ゲイムマンは今あえて「上海」を取り上げてみたよゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/4 ページ)

» 2010年06月14日 15時18分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

雀風ファイティング

 アクティビジョンで「上海II」としてリリースされたのが、「上海」のルールを応用した対戦ゲーム「ドラゴンズアイ」。1人はフィールドの牌を消すのが目的、もう1人はそれを阻止するのが目的。日本ではアーケード、PC、スーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブで発売された。発売元は主にホット・ビィだが、PCエンジン版はアスク講談社、メガドライブ版はホームデータ(現・魔法)だった。いずれも「ドラゴンズアイ」だけでなく、通常の「上海」も遊ぶことができた。

スーパーファミコン版「スーパー上海 ドラゴンズアイ」。今取れる牌のみが表示され、取れない牌は裏返される

 もっとも、「ドラゴンズアイ」の出た1991年から1992年頃は、既に「テトリス」に端を発した落ちものパズルがブームとなっていた時期。「ドラゴンズアイ」は「上海」ほどハマる要素が多くなかったこともあって、落ちものブームの陰に隠れてしまった感が否めない。

 ……と書きながらも、わたしは「ドラゴンズアイ」でひと晩徹夜してしまったのだが。そろそろ寝ようと思ったところで眠気のために勝率が落ち、勝つまで続けようとしてドツボにハマった。

 アーケードでは「ドラゴンズアイ」の後に「上海III」が登場(サン電子)。十二支をイメージした12のステージをクリアしていく。スーパーファミコンなどに移植された。

 次にアーケードに登場したのが「上海 万里の長城」(サン電子)。ステージをクリアしていき、万里の長城を東から西へ進んでいく。オリジナルの「上海」のほか、麻雀牌を立てて壁状にしたフィールドで、下の牌を取ると上の牌が落ちてくる「グレートウォール」、牌をずらして同じ牌をくっつけて消す「北京」、特定の牌をどちらが先に取れるか競う対戦ゲーム「青島」(チンタオ)もプレイできる。

 「上海 万里の長城」は、スーパーファミコンや、プレイステーション、セガサターンなどに移植されている。

 「上海III」や「万里の長城」あたりから、「上海」のゲーム性がちょっと変わってきた。それまで牌の並びはランダムに近く、運の要素が強かったのだが、「上海III」以降ではあらかじめ、中盤までは牌が4枚ずつ消せるように配列されており、難度が下がっている。落ち着いて考えれば、手詰まりにはなりにくい。

スーパーファミコン版「上海III」。スタートからしばらくは、4枚とも消せる牌を探すことになる
スーパーファミコン版「上海 万里の長城」。上海、グレートウォール、北京がいずれも全30面
「万里の長城」のグレートウォール。ちなみにグレートウォールというのは万里の長城のこと

雀牌取りのパズル

 わたしは趣味で各地のゲームセンター巡りをやっているが、「上海 万里の長城」や、その後の「真的武勇」「昇龍再臨」「三国牌闘儀」あたりは今でもときどき見かける。10年以上前の「万里の長城」が稼動していることもすごいと思うが、これはそれだけ「上海」というゲームが、定番のパズルゲームとして定着している証でもある。

 もちろん現行のゲーム機にも「上海」は移植されており、Wii、ニンテンドーDS、PSPなどでプレイできる(販売元:サクセス)。Wiiウェアの「みんなで対戦パズル 上海Wii」もある(サン電子)。さらに携帯電話用アプリとしても人気が高い。最近ではiPhone、iPod touch、そしてiPadでもプレイできる。

 あと、WindowsではVista以降、「上海」と同じゲームが「Mahjong Titans」という名前で付属ソフトになっている。

 後の「テトリス」ほどではないが、「上海」にもフォロワーというか、ヒントを得て作られたゲームが多数存在する。先述の「ドラゴンズアイ」や「グレートウォール」「北京」「青島」もそうだが、アクティビジョン以外からも、牌を組み合わせて取り除くパズルゲームが生まれた。

 牌を動かしてキャラクターをゴールへ導く「紫禁城」。2回まで曲げられる線で同種の牌をつないで消す「四川省」。同じ牌を3枚ストックして消す「中国龍」。

 その中でも、わたしが一時期ハマっていたのが「香港」(徳間書店)である。ファミコンディスクシステム版とゲームボーイ版があるが、もともとは雑誌「MSX・FAN」の投稿プログラムだった。その頃にプレイしてハマった。

 麻雀牌の字牌のみが積み重ねられた山から、牌を「東南西北白発中」の順に取っていく。フィールドの上から下に重力が効いていて、牌を下に落としてしまうとゲームオーバー。上から順に取ればクリアしやすいが、点数が低い。高得点を狙うには、周りを多くの牌で囲まれた状態の牌を取ることだ。山の形によって難度が変わり、高難度のステージはクリアするのも難しくなる。

 ゲームボーイ版はそれほど入手困難ではないが、ディスクシステム版を今から見つけるのは極めて難しい(これは徳間書店のファミマガディスクシリーズ全作品に言える)。バーチャルコンソールで配信されないかなあと思う。定価が500円になると、当時のディスク書き換え料金と変わらないけど。

ゲームボーイ版「香港」の画面。MSX版の配列に近いフィールド1は、クリアするだけなら簡単
フィールド6あたりになると中がスカスカで、牌を落とさないように取っていくのは困難
同社の「まじゃべんちゃー 麻雀戦記」を連想させるクリア画面

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/19/news005.jpg 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  2. /nl/articles/2405/19/news036.jpg 「ウンコ食い」という毒魚に刺され“骨に激痛”→その40時間後…… ゾッとする経過報告に「えげつない」「何かの病気になりそう」
  3. /nl/articles/2405/20/news009.jpg ドクダミを除草剤を使わず防ぐ方法3選 生態と対策がよく分かる解説に「待ってましたよ!」 「これは嬉しい!」と大反響
  4. /nl/articles/2405/20/news035.jpg 夫が男子トイレで発見した“幸運の虫”を妻に見せると…… 感動を呼ぶその正体に「蝶より綺麗」「素敵な旦那さんだ」
  5. /nl/articles/2405/17/news147.jpg 丸刈り男性が“1年間”髪を伸ばし続けたら…… 55週間の“大変身”の記録に「これはすごい!」「クールだね」
  6. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  7. /nl/articles/2405/19/news034.jpg 父が答えた「人生最後の日に食べたい物」に衝撃走る 思わず涙こぼれる回答に「泣かせないでください」「心に沁みた」
  8. /nl/articles/2405/20/news034.jpg 生後6カ月の赤ちゃん、ママと目が合ってニコッ!からの…… 無敵のかわいさに「撃ち抜かれた……」「癒しをありがとう」
  9. /nl/articles/2405/20/news068.jpg カスハラなど客の迷惑行為で「もう限界」 老舗銭湯が閉店を決意した理由に「一番心折れるパターン」「見ていてつらい」
  10. /nl/articles/2403/13/news017.jpg 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評