【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年2月5日)
日付を聞いて車両形式をイメージしてしまうのは、鉄道好きの性というもの。
2月5日ですと、ちょうど「205系電車」といった具合でしょうか。
いまでも205系電車がよく見られるのが栃木県。
京葉線出身で、いまは日光線を走っている“メルヘン顔”の205系電車には、10年ほど前から日光線の車両で採用されている、レトロ調の色彩が施されています。
“メルヘン顔”があるということは、“普通の顔”もあるということ。
東北本線(宇都宮線)の宇都宮以北を中心に走る車両のなかには、“普通の顔”の205系電車も活躍しています。
山手線や埼京線、京浜東北線や中央総武各駅停車、横浜線・南武線などでも活躍しましたので、鉄道好きでなくても「昔、こんなの走ってたなぁ」と記憶の片隅にあるかもしれません。
昭和60(1985)年にデビューした205系電車は、昭和から平成にかけての1980〜1990年代、ちょうど国鉄からJRに移行した前後に活躍した車両です。
軽量ステンレス製の車体となり、塗装が要らなくなってメンテナンスが大きく軽減された他、車両の仕組みにも、コストを抑えながら省エネルギー効果を高めた工夫があるのだそう。
15年ほど前はまだ、当たり前のように山手線ですれ違う様子が見られたんですよね。(参考)JR東日本ホームページ
205系電車がまだまだアツく頑張っている栃木・宇都宮駅「松廼家」の駅弁のなかから、きょうは「あつあつとちぎ霧降高原牛めし」(1300円)をご紹介。
すっかりレギュラー駅弁として定着している「とちぎ霧降高原牛めし」の加熱式バージョンが、例年、冬季限定で販売されています。
加熱式駅弁は、紐を引き抜いて蒸気が上がってくると、何ともワクワクしますよね。
【おしながき】
- 白飯
- とちぎ霧降高原牛の牛肉煮
- 煮玉子
- 小松菜
- 竹の子煮
- 新生姜甘酢漬け
地元産コシヒカリを使った白いご飯に、栃木のオリジナルブランド、「とちぎ霧降高原牛」の牛肉煮が一面に載っています。
改めて牛肉とごぼうの相性のよさが感じられる、いい味付け。
煮たまごと新生姜で、甘辛のバランスを取りながらいただいていくのが楽しくなります。
暦の上では春でも、まだまだ温かい駅弁が恋しい時期ですよね。
東京から近いところでは、横浜・川崎の鶴見線や同じく神奈川県の相模線などで、まだまだ活躍している205系電車。
ただ、一般に鉄道車両の寿命は30〜40年と云われていますので、全国各地の80〜90年代生まれの車両にも、世代交代の波が押し寄せてきています。
いまある日常の風景を大切に、記憶に残し、そして記録しておきたいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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