2度の挫折を乗り越えた独身ガルカが見た「FFXI」の素晴らしき世界:感じるヴァナ・ディール(第3回)(2/2 ページ)
ホラー要素満載のグスゲン鉱山
夏に欠かせない、もう1つの要素は心霊の類の話。今の時期、各局のテレビ番組やメディアで心霊スポットが取り上げられているが、ヴァナ・ディールにも身の毛もよだつエリアが存在する。バルクルム砂丘と同じく、コンシュタット高地と隣接しているエリア「グスゲン鉱山」がそれだ。
ここには鉱山開拓中、不運な事故により命を落とした人たちの霊が、まるで冒険者に無念を訴えかけるようにさまよっている姿が、あらゆる場所で確認できる。もちろん冒険者の霊感の有無は問わない。それを見ただけでも充分恐ろしいのだが、深夜になると鉱山中を響かすサイレンの音を聞くと(特にプレイの時間帯が夜中の場合)、初めて訪れた冒険者なら驚かずにはいられないだろう。今はさすがに慣れているが、昔はソロで鉱山内の探索中に、何度サイレンの音に驚かされたことか。そしてレベル上げで戦っていたスケルトン族に、何度返り討ちにあったことか。もしかしたら、ここで命を落とした多くのキャラクターたちの亡霊が、冒険者(=プレイヤー)を恨んで、事故者に交じって夜な夜な徘徊しているのかもしれない。信じるか信じないかは、アナタ次第だが……。
疲労困憊の冒険者を癒す風景
1人で心霊スポット巡りを堪能したあとは再びバルクルム砂丘を抜けて、今度はラテーヌ高原まで足を延ばす。景色的にはコンシュタット高地と似ているものの、たんぽぽの綿のような植物や小さな泉など、この土地特有のスポットがいたる所に存在する。それらの絶景スポットを見て目の保養をしたあと、僕はある野望を実行することにした。
前回、僕はコンシュタット高地に出現する大羊族(雄羊)のNMを撃破することに成功したのだが、そのとき(ラテーヌ高原のNMも倒してやろう!)と目論んだのだ。残念ながら前回のように大羊族(雄羊)のNMは出現していなかったので、まずは通常の大羊族(雄羊)を倒すことから始める。なぜなら、このNMは再出現する予定の大羊族(雄羊)の代わりに現れるという、いわゆる「同種の敵との抽選」が出現条件のNMだからだ。NMでなければソロでも倒すのはたやすいので、発見次第すぐターゲットを合わせ倒していく。
どれくらいの時間が経過しただろう。快晴だった空模様も崩れ出し、雨が降ってきた。それでも一向にNMが出現する気配がない。僕もさすがに眠くなってきたので、この日は断念。「今度こそ……!」と今まで以上に強い野望を抱いた僕は、ホラの岩からチョコボに乗って帰ることにした。気づけばさっきまで降っていた雨も上がっており、真っ青な空が気持ちが良い。そして徐々にホラの岩に近づくにつれ、まるで僕の健闘を称えてくれるかのように、綺麗な1本の虹が架かっているのが見えた。NMはめったにお目にかかれないからこそ、その存在価値は高い。今の僕にはこの虹にも、それと同等の価値がある。偶然が巻き起こした奇跡の風景に触れる瞬間こそが、何よりの宝だと思うから。
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