反くらいの広さを外周一周しただけでバケツ半分くらい余裕で捕獲できますからね……」「ついに近所でもジャンボタニシが繁殖しているのを確認してしまいました……」「ジャンボタニシ駆除頑張ってます」などのコメントが寄せられました。
ジャンボタニシをまくのはやめよう
なお、農林水産省は雑草防除を目的としたジャンボタニシの放飼をやめるよう、公式X(Twitter/@MAFF_JAPAN)で注意喚起しています。未発生地域や被害防止に取り組む地域でジャンボタニシを放飼すると、「周辺農地への拡散により悪影響を及ぼす」「一度侵入・まん延すると根絶は困難」としています(関連記事)。
マーシーさんはこの他にも、琵琶湖の探索をした結果や、岡山県の川で発見した外来生物などの情報を自身のYouTubeチャンネルで発信しています。
画像提供:YouTubeチャンネル「マーシーの獲ったり狩ったり」さん
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