カプコンの注目タイトルをプレイしてきた――「ドラゴンズ ドグマ」「アスラズラース」「STREET FIGHTER ×(クロス) 鉄拳」:TGS2011
「モンスターハンター3(トライ)G」のプレイアブルコーナーが大盛況なカプコンブースだが、他にも注目の新作が目白押し!その中から3タイトルをピックアップしてプレイしてきたので、その模様をリポートしよう。
これぞファンタジーアクション! 「ドラゴンズ ドグマ」
「ドラゴンズ ドグマ」は完全新作のアクションゲーム。ファンタジー世界で臨場感たっぷりの冒険を楽しむことができる意欲作だ。
本作のプレイヤーキャラは大きく分けて近距離型の“ファイター”、中・遠距離型の“ストライダー”、魔法を操る“メイジ”が存在する。今回のプレイアブルコーナーでは、ストライダーとなってフィールドでグリフィンと戦うクエストと、ファイターとなってダンジョンでキメラと戦うクエストが用意されていた。筆者はファイターを操るダンジョンクエストを選択し、キメラが潜むドラゴンの居城へと旅立った。
丁寧なチュートリアルのもとプレイが始まる。本作はPS3とXbox 360でのマルチタイトルで、操作はそれぞれのコントローラでほぼ同じ。PS3を例にとると、ファイターの特徴的な操作はL1によるシールド防御、そしてR2ボタンによる持ち上げ/しがみつき/はがいじめだ。小型モンスターのそばでR2ボタンを押すとはがいじめにして他のキャラやプレイヤーがとどめをさしやすくなる。また、大型モンスターのそばでR2ボタンを押せば、そのモンスターにしがみつくことができ、そこから体をのぼり背中を攻撃することもできる。その他ボタンの組み合わせで“真空突き”“天蓋切り”など、さまざまな技を繰り出すことが可能だ。
これがストライダーだと同じボタンの組み合わせでもまったく異なる挙動をするので、おそらくメイジもまた違った動きをするのだろう。職種ごとに戦い方がかなり異なるようだ。
チュートリアルに従いながら、たいまつに火をつけSaldというNPCの案内のもと、暗いダンジョンをひたひたと進む。キャラにせよ建物などのオブジェにせよ、そのグラフィックはかなり精緻で、その場にいるという感覚がひりひりと伝わってくる。小さなゴブリンのようなモンスターを何匹か倒しつつ操作を覚えていく。
すると突然、本作のイメージモンスターでもある真っ赤なドラゴンらしきモンスターが眼前に!炎を吹きまくるドラゴンにビビるファイター(筆者)。「ぎゃー!いきなりこんなやつと戦うのー?」と思っていたら、さすがにそれは無理らしく、先を急げとSaldに促される。
ダンジョンを先へ先へと進むとリムと呼ばれる石碑のようなものがあり、これを調べることで突如ポーンと呼ばれる仲間のNPCが2人現れた。若い女性と老婆の姿をしている。Saldも含めて4人でさらに奥へと進む。多少ごついモンスターや翼をもった獣のような奇ッ怪な造形のモンスターも登場するも、4人で危なげなく倒していく。今回プレイできる最深部に到達したところ、建物の中からいよいよ最終目標であるキメラが登場した。
キメラは獅子の頭と山羊の頭を持ち尻尾が蛇という何とも禍々しい姿をした獣型のモンスターだ。そのたてがみや体毛の質感もまた、グラフィックの細やかさによってゾクッとするほどリアルに描かれている。身の丈はプレイヤーよりもかなり大きく、その存在は迫力満点だ。
キメラはさすがにボスキャラだけあってなかなか手強く、一撃一撃も強い。尻尾の蛇による毒攻撃にも要注意だ。ここぞとばかりにR2ボタンでしがみついて頭や背中をざくざく攻撃するプレイを楽しんだりもしたが、思いのほかダメージをくらったりもする。最終的にはポーンの遠距離攻撃によるサポートのおかげもあって、まず山羊の頭がとれ、そして獅子の部分がもがき倒れて、無事にキメラを倒すことができた。
