86歳で現役のフィットネス・インフルエンサー──そう聞いて、すぐにイメージできる人は多くないかもしれません。
ところが今、ドイツから世界中のSNSを通じて、年齢のイメージを軽やかに飛び越える女性が注目を集めています。その名はエリカ・リシュコさん。Instagramのフォロワーは約13万6000人、TikTokでは実に160万人以上。笑顔で体を動かす姿は幅広い層から支持を集めています。
50代で運動を始めた“遅咲き”のフィットネス人生
エリカ・リシュコさんは、ドイツ・ランゲンフェルト在住。2人の子どもを育て上げ、現在は1人の孫を持つ祖母でもあります。本人いわく、フィットネスに関しては「完全に遅咲き」。定期的に運動を始めたのは、50代半ばになってからでした。
きっかけは、娘が地元のジムに申し込んでくれたこと。当初はあまり気乗りせず、「最初の5年間はそれほどハマっていなかった」と振り返ります。しかし、子どもたちが独立し、ぽっかりと空いた時間と心を埋めるように、少しずつ運動量を増やしていきました。
やがてスピンクラスやローイング競技、長時間の運動にもチャレンジするようになり、気づけば運動は生活の一部に。現在も週に数日、朝と夕方の1日2回トレーニングを行い、週10〜12時間ほど体を動かしています。
SNSデビューは娘の一言から。世界が反応した理由
エリカさんがインフルエンサーとして注目されるようになったのは、2022年2月のこと。娘の勧めでInstagramを始め、家族や友人向けにワークアウト動画を投稿し始めました。
さらに、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック下でジムが閉鎖された時期には、SNS上のフィットネスチャレンジにも参加。すると、その姿勢と明るい笑顔が大きな反響を呼びました。
その後、TikTokにも進出。ダンスやフィットネスチャレンジ動画以外に、ご主人との仲睦まじい動画を投稿すると、こちらも注目を集め、フォロワーは一気に増加。彼女のアカウントには、記事執筆時点で400万件以上の“いいね”が集まっています。
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撮影や投稿は娘がサポートしており、SNSを通じて若い世代の感覚にも触れ続けているそうです。アメリカやイギリスなど世界のメディアから取材を受けるようになったエリカさんは、このように話しています。
「若い人たちにインスピレーションを与えていると聞いて、本当に光栄で、謙虚な気持ちになります」
「年配者は退屈そう、活動的じゃない、という固定観念を少しでも変えられたら嬉しい」
9分間のプランク達成。年齢を言い訳にしない生き方
2025年8月、エリカさんは85歳で「9分間プランク」という驚異的な記録を達成しました。
地元テレビ局の生放送で行われたこの挑戦は、特別な予行練習なしで成功。過去には元オリンピック金メダリストを上回る記録を出したこともあります。
トレーニング内容は、ウェイトトレーニング、ファンクショナルトレーニング、ピラティス、ヨガ、スピニングなど多岐にわたります。ポイントは「内容を固定しないこと」。強度や時間を変え、常に新しい刺激を取り入れるのがエリカさんの流儀です。
長く健康を保つ秘訣としては、新鮮な食事を心がけること、アルコールをほとんど飲まないこと、30年前に禁煙したことなどを挙げています。ただし、極端な制限はしません。「楽しめなければ、続かないから」と、あくまで自然体。その気持ちが、運動を維持する秘訣なのでしょう。
「(運動を)もっと早く始めていればよかったと本当に思います」。そう語るエリカさんにとって、年齢はただの数字。今日も彼女の投稿が、今から何かを始めようとしている多くの人の背中を、力強く押していることでしょう。
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