古くから能楽や神楽で使われてきたキツネのお面「狐面」。これを「装着者がアゴを動かすと連動してお面の口も開く」よう設計した「フルフェイス狐面」のペーパークラフトが開発・商品化され、Twitterで1万2000回以上リツイートされるなど人気を集めています。
製作したのは、ペーパークラフトや照明デザインの分野で活動するグラフィックデザイナー・林たけおさん(@BoxDogPuppy)。もともとキツネの頭の上半分をかぶるような狐面のペーパークラフトキットを製作販売していましたが、今回はそこに下アゴを装着する形で顔をすっぽり覆う「フルフェイス狐面」を開発しました。
下アゴはゴムひもなどで固定されており、装着者の口の動きに合わせてパカパカ開く仕組みに。例えば仮面劇の会話時に中の人がしゃべったりすると、外面のキツネも口元を動かしあたかもしゃべっているように見えます。またデザイン面でも、2本のヒゲなど昔からの狐面の特徴を残しつつ、目が鋭くキバが生え、耳やおでこには和紋の切り抜きがあったりと、現代らしいスタイリッシュなフォルムに。「外見」「機能」2つの面からリデザインした斬新な狐面となっています。
Twitterでは「すてき」「好きなデザイン」「魅惑的ですね」と設計に多くの評判が。「『魔法使いの嫁』を思い出しました」「『約束のネバーランド』に出てきそう」など、現代の漫画やアニメのキャラをほうふつとさせる外見に食いつく声もあがっていました。
製作した理由について「劇団やパフォーマー達にマスクを提供するうちに、演技ができる仮面もあっていいのでは? と思ったのがきっかけです」と林さん。開発期間は、もとからある狐面にパーツを足していったので1カ月半ほどで、何度も組み立てては寸法を直して完成したそうです。
「開発するのは割と楽しく進められたのですが、組み立て解説書のDTP作業が苦手なので大変でした。私のマスク全般の特徴でもあるのですが、曲線で紙を折ることにこだわったモノになっています。商品の組み立ては工作スキルがある方なら1時間ほど、不器用な方でも半日くらいあれば大丈夫かなと思います」(林さん)
ペーパークラフトキットはA4サイズの台紙が4枚組、カット済み台紙、ミシン目折り線入り台紙、ゴムひもと解説書が付属して4320円(税込)。大変だったという解説書は参考写真をたくさん入れたことで11ページ(!)にもわたっています。
まずは3月24日に東京・北千住で開催される、日本最大級のマスクの展示即売会「第5回 東京マスクフェスティバル」で発売。フェスの終了後は、東京・江古田の「暮らしを美しむ小道具の店 環(かん)」で店舗販売と通信販売が開始される予定です。
写真提供:林たけお(@BoxDogPuppy)
(黒木貴啓)
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