ねとらぼ

娘が孫を叱る声で、夫から受け続けてきたDVの日々がフラッシュバック。

47年間DVを続けた夫を労う?

 この日の回答者は幼児教育研究の大原敬子。

 まず孫の発達障害について。自分で洗髪ができる、歯ブラシやハサミやセロハンテープなどをうまく使えるということで、発達障害といっても非常に軽度である可能性が高い。次女はこのことが原因で激昂し、恫喝しているわけではないのではないかと指摘する。

 大原先生は、次女のストレスの原因が夫婦関係にあるのではないかと見ているようだ。

 「発達障害(の子)のお母様ってね、まず夫婦関係が悪くなっちゃうんですよ。お互い責め合いしてしまいますでしょ?」

 「それはないですね。パパが、素晴らしいパパなんですよ。怒らない。悪いことしてもこんこんと説明して『こうなんだよ』『だからいけないんだよ』……そういう叱り方なんですよ。とってもいいパパなんです。満点パパなんですよ」

 相談者は次女の夫を「満点パパ」と絶賛するが、これは祖母から見ての評価であって、妻から見た“夫”としての評価は物足りないのではないか。

 「優しいんですけども、男と女の心の中の交流っていうのが、お嬢さんの求めるものとは違ってるんじゃない?」

 優しいのはいいが、妻からすると「娘に対してもっとガツンと言ってもらいたいのに……」という場面もあるだろう。代わりに自分が悪者になって叱らなければならないストレスがあるのかもしれない。

 しかし今回の悩みの本質は、次女や孫の問題ではないようだ。

 「最初に電話して来た時にね、子どもの教育の仕方が心配だって言った時に、なんかおののいて、ビクビクしている声なんですね、不安で」

 「私、夫から毎日怒られてる生活だったので、こんな風になりました」

 「重なったんでしょ? お嬢さんの恫喝の言葉と」

 相談者は、次女が孫を強く叱る姿を見て、夫に恫喝されていた日々を思い出し、恐怖にとらわれていたのだ。

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 「いつもです、毎日そう思っています」「毎日、(夫が)帰ってきた時の顔が怖いんですね……。今日はご機嫌良いかなって」

 「困難な問題でも、すごく苦しいって問題でも、解決はひとつあるっていうんですね。それはちいちゃくちいちゃくちぎって、それをひとつひとつ処理してくんです」

 夫が優しい時には、相談者も優しい言葉をかける。そうやって日々ちいちゃく労ってやることで、問題は片付いていくというアドバイスなのだが……。

 「ありがとうございます、先生。ありがとうございます!(涙声で)」

 電話をかけてきた第一声が本当に消え入りそうな声だった相談者が、最後には安心したのか、元気そうな声になっていた。

 しかし、47年間も暴力を振るってきた夫と、ご機嫌を取るような形で結婚生活を継続する必要があるのだろうか? DVが止まって3年経っても、いまだに強烈なトラウマを抱えているくらいならば、さっさと離婚しちゃった方が幸せになれるのでは……。

 次女のことはともかく、夫は何かのきっかけでアッサリDVを再発しそうな気もするので、逃げる準備をしておいた方がいいんじゃないだろうか。

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北村ヂン

文章からイラスト、漫画、映像まで、あの手この手でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうハイパーメディアライター

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