【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年2月7日)
上越線のE129系電車が、新潟・南魚沼の水田地帯を駆け抜けて行きます。
1〜2時間に1本程度、しかも2〜4両の短い列車が通るには、やや過剰な設備の線路に見えますが、これは新幹線開業前の名残。
上越線は昭和57(1982)年の上越新幹線開業まで、新潟行の「とき」、金沢行の「はくたか」、秋田・青森行の「いなほ」といった特急・急行列車が、頻繁に走る特急街道でした。
通学時間帯を外した昼下がりの上越線の列車は、クロスシートに腰かけて1人身を委ね、のんびりとした気分を味わうことができる最高の空間です。
車窓に広がる魚沼の田んぼで育まれるコシヒカリを思い浮かべていただくなら、越後湯沢駅の駅弁を手掛ける「川岳軒」の「牛〜っとコシヒカリ」(1100円)でしょうか。
スリーブ式の包装が、プチリニューアルされたようですね。
【おしながき】
- ご飯(魚沼産コシヒカリ)
- 牛肉煮(魚沼・桜井畜産の和牛使用) はじかみ
- 玉子焼き
- かまぼこ
- 干し大根
魚沼産コシヒカリの上に載った、濃厚な味わいの牛肉は健在です。
今回のリニューアルで、新たにパッケージに表記されたのが「魚沼 桜井畜産和牛」の文字。
「桜井畜産」は、地元では有名な南魚沼市の畜産業者で焼肉店も展開、和牛を魚沼産コシヒカリの稲わらや越後ワインのぶどうなどを使った特別飼料で肥育していると言います。
その意味では、牛肉にも魚沼産コシヒカリのうま味が“牛〜っと”凝縮されているわけですね。
冬の上越新幹線は、スキーを楽しむ方が多く、大宮〜越後湯沢間で比較的混雑しますが、湯沢以北ではゆったりとした旅が楽しめます。
人があまり出かけない時期の列車は、いわば“乗るリラクゼーション”。
新幹線と在来線を上手く組み合わせながら、駅弁と共に冬景色を眺め、ときには温泉に入り、のんびりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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