「徹夜はやめとけ」「寝たほうが良い」とよく言われますが、なぜなのか。それを考えるために、ねとらぼ読者から「限界まで徹夜でしてアカンことになった体験談」を聞いてみようという連載企画。今回は「1990年前後のゲーム業界で、1カ月間ほぼ眠らずに働いたことがある」というお話です。
1日1時間睡眠でゲームの企画+小説執筆

今からおよそ30年前。あるゲームのプレゼンチームの一員になり、企画書とそれに添える小説を書きました。
ジャンルはSRPG。破壊可能な背景を盛り込んで、遮蔽物にしたり投げて武器にしたりが可能で、「タクティクスオウガ」に近いかと思います。記憶が確かなら機種はPC98でした。
―― PC98! かつてのゲーム業界を思い出しますね。
その企画はいきなり飛び込んできたもので、締切は1カ月後。さらに3日に一度は会議を行いつつ、原稿用紙で約200枚分の小説を書き上げることが求められました。
そのときは1カ月のあいだ1日1時間しか寝ませんでした。最後の3日間は完徹して、その後、TRPG(テーブルトークRPG)のコンベンションに向かい、ゲームマスターをやりました。
―― 当時、そういう徹夜はよくしていたんでしょうか? 1カ月間もほぼ寝ていないことになりますが。
いえ、一徹ぐらいならやっていましたが、さすがにここまでの徹夜はやったことがありませんでした。
―― では、眠らないための工夫は?
特に工夫はしていませんでしたね。眠気を感じたら、寝ずに目を10分くらつぶってやり過ごしてました。体調はグダグダ、意識はもうろうとしていましたが、「書かなきゃいけない」というコケの一念で何とか意識をつないでいた感じです。
徹夜後に行ったTRPGのコンベンションからの帰り道、地下鉄に乗っていると手足が震えだして、指先が蝋(ろう)のように真っ白に。夕方に帰宅して、自分の部屋で床に倒れ込むように爆睡。目が覚めたら夕方だったのでおかしいな、とテレビをつけてみたら丸一日睡眠していました。
その後、睡眠不足によるストレスから、胃潰瘍寸前になって通院。完治まで1週間かかりました。
―― ほぼ寝ない生活が30日も続くと、そういうことも起こるんですね。
ちなみに、そのゲームの企画はボツになり、企画書に載せていた画面レイアウトだけ後日発売された作品にパクられていて。仲間と一緒に「まぁ、ゲーム自体がクソゲーだったのでしかたないよねぇ」と笑っていました。
―― 「背景を破壊して戦闘に使えるSRPG」と聞くと、わりと面白そうな気もしますが……。
当時のマシンスペックでは動かす云々以前に、「フロッピーディスク何枚組にするつもりだ」という感じの作品でしたね。
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