魔法使い見習いのシララは、同じ魔法学校に通うミムムから“ある冒険”に誘われます。「私とドラゴンのちんちんを見に行かない?」――。それは2人の少女の飽くなき探求の始まりでした。
きっかけは魔術の授業で出された“ドラゴンに変身する課題”。教科書には載っていない細部のディテールを求めて、ミムムはドラゴンのちんちんを見に行こうと提案したのです。
成績1位のミムムに対して、シララの成績は万年2位。一度は断ろうとするシララですが、一方的にライバル心を抱いていたミムムの「貴方を選んだのは私がこの学校で一番優秀だと思っているから」という言葉を受け、しぶしぶパートナーとして同行することに。
ドラゴンの目撃情報があった地点へ向かった2人は、辺りに残された自慰の痕跡を発見します。「ドラゴンはついさっきまでここにいたのよ!」とミムムは大興奮。とにかく勢いで押し切ろうとする集中線の連続に、シララの瞳も輝きを帯び始めます。
そして現れた本物のドラゴン。圧倒的強者に睨まれた恐怖で、先ほどまでの威勢がしぼんでしまうミムム。すると今度はシララが彼女の手を勢いよく握り、勇気づけるように笑いかけます。そして2人が目にしたものは……。
と、ぶっ飛んだ設定がネット上で話題を呼んだ同作『ミムムとシララ 〜ドラゴンのちんちんを見に行こう〜』。Twitterで拡散された第1話を目にした方も多いかもしれません。
ドラゴンのちんちんをきっかけに芽生えた友情、そして探求心は、彼女たちを新たな冒険へといざないます。ユニコーン、クラーケン、インキュバスと、第2話以降も妙に説得力のある異世界ちんちんうんちくエピソードが続くのですが……。
こうして「頭からっぽで読めるお下品ファンタジー」と油断した読者たちは、第5話「悪魔のちんちんを見に行こう」で衝撃を受けることに。
ちんちんを観察するために悪魔を召喚したミムムとシララ。しかし、その軽はずみな行動は、2人から大切な“あるもの”を奪ってしまいます。喪失感に包まれる彼女たちですが、代わりに残った友情を胸に、失ったそれを取り戻すと誓うのでした。
“ファンタジー×身近な何か”をテーマにした漫画の金字塔といえる『ダンジョン飯』は、「妹を救う(ついでにドラゴンを食べる)」という大きな目標があるからこそ、イロモノの枠に収まらない王道の面白さを提供し続けています。
ところがミムムとシララは、第1話にして「誰も見たことが無い」とされるドラゴンのちんちんを見てしまいます。第5話はドラゴンのちんちんに匹敵する大きな目標が物語を貫く転換点であり、「ちんちん」「冒険」「少女の友情」という3本の柱が同時に一皮むけた素晴らしい回でした。自信を持って言えます。『ミムムとシララ』はストーリー漫画だと。
『ミムムとシララ 〜ドラゴンのちんちんを見に行こう〜』はくらげバンチにて連載中。10月8日に発売された第1巻には、前述の「悪魔のちんちん」回を含む9話まで+描きおろしエピソードが収録されています。
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