大企業の健康保険組合などで構成する健康保険組合連合会(健保連)は8月23日、花粉症の治療薬について保険適用の除外や自己負担率を引き上げるべきだという政策提言を発表しました。医療用医薬品の成分を含み、処方箋なしで買える市販薬「スイッチOTC医薬品」が急速に普及している中、保険適用を見直すことで、医療費を最大で約600億円削減できるとしています。



健保連によると、アレルギー性鼻炎の医療費は2016年度に1456億円と、122疾患中の上位20位以内に入っています。また、「第2世代抗ヒスタミン薬」(「アレグラ」「アレジオン」など)のスイッチOTC医薬品は毎年のように新しい商品が発売されているとしています。


こうした中で、(1)スイッチOTC医薬品がある医療用医薬品を全て保険適用から除外する、(2)スイッチOTC医薬品がある医療用医薬品のみを処方する場合に保険適用を除外する、(3)スイッチOTC医薬品がある医療用医薬品の自己負担率を、フランスにならって7割に引き上げる──として試算したところ、年間36億円〜597億円の薬剤費削減が見込めるとしています。

このため、スイッチOTC医薬品がある医療用医薬品については保険適用の除外や自己負担率の引き上げを進めるべきと提言。まず、市販のスイッチOTC医薬品を購入して治療している患者との整合性を図るため、同様の医療用医薬品のみを投薬する場合は保険適用から除外するべきだと主張しています。
保険適用外になれば、これまで1〜3割で済んでいた患者の自己負担は増えることになりますが、健保連によると、スイッチOTC医薬品の購入価格は、医療機関を受診して同様の医療用医薬品を処方された場合の自己負担額に比べ大きな差はなく、安い場合もあるとのことです。

健保連は、(1)少子高齢化が進む中、国民皆保険を維持するためにも保険適用の見直しは不可欠、(2)公的医療保険は個人が負担しきれないリスクに重点を置くべきであり、市販薬がある薬については保険適用を見直すべき──との立場から、湿布薬、ビタミン剤、保湿剤について保険適用範囲を見直すべきと提言しています。湿布薬では、皮膚を冷やすのが目的の温湿布と冷湿布は保険適用から除外すべきだとしています。
健保連は、市販薬で済むと考えられる薬剤費は年間約2100億円と推計しています。国はスイッチOTC医薬品を使って患者が自ら治療する「セルフメディケーション」への誘導を図り、スイッチOTC医薬品の購入額が一定額を超えた場合は所得控除する「セルフメディケーション税制」を設けています。

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