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英オックスフォード大学と英エジンバラ大学の研究者チームが海に突如出現する「ドラウプナー波」の発生メカニズムを研究し再現に成功したところ、この巨大波が浮世絵師の葛飾北斎の作品「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」の波にとてもよく似ていると分かりました。
ドラウプナー波とは、1995年にヨーロッパの北海ではじめて観測された巨大波。事前に発生を予測することが難しく、周囲の波よりも大きいことから、大型船の沈没といった海上災害の原因になると危惧されています。発生原因が不明であることから、ある種の民間伝承とされる現象でしたが、研究チームの長年の苦労により再現に成功しました。
オックスフォード大学工学部のマーク・マカリスター博士ら研究チームによると「2つの小さな波が約120度で交差する場合だけこの波を再現することが可能である」と判明しました。また、同大学のブレマー教授は、観測した波の動きについて「現在の最先端の海洋砕波(さいは)の理解とは大きく異なる」と述べており、研究のさらなる発展を示唆しています。
そして研究者達が驚いたのは、再現したドラウプナー波と浮世絵師の葛飾北斎が描いた「神奈川沖浪裏」の波の形状がよく似ていることでした。同作は、富士山のある景観を描いた名所浮世絵揃物『富嶽三十六景』の全46図のうちの1図として知られています。激しくうねる波が印象的な木版画ですが、研究者達が言うようによく似ています。ひょっとしたら葛飾北斎は、ドラウプナー波を目にしていたのかもしれませんね。
あの波は実際に目撃したものかも?
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