近年、横断歩道の「自転車横断帯」がなくなってきています。

自転車横断帯は、道路にある自転車用の横断場所を示すエリアのこと。横断歩道と隣接し、自転車の図や「じてんしゃ」の文字が書かれています。
しかし最近、この絵や線が削り取られ「自転車横断帯が撤去される」ことが増えてきています。これはなぜなのでしょう。

自転車は道路交通法上「軽車両」に分類されます。車両なので、原則として歩道を走ってはならず、道路(車道)を左側通行することと定められています。近年、車道の左端に自転車が走る場所であることを示す「青い舗装」や「青い矢印」が塗られるようになったのを見たことがある人、ご存じの人も多いと思います。
一方、道路交通法(第63条の6)では、自転車で交差点を通過するときに「自転車横断帯がある場合は、自転車横断帯を通らなければならない」とも定められています。
このルールに沿うと、車道の左端を走っていた自転車は「いったん交差点を左折する動き」をして横断歩道の自転車横断帯を通り、交差点を通過することになります。


しかし、これでは危険なことがあります。横断歩道を渡る歩行者目線でも危ない、左折しようとする自動車目線でも危ない。「そんなはずはない」「大丈夫だろう」などと自転車、自動車、歩行者それぞれの判断が入れ違って事故になる危険な状況が生まれやすくなっていました。
このことは「不自然かつ不合理」とし、警察庁は2011年10月、一部の自転車横断帯を撤去するよう全国の警察などに対して通達し、全国的に「自転車横断帯の撤去」が進められるようになりました。


この通達は、自転車は「車両である」ということをあらためて周知させるとともに、自転車専用の通行空間を整備して、自転車と歩行者の分離を徹底するよう促したもの。自転車の通行する場所として歩道に指定されている場合を除き、横断歩道の自転車横断帯はなくなりつつあります。
とはいえ自転車横断帯が廃止されたわけではありません。自動車の通行量が著しく多い大きな交差点、自転車専用道が整備され自転車と歩行者が完全に分離されている場所などでは、安全のため、自転車横断帯が新設されることもまだあります。
あらためて、自転車は車両。皆さんも「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」を、そして交通法規とルールをしっかり意識し、正しく守って乗ることに努めましょう。
(大泉勝彦)





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