異世界から現実世界へ転移してきた魔王が、なぜか企業の新人教育係を務める漫画「魔王様に学ぶ新人教育」がTwitterで好評を博しています。魔王の教育理論が意外と現実的でためになる。
ファンタジーとサラリーマン社会をミックスした作品を多数手がけるベニガシラ(@poppoyakiya)さんの、「魔王がブラック企業の社長になった漫画」(関連記事)に連なる続編。主人公の只野花子が、魔王の会社へ転職した日から始まります。
すると、教育係として現れたのは、いかついツノを生やした魔王。しかも社長だという謎の状況に、花子はたじろぎます。チートスキルでも教えるのかと怪しんでいたところ、魔王が発したのは「我が教えるのはビジネススキルだ」というごく普通の言葉でした。
魔王は花子の資質をラノベによくあるゲーム的なステータス画面で分析。提案力と分析力の高さを見て営業職につくよう命令します。
おそるおそる花子から企画志望だと言われると、「レベル1のスライムが戦場に行けばレベルアップもないまま終わる」と、ゲームチックな比喩で忠告。「無駄死にしないレベルまで鍛えてやる。自らの道を選ぶのは強くなってから」とさとします。
そして半年後――花子はトップの営業成績に上り詰めて充実した毎日を過ごしていたのでした。魔王の「人を見る目」と指導力がすばらしすぎる。
「魔王の言葉が心に響く」「部下を生かすも殺すも上司次第なのだな」「こんな上司に憧れる」などと漫画には賛辞が多数。反響を受けて作者は第2話を公開しました。今度はいよいよ、魔王が魔力を発動し、手から怪しい光を放ちます。
光の中からものものしく召喚されたのは、「Z文章」なる社外秘の書。ところがその中身はというと、コピー機の使い方や社内端末へのログイン方法などを記した、単なるマニュアルなのでした。「Z」って「雑務」の「Z」かよ!
それでも、前職で細かい雑務のルールに悩まされた花子は、感心して目を輝かせます。特にうるさかった上司の話をすると、魔王は「その人間は本質を誤っている」とバッサリ。指示のまま行う「作業」と、価値の創造を自ら考えて行う「仕事」の違いを説きます。
そして「作業だけ繰り返してもレベルアップはしない。目的を持って自己研鑽して挑戦するのが仕事の本質」と熱弁。「作業の方法だけを指摘するのはその者が仕事をせず、楽なことを優先してきたからだ」と花子の元上司を批判し、彼女には「仕事を教えてやろう」と、1冊の本を取り出すのでした。その書名は「S文章」――この「S」もたぶん「仕事」の「S」なんでしょうね。
「仕事」の指導内容が気になるところで、第2話は終了。ベニガシラさんは「同人誌1冊分までは描きたい」とコメントしているので、今後の発表が期待されます。
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抜けたら勇者。