伝説の極道が、PS3で大暴れ!――東京と沖縄でリアルな街を駆け抜けろ:「龍が如く3」レビュー(2/3 ページ)
燃え尽きるほどヒートアクション! 〜渡る街路は敵ばかり
「事件の影に桐生あり」と言われてしまう桐生一馬なのだが、確かに桐生行くところ何か事件が起きてしまう。そして桐生歩くところ、何だか因縁をつけられてしまう。本作の魅力のひとつに街でのケンカ、そしてボス戦とも言うべき強敵とのケンカがあるのだが、とにかく桐生はケンカを売られる。売られたケンカは買っとけ!とばかりに相手をボコボコにするのが桐生の仕事だったりもするのだ。
リアルに作られた神室町と琉球街を行ったり来たりする本作では、それぞれの街にチンピラやギャングや極道が大勢いる。桐生が彼らにケンカを売られるとバトルパートが始まるのだ。バトルパートでは各ボタンを駆使して、相手を蹴り、殴り、つかみ、投げ、とにかく完膚なきまでにブチのめすことが目的だ。バトルパート中のみ、周りのオブジェクトを拾って武器にすることができるのが面白い。カラーコーンや自転車、店の看板などを振り回し、何でもありのケンカバトルを楽しむことができる。
画面左上には桐生の体力ゲージがあり、その下にはヒートゲージなるものがある。敵を攻撃するなどしてヒートゲージがたまっていくと、ファンにはおなじみのヒート状態に移行。より派手で破壊力のある攻撃、ヒートアクションを繰り出せるようになる。バトルやその他のイベントで経験値を得ることができ、その経験値を心・技・体・極に振り分けてレベルを上げていけば、桐生の攻撃方法や手数が増えていき、ケンカの腕前がどんどん上がっていくことになる。
また、本作で新たに追加されたのがチェイスバトルとタッグバトルだ。チェイスバトルは、特定の敵を追跡し捕まえるのが目的で、狭い路地や障害物をかいくぐりながら、敵にタックルをあてていき、最終的に捕えるまでのミニゲーム的なもの。また、逆に敵に捕まらないように逃げるシチュエーションも用意されている。歓楽街の雑踏の中を走りぬける感覚は独特の面白さがある。タッグバトルは、純粋にバトルを楽しめる“地下闘技場”でパートナーとともに勝ち進んでいくもの。神室町内で屈強な男を見つけて、タッグトーナメント制覇を狙いたい。
なお、ヒートアクションやレベルアップで得られるアクションの数々は、前2作とくらべてより多彩になっている。グラフィック向上の恩恵もあり、より迫力あるバトルを体感できるだろう。街のチンピラにはそうそう負けない桐生でも、体力や攻撃力がハンパではない極道の男たちには苦戦をするかもしれない。街で売られたケンカをどんどん買って、ケンカの腕前を鍛えていこう。
寄り道が楽しすぎて本編が進まない? 〜街には誘惑がいっぱい
神室町にせよ、琉球街にせよ、そのロケーションはとにかくリアル。前2作でもリアルな街並みを追求していたが、ハードがPS3になったことでグラフィック面が強化され、リアルな臨場感は確実に増したと言っていい。
筆者は沖縄には行ったことがないので、実際の街並みにどれくらい似ているのかは計りかねるが、神室町に関して言えば、やはり「ここって、あれだよね〜」とニヤニヤするスポットがたくさんある。個人的にいきつけの居酒屋が、マップのギリギリはしっこではあったが、名前を変えてそれっぽく存在しているのを見て「これ実際、綿密に取材したんだろうなぁ」と感慨深くなったりもした。
前作などでもそうだったが、本作でも企業とのタイアップが強力で、実在する店舗や雑誌がゲーム中に多く登場する。神室町であれば、カラオケ館、ドン・キホーテ、プロント、松屋、プロミスなどなど、琉球街ではブルーシールパーラー、クィクリー、ストーンマーケットなどが軒を連ねる。コンビニの雑誌コーナーではヤングマガジン、おとなの週末、ViViなどの雑誌を(表紙だけだが)見ることができる。これら実在の店や雑誌が、本作のリアルさに一役買っていることは間違いない。
とことんリアルな2つの街では、ストーリーの進行を妨害する(?)さまざまなプレイスポットやサブストーリーが用意されていて、プレイヤーを飽きさせることがない。とにかく寄り道だらけで、それぞれがしっかりと作られているので、本編そっちのけでハマってしまう人も続出するだろう。
「龍が如く」シリーズのプレイスポットといえば、何と言ってもキャバクラ! 本作のキャバクラではいくつかの新要素がある。キャバクラで隣に座った女の子を主観モードで見つめ、チャームポイントに熱い視線を投げかける熱視線モードと、街の人の会話にヒントを得て会話を展開させていく噂会話モードが追加され、キャバ嬢との時間をより立体的、多角的に楽しめるようになっている。
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