「スマブラ」桜井政博さんのYouTubeが最終回 たった1人で制作費9000万円も無収益、驚きの舞台裏にゲームファン沸く「本当にお疲れ様でした」(1/3 ページ)

200本以上もの動画を、2年前に全部撮影していたとは……!

» 2024年10月23日 13時27分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズで知られるゲームデザイナー、桜井政博さんのYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」が、10月22日公開の特別編で最終回を迎えました。そこで明かされた制作の舞台裏に、ゲームファンから驚きの声が上がっています。

企画の始動は2021年、休める時期をあえて動画制作に

 桜井さんは2022年8月24日に最初の動画を公開。作り手がゲームをより面白くする手助けになるかもしれないし、プレイヤーもゲームを深く知ることで、より楽しく遊べるかもしれない――といった趣向で、桜井さんが開発のノウハウや仕事への考え方などを披露してきました(関連記事)。

 企画の始動は2021年10月下旬、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」が桜井さんの手を離れたころ。すでに次の新規プロジェクトは決まっていたそうですが、スタッフの結集に翌年4月頃までかかるため、スケジュールに数カ月の空白期間ができたといいます。

桜井政博 桜井さんの会社「ソラ」では、2022年4月から新プロジェクトがスタート。その前の空白を全て動画制作に投入

 普通ならばリフレッシュ休暇を……と考えるところですが、桜井さんはこの期間を動画の企画・制作に充てようと決断。まず全256回分の台本を書き、1人でまとめ撮りしたのだそうです。簡潔に書いてしまいましたが、この時点で超人の域ですね……。

桜井政博 原稿の完成時点で、配信の順序まで決定。ゲーム開発うんぬんの前に、まず仕事の段取りがすごい

総製作費約9000万円もあえての「無収益」

 YouTubeチャンネルを開設することは事前に任天堂にも許可を取り、動画に挿入するゲーム映像などは、私物のコレクションを活用して自ら撮影。開発版ROMの映像など、桜井さんにしか用意できないものも多数収録しました。

 2022年2月頃には素材がそろい、制作会社に動画編集を依頼します。そして同年8月にはいよいよチャンネルを公開。新規プロジェクトと並行して動画のチェックや修正、更新作業を行う、ハードな日々が続いたそうです。

 のちに「ゲームセンターCX」とのコラボ動画も加わり、チャンネル開始から2年半で全260回の動画が公開されました。総制作費用は約9000万円で、そのほとんどは編集作業にかかる費用だと明かしました。

 しかし「ゲーム業界への投資」として、チャンネルは収益化をしていません。桜井さんはそれでも「費用対効果は良かったのではないか」とし、「今後のゲーム業界にごくわずかにでも後押しになること、貢献できることを心から願っています」と述べています。

桜井政博 手間と暇とお金をかけたボランティア……!
桜井政博 最後にはチャンネルにまつわるデータも公開

「仕事への考え方がためになる」と他業界からも好評

 ゲーム制作者にはいつでもアクセスできる虎の巻として、プレイヤーにはよりゲームを深く知るための手引きとして、働く人には心得や考え方などの参考として活用してもらえれば――そう締めくくられた動画は大きな反響を呼びました。桜井さんのハードな仕事ぶりに、X(Twitter)では「ゲーム業界にとって最高のボランティア」「本当にお疲れ様でした」「まさか2年程前からチャンネル準備の撮影やらいろいろしてたとは」などと、感謝やねぎらいの声が寄せられています。

 「仕事への取り組みや姿勢についても非常に参考となり、実際に取り入れて確かな実績も得られました」「2年半前ということに驚きつつ、それだけ計画的でいることの大事さが伝わりました」など、他業界からも感心する声が多数。また、現在桜井さんが進めている新規プロジェクトについても、期待の声が上がっています。

桜井政博のゲーム作るには 最終回スペシャル

画像はYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」より引用

読まれている記事

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/22/news187.jpg 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  2. /nl/articles/2410/21/news017.jpg ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  3. /nl/articles/2410/21/news139.jpg 飛行機で傷口が感染し「身体の一部を切除」 133万フォロワーの元アイドル「痛みで涙が止まらない」悲痛の現状報告
  4. /nl/articles/2410/22/news047.jpg 二度見されるほど爆毛だった赤ちゃん、3歳の今は…… 成長の軌跡が70万再生「ぶふぉっ!!と吹きました」「なんて可愛い」
  5. /nl/articles/2410/21/news126.jpg 「笑いが止まらない」 深夜のバイクで職務質問 → バッグから出てきたものは…… 警官も笑った“とんでもない光景”が1000万表示 「キマってますねぇ」
  6. /nl/articles/2410/19/news010.jpg 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  7. /nl/articles/2410/21/news163.jpg 人気VTuber、とんでもない“運と奇跡”でゲーム大会優勝→困惑&爆笑の声が殺到 「バグってる」「ミスターサタンみたいで草」
  8. /nl/articles/2410/22/news019.jpg 「え、公式の宣材写真ですか!?」 口紅をプロが本気で撮影すると…… “信じられない結果”が100万再生 「声が出ちゃいました」
  9. /nl/articles/2410/20/news022.jpg ガリガリでノミだらけの野良猫を保護したら…… 2日後の驚くべき変化に「ひたすら泣ける」と23万超再生
  10. /nl/articles/2410/22/news026.jpg 捨てられないハギレ→驚きの大変身! “ちょっとそこまで”にぴったりなアイテムが90万再生 「早速作りました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  3. 「Snow Man」の映像が中国で物議→公開停止 所属会社「歴史的事象に対する配慮に欠けた」と中国語と日本語で謝罪
  4. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  5. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  6. 「かわいいってこういうこと」 生後1カ月の子猫が暖をとる場所は……幸せしかない姿に「この角度から見るのが最幸」
  7. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  8. 「ボットン便所を簡易水洗にしたい」→「どれどれ……」 建設会社スタッフが驚がくした“歴史的遺物”に大反響 「相当貴重なもの」
  9. 「その手があったか!」 ほぼ卵焼きだけの弁当?→“まさかのサプライズ”が800万再生 「天才すぎて泣いた」
  10. 飛行機で傷口が感染し「身体の一部を切除」 133万フォロワーの元アイドル「痛みで涙が止まらない」悲痛の現状報告
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声