本作はオープンワールドアクションと銘打っているだけあって、オンラインでのプレイにも対応している。おそらく仲間たちとクエストに出かけて協力して巨大なモンスターに挑むこともできるのだろう。NPCであるポーンの見た目も細かく設定できるなど、徹底してこだわって楽しめる部分が多いように見受けられる。剣と魔法が活躍する中世風の世界観は手垢がついてはいるが、本作の場合グラフィックの見事なまでのリアルさでそのファンタジー世界の新たな魅力を引き出しているように思う。
また、他のプレイヤーと協力して大型モンスターに挑む、という設定は同じくカプコンの「モンスターハンター」シリーズにも通じるところがあるが、本作では独特の操作感覚やゲームシステムが用意されており、まったく別物な本作ならではのアクションを楽しむことができるだろう。冒険感たっぷりの新機軸アクションゲームの登場に期待は膨らむばかりだ。
アスラの怒りは地球を救う? 「アスラズ ラース」
「アスラズ ラース」もまた完全新作のアクションゲーム。ただ、こちらは“体験型連続活劇アクション”と銘打たれている。体験型で連続な活劇って何だ?とお思いの読者も多いだろう。かくいう筆者も「どんなジャンルだよ!?」と思わず心で突っ込んだのだが、百聞は1プレイに如かず、というわけでプレイアブルコーナーで実際にプレイしてみた。
本作の主人公はかつて神だった男・アスラ。7人の神々に裏切られたアスラは復讐の鬼と化して自分を裏切った神々に闘いを挑む。
今回のプレイアブルコーナーでは第5話「哀れな漢だ」と第11話「貴公は貴公の道をゆけ」をプレイすることができる。ここで「ん?」と思った方もいるに違いない。第5話とかって何だ?アニメとかドラマなのか?と思ったのなら、それはある意味正解。本作では1ステージ=1話という形式で、まるで連続ドラマを楽しむようにプレイが進行していくのである。このあたりが体験型で連続な活劇ということなのだろう。
筆者が通された試遊台では第5話をプレイすることができた。復讐に燃えるアスラの前に立ちはだかる七星天のひとりワイゼン。豊満な巨体を有する彼は、どうやらアスラの娘ミスラの力を借りて、圧倒的なパワーを身につけたらしい。人間サイズのアスラに対して大仏サイズのワイゼン。こんなでかいやつに勝てるわけない!と思わされるが、主人公アスラはけしてひるまない。そしてアスラとワイゼンの闘いの火蓋が切って落とされる。
操作は至ってシンプルで、スティックによる移動、各ボタンでの攻撃やジャンプなどはオーソドックスな3Dアクションと言っていい。時折「ゴッド オブ ウォー」のように操作指示が画面に表示され、的確にその操作ができればアスラの攻撃がつながっていくあたりも、最近のアクションゲームではよく見かけるスタイルだ。
最初はシューティングのようにワイゼンの攻撃をよけながらワイゼンへと近づいていく。そして操作指示に合わせてボタンを押しワイゼンにダメージを加えていくアスラ。その次の展開ではなぜかSFチックな空母が出現し、そこから発射されるミサイルをこれまたタイミングよく△ボタンを押してはじき返していく場面が続く。操作は簡単だが、演出はド派手でやたらと爽快感がある。そして筆者はこの空母が登場したあたりから気づきはじめる。「このゲームって、もしかして何でもありのハチャメチャなバカゲー(褒め言葉)なんじゃないか?」と。
ミサイルをはじき返すことで空母を破壊すると、今度はワイゼンと並んで走りながらのまたもやシューティング的な展開。そしてシンプルなボタン操作でさらに派手にワイゼンを追い詰めていく。最終的にワイゼンの腹に飛び込み、そのまま宇宙空間まで移動し(むむ。この壮大すぎる展開はやはり…)、ワイゼンの腹をぶち抜くことでいったんは終わったかに見えた。
