「顔写真で自閉症を判別」 AI講座受講者がアプリ公開し物議…… 講座運営企業が謝罪 「倫理的に懸念」(1/2 ページ)

» 2024年08月07日 21時11分 公開
[ねとらぼ]

 IT企業のアイデミーは8月7日、同社のAIアプリ開発講座受講者が、講座の一環で「顔写真から自閉症を判別するWebアプリ」を公開し物議を醸した件について謝罪しました。

「倫理的に問題がある」など批判

 物議を醸したのはアイデミーが提供する講座「Aidemy Premium」の受講者によるブログとアプリ。当該の受講者は講座の成果物として、顔写真から自閉症を識別するとするWebアプリを開発。受講修了要件を満たすためとして、アプリを公開し、開発の過程などを記載したブログを公開していました(その後アプリは非公開になりブログは削除)。

削除されたブログ 削除されたブログ

 これに対して、悪用を懸念する声や、差別を助長するのではないかといった批判、倫理的に問題があるとする意見などが寄せられました。「医師が慎重に時間をかけて診断しているものを、写真だけで判断できるものではない」との指摘もあり、受講者自身も後に「医学的根拠は現状ない」と追記しています。

 またブログで、テーマの選定にあたって「チューターの後押しがあった」といった記述が見られたことから、講座を開設しているアイデミーに対して「なぜ止めなかったのか」との批判が寄せられました。

削除されたブログ チューターの後押しがあったとの記述が見られた

声明の発表

 同社は7日に「Aidemy Premium サービス強化と新たな取り組みについて」とする声明を発表。「弊社サービスをご利用の学習者様が作成する学習成果物に関し、運営体制の不備から公開された内容について、倫理的に懸念される状況が発生しました」として謝罪しました。

 同社はサービス内で提供している情報、運営を見直し、ガイドラインの強化と従業員教育の徹底を進めるとしており、また受講者向けにはAI倫理のコースなど、学習が推奨される内容のコンテンツを拡充し、順次追加費用なく提供するとしています。

アイデミー「真摯に受けとめております」

 ねとらぼ編集部がこの件についてアイデミーに問い合わせたところ「ご指摘・ご意見について真摯に受けとめております。現在、社内で早急に事実確認の実施・改善に向けた対応を進めております」との回答がありました。

 テーマ選定に当たってチューターの後押しがあったとされる点については、カウンセリングに当たっては「特定のテーマを肯定あるいは否定するなどは行わず、受講者自身で検討し選択できるようにする姿勢を堅持した」「テーマ選定にあたって選ぶ基準案を例示(これまでの経歴と親和性のありそうなテーマが取り組みやすい)」の2点を行ったと説明しています。

 同社は「当社の運営について振り返るべき点があり、当該過程の実施にあたって当社からの情報提供や機会提供において改善点があったと考えております」としており、社内ガイドライン、特に受講者への対応に関するものの見直しを既に始めていると述べています。

 「受講者が自身の選択を実行することで起こす可能性がある他者・自身への損害など、リスクに関する情報提供と認識保有の促進」「学習過程の目的により適した学習の実施方法の情報提供・認識機会の提供」を改善が必要な部分として同社は挙げています。

 修了条件である成果物(アプリ・ブログ)は公開必須でないにもかかわらず、公開必須でないことに明確な言及ができておらず、ブログ作成時に公開が必要と取れる可能性のある記載があったとして、これらを改善するとも述べています。

 なお同社は8月5日付けでガイドライン強化のほか、規約の改定を発表していますが、規約の改定については今回の件を受けてのものではないとしています

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/25/news076.jpg 30年以上前の製品がかっこいい ソニーの小型ラジオのデザインが「すごい好き」「いまでも通用しそう」
  2. /nl/articles/2502/28/news013.jpg 高3女子「進学を機にイメチェンしたい」→美容師に依頼すると…… 仕上がりが「すげえええ」「鳥肌立ちました」と1000万再生
  3. /nl/articles/2503/01/news039.jpg 45万で家を買ったら中がまさかの…… “テーマーパーク”と化した物件に謎の金庫→こじ開けた結果に「こういうのワクワクします」
  4. /nl/articles/2503/02/news043.jpg 食べ終えた干し柿の種は捨てないで! 取り出して5年間育てると…… 信じられない現在に「スゴい!!」「感動しますね」
  5. /nl/articles/2503/01/news055.jpg 仕事を辞めて最初の依頼 手描きでドットを塗りつぶす作業に「完成絵見てビビりました」「これはカワイイ! 」 → 仕上がりに感動
  6. /nl/articles/2503/02/news022.jpg 白髪に“真っ青に染まるトリートメント”を塗って流してみたら…… 予想外の結果に「驚きました」「良い!」
  7. /nl/articles/2503/01/news004.jpg 「尊敬するばかりです」 1人暮らしの80代おばあちゃんが作る“常備菜”がすごい! 食卓がパッと華やかになり「挑戦してみたい」
  8. /nl/articles/2503/01/news038.jpg 「B級品、ダメだ」と言われたハリネズミ→愛情たっぷり姉弟がお迎えしたら…… 「泣けてくる」「むしろ極上品」驚きの姿が話題
  9. /nl/articles/2503/01/news044.jpg 【かぎ針編み】100均毛糸で作ったパーツを重ねていくと…… 贈り物にぴったりなアイテムが完成 「素敵」「頑張って作るぞ〜」
  10. /nl/articles/2503/02/news038.jpg これは思わず二度見 秋田で「シャケ弁」を購入 → “衝撃的な見た目”が2900万表示 「こういうのがいいんだよ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  2. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  3. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に
  4. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  5. 余った毛糸は捨てないで! 四角く編んでいくと……目からウロコのアイデアに「知れてよかった」「素晴らしい」
  6. コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  7. ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  8. 瀬戸内海で漁をしていたら突然異変が…… 揚がってきた“取ってはいけない生物”に衝撃 「初めて見ました」と70万再生
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 温かそうだけど…… 呉服屋さんが教える「マフラーの巻き方」になぜか既視感 「あの巻き方ってこうやってたの!?」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に