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【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年11月9日)

常磐線の全線運転再開に合わせて、2020年3月から品川・上野〜仙台間で運行されるようになった特急「ひたち」。
仙台を10時13分に発った「ひたち14号」は、相馬・原ノ町・浪江・双葉・大野・富岡・広野・いわき・湯本・泉・勿来・高萩・日立・常陸多賀・大甕・勝田・水戸・上野・東京の順に停車し、4時間半あまりをかけて終着・品川を目指します。

そんな常磐線と縁が深いのが、仙台駅弁の「こばやし」です。
大正9(1920)年、茨城・水戸の菓子店・井熊総本家の仙台支店として、菓子・弁当を扱うお店として創業、この11月10日で100周年を迎えます。
第二次世界大戦の空襲被害や東日本大震災など、数々の苦難を乗り越えて、コロナ禍でも、地元・宮城の味を大切にしながら、仙台を拠点に駅弁をつくり続けています。

今年(2020年)の「こばやし」の新作駅弁は、「銀鮭のはらこめし」(1250円)。
「はらこめし」は、常磐線沿線の宮城県亘理町が発祥の地とされる郷土料理です。
常磐線が全線運転再開した年、そして常磐線ゆかりの「こばやし」が仙台に根を下ろして100年の節目にふさわしい駅弁です。
もちろん、現在開催中の駅弁人気投票「駅弁味の陣2020」にもエントリーしています。

【おしながき】
- はらこめし(味付けご飯、鮭煮、いくら醤油漬け、宮城県産環境保全米ひとめぼれ使用)
- しそ巻き
- 万来漬け

鮭の身を煮込み、その煮汁でご飯を炊いてつくられる、宮城の郷土料理「はらこめし」。
鮭の旨味がよくしみ込んだご飯の上には、しっとり煮込まれた宮城県産銀鮭の身と、三陸産のいくらが載っていて、優しいサーモンピンクの間に、いくらがキラキラと輝いています。
鮭の骨が丁寧に取り除かれているのが、本当に嬉しい!
思わず、サラサラっとかき込みたくなる衝動に駆られます。

秋空の下、仙台郊外の田んぼにしっかり実った稲穂の向こうを、品川行の「ひたち」号と東北本線の普通列車がすれ違って行きます。
創業100年の節目に満を持して、地元の皆さんのこだわりも強いであろう郷土料理を発売した点も、仙台の駅弁屋さんとしての強い思いを感じます。
今年は駅弁でも存分に味わいたい、宮城の秋の風物詩「はらこめし」です。
連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/



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