
皆さまごきげんよう、秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」で司書メイドをしておりますミソノと申します。本連載は、オリジナル創作や評論ジャンルの同人誌を中心に、奥深い同人誌の世界をよりすぐってご紹介する場となっております。
一般にはあまり出会う機会のない同人誌。アニメ・マンガのパロディーや、コスプレ写真集などさまざまなジャンルがありますが、中でも作者さんの気持ちがぎゅっと詰まったオリジナル作品の同人誌は、濃縮された魅力にあふれていると感じます。連載を通して、皆さまそれぞれがお気に入りの同人誌を見つけることができましたら幸いです。

今回紹介する同人誌
「2016年古代ギリシャ暦カレンダー 第698オリンピア紀 第3年〜第4年」A5 32ページ 表紙・本文カラー
著者:藤村シシン、黒川巧


そろそろ来年のカレンダーをどうしようかな、と考える時期ではありませんか? 「どこかに買いに行こうかな」とか、「冬コミですてきなカレンダーと出会えるかも……」などと考えている時、古代ギリシャの暦を現代日本の暦と重ね合わせた、この「古代ギリシャ暦カレンダー2016」に巡り会いました。
古代ギリシャの祭りの多様さに戦慄!
ページを開くと、まず目に飛び込んでくるのは古代ギリシャ暦2016年カレンダーとは……という解説。なになに、古代ギリシャ神話にはたくさんの祭日があって、神話にまつわる行事とともに日々を過ごしていた……と。「このカレンダーは古代ギリシャの祭暦を当時の碑文、文献から書き起こし、現代暦の上に重ねたものです」とも書かれてあります。ふむふむ、なるほどと読み進めると、その後に驚きの一文が。
「一年の三分の一は祭日です」
えーっ! 古代ギリシャの方々お祭り好き過ぎじゃないですかー!? どんなお祭りがあるのかしら、とページをめくってみると、1月の最初のお祭りは「脱穀祭」と書かれています(2016年の暦では1月4日〜6日に当たります)。添えられたコメントによると、「女性のみが集まって、卑猥な言葉を叫んだり、卑猥な形のケーキを焼くお祭り」なのだとか。……年の初めからテンション全開じゃないですか! こちらではまだ松も開けずに、おこたでほのぼのとお餅を食べているころだというのに……!

いやいや、落ち着きましょう。カレンダーによると、ギリシャ暦の新年はこちらで言うところの8月に当たるとのこと。冬の寒くて鬱屈とした季節を過ごすためにはこれくらいの高揚感でないとだめなのかもしませんね(いや、それにしても……)。
気を取り直して、「ギリシャ暦で言うところの新年8月最初の行事は何かしら」とたどってみると、「カルネア祭」というお祭りが目にとまりました。「かつてアポロンの恋人・美少年カルネオスがスパルタ軍によってスパイの嫌疑をかけられ殺された。アポロンは激怒し、7日7晩軍に疫病をまき散らした。以来、アポロンの怒りをなだめるためこの1週間はあらゆる軍事行動(戦闘、遠征)を慎む。何人も軍を動かすことは許されない」とのこと。「ほほう……アポロンさんの怒りっぷりはともかく、争いごとなく平和に過ごすって、新年にふさわしい、いいお祭りではないですか!」と感心した私の目に、続きの一文が飛び込んできました。
「人間あるいは動物を生け贄に捧げてカルネオスを悼む」
おおおおっとぉ! 一気に真夏の日差しに血潮が吹き飛ぶ濃い感じになってきましたよ! いや、実際はじりじりとした日差しの中で粛々と進む神事だったりするのかしら……。新年の始まりから、油断のならない感じです。古代ギリシャのお祭りって多様ですねぇ。
見たことのない祭りだからこそ、楽しい!
このカレンダーは、現代のものがベースになっています。だから、日常の暮らしの中で「明日はギリシャでどんな祭りをする日だっけ?」と気になったときに把握しやすいんです。「いやいや、そんな把握しないし……」と思いました? でもいろいろと妄想がはかどったりするんですよ。
例えば、新年度が始まってそろそろ1カ月がたちそうな4月後半。「週末が待ち遠しい、早く休みにならないかなぁ……」とカレンダーを見ると、なんと明日は「ムニキア祭」だなんてことも。ムニキア祭とは、海岸の守り手であるアルテミス神を供養し、少女たちがクマの格好をして踊りを捧げる日なんですって。私の脳裏では、可憐(かれん)な少女たちがもふもふしたクマの着ぐるみを着てきゃっきゃと輪になっている姿が浮かんできました。実際の姿はどんな感じか分かりませんが、分からないからこそ自由な妄想ができるのです! 明日は、クマの着ぐるみ少女たちがもふもふと踊る日……そう思うと、おおむねどんなことも耐えられそうな気がします。
研究家による豊富な知識が古代ギリシャへと誘う
カレンダーはフルカラーで、広げるとA4サイズになります。壁に貼ったりするのにちょうどいいですね。神殿などをかたどったイラストが色遣いでデザインされているのですが、ギリシャっぽく、しかも日常の生活にまったく違和感なく溶け込むかっこよさ! それでいてこちらとは違う月の名前(例えば9月は「助けを求めて走る月」)だったり、夏は戦争シーズン、など、思わず目にした部分を読むだけで、ぐいぐい古代ギリシャの魅力に引き込まれていきます。

作者の藤村シシンさんは、10月に「古代ギリシャのリアル」という書籍を出版された古代ギリシャ研究家。確かな知識に裏付けされたカレンダーで、来年はすてきな1年が過ごせそうです!

サークル情報
サークル名:「月を奪う。」
Webサイト:http://www.style-21.jp/diary/sisinf/
同人誌入手先:BOOTHにて準備中(11月下旬販売開始予定)
Twitter:@s_i_s_i_n
今週のシャッツキステ
図書館用品を扱うメーカーさんが開発されたグッズを見せたら、メイドたちの間でも大人気! レトロな図書委員バッジや、図書ラベルをかたどったマグネットなど、デザインもなんだかかわいらしくて楽しいです。読書の秋、ですね!
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