学校にトラウマがあるフランス人革職人、日本の小学校で子どもたちと触れ合い…… 心が浄化される体験に「涙が出ました」「一生忘れられない思い出になる」(1/2 ページ)
実は学校にトラウマがありました。
フランス人の革職人が日本の小学校を訪問したときの様子がYouTubeで紹介されています。動画は記事執筆時点で166万再生を突破、4万8000件を超える“高評価”が寄せられています。
フランス人革職人が日本の小学校を訪問
投稿したのは、フランス人の妻・アマンディーヌさんと日本人の夫・ゲントクさんが運営するYouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」。前回、フランス人女性の革職人であるマチルドさん(22歳)が、日本でランドセル作りに挑戦する様子を紹介してくれました(関連記事)。
今回は夏のスペシャル企画として、マチルドさんとアマンディーヌさんが日本の小学校を1日体験することに。山形県酒田市の自然豊かな場所にある小学校にやってきました。
アマンディーヌさんは今回の企画でマチルドさんに「ランドセルを背負っている子どもを自分の目で見て欲しい」「マチルドさんが作ったランドセルを子どもたちに試してもらいたい」と考えたとのこと。マチルドさんの中には「子どもたちのランドセルに対する思いを知りたい」という気持ちもあるようです。
実は小学校でYouTubeの撮影をするのは大変なこと。校長先生や役所の職員との調整や打ち合わせはゲントクさんが担当したそうです。
学校の中に入った2人はフランスの小学校と日本の小学校の違いを次々に発見。マチルドさんは敷地内にプールがあることや学校が高い壁で囲われていないこと、校舎の入り口に一輪車が置いてあることなどに驚いています。
1時間目 フランス語講座
校舎に入って、先生たちにごあいさつをします。マチルドさんが持っているランドセルが自作だと聞いて先生たちは驚きのリアクション。童心に戻って背負っている姿がほほえましいです。
1時間目は1、2年生対象のフランス語講座です。2人が前に立ち、あいさつや簡単な自己紹介の練習。お手本を見せると、自分から手を挙げて積極的に発言してくれます。
フランス語講座の後は、ランドセルを試してもらう時間。「マチルドさんが作った」と話すと「え、すごい!」「1人で!?」と素直な反応が返ってきます。
実際に背負ってみる体験は大人気に。深緑とベージュのランドセルは男女関係なく似合っており、「楽で感動した」「値段決まったら買いたい!」という声があがります。
一緒に過ごしてみた子どもたちはすっかり打ち解けた様子。時間の終わりにはハイタッチをしに来てくれました。
2〜4時間目 校外学習
2〜4時間目は3年生と一緒に社会科の校外学習。スクールバスに乗って展望台を訪れ、街の様子を観察します。
言葉はよく分からなくても、どんどん話しかけてくれる子どもたち。授業終わりにはすっかり仲良しになりました。
昼休み
昼休みは4年生と一緒に給食の時間。黒板に歓迎のメッセージが書いてあり、手作りの折り紙や手紙を手渡されます。
給食の準備もスムーズな子どもたち。カレーライスの給食を一緒に食べます。マチルドさんは給食のシーンを日本のアニメで見たことがあるとのこと。アマンディーヌさんは手を合わせて「いただきます」することに感動しています。
給食の後は、子どもたちが考えてくれたクイズ大会を堪能。食器を片付け、牛乳パックをリサイクルするための洗い方を教えてもらいます。
音楽に合わせて歯みがきをしていると、廊下にたくさんの子どもたちが。2人と一緒に遊びたくて待っていてくれたみたいです。短い時間でしたが、体育館でドッジボールやバスケットを楽しみ、校庭で鬼ごっこをします。
掃除
昼休みが終わったら掃除の時間。子どもたちが雑巾がけをする姿を見て「『千と千尋の神隠し』に出てるシーンだ」「実際にやってるところを見れてうれしい」と盛り上がります。
アマンディーヌさんが雑巾がけに挑戦しましたが、コツが分からずに苦戦。ゲントクさんは余裕で進んでいきます。
子どもたちに声をかけられてマチルドさんもチャレンジ。スイスイ進む姿に「普通にできてるやん!」と声がかかります。
5時間目 習字
5時間は5、6年生と一緒に習字の授業。先生に声をかけてもらい、2人も参加することになりました。習字セットを渡されると2人の周りに子どもたちが。率先して準備を手伝ってくれました。
この日のお手本は「きずな」と「あられ」。平仮名と片仮名を練習中のマチルドさんも、きれいな文字を書いていきます。
クラブ活動
1〜3年生は下校の時間になりましたが、2人は上級生と一緒にクラブ活動に参加します。最初に向かったのは「昔の遊びクラブ」。けん玉を渡されますが、やり方が分からず苦戦します。
「ヒザを使うんだよ」と教えてもらううちに、できるようになってきた2人。マチルドさんは持ち手の後ろの中皿に乗せるのが得意みたいです。
続いて校庭に出て、ソフトボールクラブの練習に参加。元野球部顧問だった校長先生に教えてもらい、バットの振り方やグローブの使い方を練習します。
一通り習ったら試合に参加。バットを持ったまま走ってしまうシーンもありましたが、とても楽しそうです。
下校する子どもたちにマチルドさんのランドセルを体験してもらうと、「中身が入っていても歩きやすそう」「肩ひももやわらかい」と素直な感想を聞かせてくれます。ハイタッチをしてみんなとお別れ。明るかった子どもたちがいなくなると一気に寂しくなります。
マチルドさんは子どもたちの素直な意見がすごく気になっていたとのこと。みんながランドセルを背負いたがっているのを見たことで「ここまで気に入ってもらえてうれしい」「ランドセル作りの励みになった」「疲れたけれど、幸せの方が大きい。特に書道が気に入って習いたい」と話してくれました。
アマンディーヌさんも日本の小学校に入るのは初めて。「6年間の生活で感じてきた日本人の性格がどこから来ているのか理解した」「小さいころからの教育が大事と気付いた」と話します。
先生方に最後のあいさつをしているときに、マチルドさんが「今まで誰にも言っていなかったことをここでなら言いたい」と話し始めます。
「実は読字障害があって小学区のころから読み書きができず、学校が大嫌いだった。そのせいでいじめを受けた体験があってトラウマになっている。だから子どもと関わるのは恐怖でしかなかった」と告白。しかし「でも今日はこの学校に来れて人生で初めて『学校が楽しい』と思えた。子どもも好きになった。こういう環境で成長したかった」と自分の思いを口にします。
校長先生から「今後も交流を続けましょう」と声をかけてもらい、文字の練習ノートに大きな「はなまる」をもらったマチルドさん。すてきな笑顔を見せてくれました。
コメント欄には「先生も生徒もみんな明るくていい人でよかった」「なんかいい小学校だなぁ。なぜかちょっと泣けちゃった」といった声が。「ここまで日本の小学校に密着したyoutuberはアマさんだけでしょう これからも日本の素晴らしい所を動画にして世界に発信していってほしいです」「実績あるYouTuberとはいえ、授業を撮影するには児童保護者の同意を得る必要があるし、それができたとて『何かあったら』と二の足踏むのが教員だし、教育委員会と思う。同じ公教育に関わる者として尊敬します」といった書き込みもありました。
ボンソワールTVでは、Instagram(@sh.amandine)でも情報を発信中。別の日の投稿では、マチルドさんが帰国する時の姿や、パリでランドセルを背負ってみた時の様子を公開しています。
画像提供:YouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」
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