日本労働組合総連合会が、時間外労働の実態に関するアンケート調査を実施。心身の健康に支障をきたすと感じる1カ月の残業時間は、平均46.2時間であることなどが明らかになりました。
「36協定に関する調査2017」の対象となったのは、20〜65歳の男女1000人(自営/自由業、パート、アルバイトを除く)。残業の有無などに関する質問では、残業を命じられた経験のある人は全体の62.5%、1カ月の平均残業時間は22.5時間となりました。平均残業時間は業種、年齢、性別によって開きがあり、業種別に見ると運輸業(33.6時間)、性年代別に見ると40代男性(28.4時間)が最も長くなっています。
「心身の健康に支障をきたすと感じる1カ月の残業時間」は、平均46.2時間。男性は40代まで時間が増加していき、女性の場合は30代以降、35時間前後に落ち着く傾向が見られます。この結果にやや類似しているのは、プライベート時間の確保、給料の多さどちらを重視するか尋ねた項目。男性のプライベート派は20代が約7割と大多数を占めていますが、そこから徐々に減少し、50代で給料派とほぼ半々になっています。
このように年齢、性別による違いはありますが、過半数を占めているのはプライベート派。また、やりがい派か、プライベート派かという項目を性年代別に見ても、約5〜7割がプライベートを重視すると回答しています。
会社が残業を命じるのに必要な労使協定(いわゆる36協定)を、勤め先が締結しているか尋ねた項目では「している」「分からない」がともに約4割。相模女子大学の白河桃子客員教授は、この数字から企業側の遵法意識の低さ、労働者側の「自分を守る安全な労働環境」についての意識の低さが分かると指摘しています。
(マッハ・キショ松)
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