だがしかし、このあとの展開がすごかった。七星天ワイゼンの圧倒的なパワーはとどまるところを知らず、ついには地球をかかえられるくらいの大きさになる(それはいくら何でもでかすぎるよ…ワイゼンさん!)。この段階でワイゼンは自らを大権現ワイゼン入道と名乗り、人間サイズのアスラに対して攻撃を仕掛けてくるのだった!ワイゼンはまるでビーチボールをつんつんするかのノリで地球に指を立て、アスラのいる位置に圧をかけてくる。ボロボロのアスラはそれを全身で受け止めて(んなバカな!)、さらには○ボタン連打やそのあとのR2ボタンによるバーストで、最後の最後には地球より大きなワイゼンに怒りと気合いで勝利するのだった。
筆者は後半ずっと笑いっぱなしで、それは針がふりきれたスケールのでかさ、そのバカかっこよさに終始痺れてのことだった。アクションゲームとしては既存のゲームを踏襲した部分を強く感じたが、演出面においてここまでトンガってブッ飛んでいれば、何かもうオールOKじゃん! みたいなノリを感じて、そういうのが嫌いじゃない筆者は「アスラズ ラース」よく分かんねーけど、すげー! と、すっかりお気に入りになってしまった。
来年発売ということで、これからどうなるのかわからないが、どうかこのギトギトに脂っ濃くて呆れるほどに壮大なスケール感はそのままに完成してほしいと切に願ってやまない。
格ゲーのおまつり会場はこちらでーす 「STREET FIGHTER ×(クロス) 鉄拳」
対戦格闘ゲームには大きく分けて2Dと3Dがある。その垣根を越えて実現したドリームマッチが「STREET FIGHTER ×(クロス) 鉄拳」だ。
メーカーの垣根を越えたドリームマッチは今までにもあったが、2Dと3Dのキャラが一堂に介するのは初なのではないだろうか? 対戦格闘ゲームファン注目の一作を実機でプレイしてきた。
本作には「ストリートファイター」シリーズおよび「鉄拳」シリーズから、それぞれ13人ずつ、計26人の参戦が決定している。画面は「ストリートファイターIV」以降の流れである3D描写や3D演出をふんだんに盛り込んだ2D格闘ゲームで、その中に鉄拳側のカズヤや平八がいるというのは、何だか不思議な感じだ。
実際のプレイは見知らぬ人と並んでの対戦だった。試遊台にはすべてしっかりとしたアーケードスティックつきという太っ腹。ゲームセンターの感覚でビシバシとボタンを叩いてグリグリとコマンドを入れてプレイすることができた。
本作は2対2のタッグバトルが採用されている。7分という短いプレイ時間だったが、最初はサガットとキングのごついコンビ。2度目はキャミィとニーナの女性キャラコンビ。3度目はガイルとジュリアの異色コンビでプレイしてみた。
ストリートファイター側のキャラはそもそもホームというか、従来と操作方法が変わらないので違和感がないが、鉄拳側のキャラは技のバリエーションが本作用にカスタマイズされているので、終始画面下にある技表を見ながらのプレイとなった。キングのつかみから投げとか、ジュリアの敵の後方に回り込む移動など、おなじみのモーションもうまく落とし込まれていて、もちろん本家「鉄拳」とは操作感覚が違うが、これもまた面白い、と思える仕上がりを見せていた。全キャラ共通の爽快な必殺技クロスラッシュがあったり、超必殺技のコマンド入力がそんなに難しくないのも、プレイヤーの敷居を下げていて好印象だ。
タッグバトルならではの各要素もなかなか面白い。2人同時に攻撃を加えるクロスアサルトや最大級のダメージを与えるクロスアーツ、体力ゲージが25%を切ったときに仲間を犠牲にして発動するパンドラなどの新要素が闘いの駆け引きをより熱いものにしてくれるだろう。
今まで実現しなかった夢のタッグ、夢のバトルを存分に楽しむことができる本作は「ストリートファイター」ファンにも「鉄拳」ファンにもぜひプレイしてほしい新鮮な面白さが詰まっていた。きっと来年にはこの“おまつり”が各家庭で開催されることだろう。
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