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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

八戸は、「築地と新橋が一緒に」なったような街。
以前、取材で一緒になった地元の方に教えていただきました。
鮮度抜群の魚介類と、美味しい呑み屋さんを兼ね備えた街という意味だそう。
とくに八戸駅から八戸線の普通列車で約15分、陸奥湊駅の駅前通りでは、月〜土で「陸奥湊駅前朝市」が開かれており、“八戸市民の台所”として親しまれています。

陸奥湊駅に下り立つと、「イサバのカッチャ」像がお出迎え。
“イサバのカッチャ”とは、魚売りのお母さんの意なんだそうです。
駅前通りを挟んだ向かいには、昭和28(1953)年にできた「八戸市営魚菜小売市場」。
朝市で買い求めた新鮮な魚介類と、市場の「朝めし処魚菜」で販売されるご飯とみそ汁を組み合わせると、“自分オリジナルの”朝ごはんが食べられることでも有名ですね!

そんな八戸を代表する駅弁といえば、「八戸小唄寿司」。
「吉田屋」が製造しているナイフ代わりの三味線のバチが印象的な、昭和30年代からのロングセラー駅弁です。
この「八戸小唄寿司」のニューバージョン、「特製八戸小唄寿司」(1380円)が、去年(2020年)秋から販売されています。

【おしながき】
- 八戸産〆鯖押寿司
- 〆紅鮭押寿司
- 平目白醤油漬押寿司
- ガリ 醤油

「特製八戸小唄寿司」は、八戸産の〆鯖、〆紅鮭に加え、平目の醤油漬けが、2つずつ小分け包装となっているのが特徴です。
吉田屋によると、コロナ禍で、駅弁を複数の人数で取り分けるのが敬遠されることから、あらかじめ個別包装として、手が汚れにくいようにしたと言います。
なるほど、コロナ禍は、伝統の駅弁にも、「新しい様式」をもたらしたわけですね。

現在の八戸駅は、かつて「尻内駅」という駅名で、「八戸駅」は八戸線にありました。
いまから50年前の昭和46(1971)年、尻内駅を八戸駅とし、八戸線の駅は「本八戸」と改称されて、現在に至ります。
なお、八戸線・八戸〜鮫間には「うみねこレール八戸市内線」の愛称があり、毎時1〜2本の列車が運行され、比較的気軽にローカル線の旅が楽しめる区間となっています。
(初出:2021年3月15日)
連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
※新型コロナウイルス感染症、Go To事業、運行状況に関する最新情報は、厚生労働省、内閣官房、首相官邸、国土交通省・観光庁のWebサイトなど公的機関で発表されている情報、鉄道事業者各社の情報も併せてご確認ください
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