土日にかけても台風10号の影響続く　四国・近畿・東海は線状降水帯発生の恐れ

» 2024年08月30日 18時48分公開

[日本気象協会 tenki.jp（http://www.tenki.jp/）]

　動きが遅い台風10号は、土日も西日本から東日本周辺に居座る見込みです。土日の間に熱帯低気圧に変わる予想ですが、大雨をもたらすという点では、台風も熱帯低気圧も変わりありません。引き続き大雨災害に厳重な警戒が必要です。

所々に活発な雨雲　台風から離れた所も雨強まる

　台風10号は、西日本付近を自転車並みかそれ以下の速度で東寄りに進んでいます。今日30日(金)夕方5時の時点では、中国・四国地方を中心に台風本体のまとまった雨雲が広がっています。また、台風から離れた静岡県、神奈川県周辺も断続的に雨が強まり、神奈川県では土砂災害の危険度が広い範囲で高まっている状況です。

　台風本体のまとまった雨雲はゆっくり東へ移動し、今夜には近畿地方も広い範囲で雨が強まる恐れがあります。

ノロノロ台風10号　土日は近畿・東海付近で位置がほぼ変わらない可能性も

　今日30日(金)でもかなり進む速度が遅かった台風10号は、土日にかけてスピードを上げるどころか、さらに動きが遅くなる、または少し西に戻る動きをする可能性も出てきました。明後日1日(日)までには熱帯低気圧に変わる見込みですが、大雨をもたらす湿った空気を大量に含んでいるという点では、台風も熱帯低気圧も変わりありません。熱帯由来の非常に湿った空気の影響で、引き続き西日本や東日本を中心に大雨災害に厳重な警戒が必要です。

予想される雨の量

　西日本や東日本では明日31日(土)にかけて、雷を伴った非常に激しい雨や猛烈な雨が降り、大雨となる所がある見込みです。その後も台風周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、断続的に激しい雨や非常に激しい雨が降る恐れがあり、2日(月)ごろにかけて総雨量がさらに多くなる所があるでしょう。

　今日30日(金)18時から明日31日(土)18時までに予想される24時間降水量は多い所で、

関東甲信地方　150ミリ
北陸地方　　　100ミリ
東海地方　　　300ミリ
近畿地方　　　300ミリ
中国地方　　　120ミリ
四国地方　　　300ミリ

　その後、明日31日(土)18時から明後日1日(日)18時までに予想される24時間降水量は多い所で、

関東甲信地方　200ミリ
北陸地方　　　150ミリ
東海地方　　　400ミリ
近畿地方　　　200ミリ
中国地方　　　50ミリ
四国地方　　　150ミリ

　その後、明後日1日(日)18時から2日(月)18時までに予想される24時間降水量は多い所で、

関東甲信地方　200ミリ
北陸地方　　　150ミリ
東海地方　　　200ミリ
近畿地方　　　150ミリ
四国地方　　　60ミリ

　線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増える恐れがあります。

　線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、

四国地方：徳島県、香川県、愛媛県、高知県　今日30日(金)夜にかけて
近畿地方：滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県　今日30日(金)夜から明日31日(土)午前中にかけて
東海地方：岐阜県、静岡県、愛知県、三重県　今日30日(金)夜から明日31日(土)午前中にかけて

です。

近畿・東海・関東甲信は土日ともに道路への影響「大」　週明けも影響残る可能性

　台風の接近に伴って、交通にも影響が長期間予想されます。

　土曜日は四国・中国・近畿・東海・関東甲信・北陸と広い範囲で影響が大きい見込みです。特に大雨による影響が大きく、非常に激しい雨や猛烈な雨によって視界が悪くなり、車の運転が危険なほどの降り方となるおそれがあります。土砂災害によって道路に土砂が流れ込む可能性もあるため、不要不急の外出は避けるなど、計画の変更も検討してください。

　また、台風の動きが遅いため、近畿・東海・関東甲信を中心に週明け2日(月)にかけても影響が続くことが考えられます。

　道路だけでなく、鉄道への大きな影響も心配されます。移動した先で帰れなくなるといった事態にならないよう、鉄道での移動も慎重に検討なさってください。