仮想通貨採掘ソフト「Coinhive(コインハイブ)」の設置を巡り、Webデザイナーの男性が不正指令電磁的記録 取得・保管罪(通称:ウイルス罪)に問われていた裁判で、東京高等裁判所は2月7日、一審の無罪判決を破棄し、被告の男性に罰金10万円の支払いを命じる有罪判決を言い渡しました。共同通信など複数の媒体が報じているほか、被告本人も「とても残念な結果となりました」と心境をツイートしています。
裁判では「閲覧者に無断でコインハイブを設置することはウイルス罪に当たるのか」が主な争点となりましたが、昨年(2019年)3月27日の横浜地裁判決では「ウイルスにはあたらない」として無罪に。しかし、今回の判決では「サイトを見た人に無断でPCの機能を提供させて利益を得ようとするもの」「サイトを見た人のPCで電力が消費されるといった不利益が認められる」(栃木力裁判長)などの理由から、「今回のプログラムはウイルスに当たる」(同)として、有罪判決を言い渡しました。
ネット上ではこの判決を受け、「JavaScriptを動かしているサイトはどうなるの?」「これが通るんならせめて動画広告も全部有罪にしてほしい」など、判決に納得がいかないという声が多くあがる形に。ただ一方では「インターネット空間の安全性の確保の方が大事」「有罪で当然だと思います。他人のPCのリソースを無断で使用するのは、他人の物やお金を無断で拝借して使用するのと同じこと」など、裁判官の判断を支持するといった声もみられました。
コインハイブを巡ってはこれまでに全国で20人以上が摘発されていますが、そもそもコインハイブ自体がウイルスに当たるかどうか以外にも、警察による強引な捜査(関連記事)や、被告をはなから有罪と決めつけ、どう喝するような取り調べが行われていたことなど(関連記事)、さまざまな問題が指摘されています。代理人の平野敬弁護士(電羊法律事務所)に今後について聞いたところ、「上告はします」とのことでした。
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