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日々の忙しさに疲れ切り、帰宅中に電車から降りられなくなってしまった……。いつもと違う駅で降りたことから始まる非日常を描いた漫画がXに投稿され、記事執筆時には180万回表示されるほど注目を集めていました。
降りたことのない駅で降りる
作者は漫画家のカマタミワ(@kamatamiwa)さん。日常の中で非日常を感じる「非日常活」を漫画に描いており、今回紹介するエピソードは、知らない駅で降りたことから始まる「非日常活」を描いています。
知らない町の商店街を歩いて気づいたことは……
カマタさんが電車で帰宅していたときのこと。ひどい疲れのせいで最寄り駅についても足が動かず、降りられませんでした。最寄駅から遠ざかる電車の中、車内放送で学生時代に通過していたけれど降りたことのない駅の名前が聞こえてきます。カマタさんは、なんとなくその駅で下車しました。
初めて来たのに懐かしいような感じのする駅前の商店街。店先では焼き鳥やコロッケなどの総菜が売られており、地元の人たちが買い物していました。その光景を見て、カマタさんは「みんなこれから家に帰ってご飯を食べるんだ……」と、知らない町に住む、たくさんの人にも「生活」があることを感じます。
ここだけでなく、自分の知らない全ての町でたくさんの人が「生活」を営んでいる。そのことを思って、カマタさんは「気が遠くなっていくような 苦しくなるような」感覚ととともに、「救いでもあるような」という、不思議な感情を覚えます。
商店街のローカルなお店を眺めたり、お団子を買って食べたりしているうちに、日が落ちてきました。本格的に食欲が湧いてきたカマタさんは、お惣菜を買って家に帰ることに。その頃には、「私も『生活』しよう」と前向きな気持ちになっていたのでした。
「めっちゃ分かる」「こういうことがしたいのよ…」など共感を集める
作品には「とても共感できるお話でした」「めっちゃ分かる。私の場合出勤途中にエスケープした事ある」「こういうことがしたいのよ…」「すごい好き…1人で目的もなくうろうろして、自分の生活に帰っていくのいいよね…」「地方から進学で上京して巨大なマンション群を見た時、途方もない数の生活を意識しました」などの声が寄せられていました。
多くの人から共感を集めた漫画ですが、どういった思いで描かれたのでしょうか。また、大きな反響についてどのように受けとめているのか、カマタさんに聞いてみました。
「知らない町を歩き回ってみただけで……」経験を伝えたい
この出来事を漫画に描いた背景について、カマタさんはこう語ります。「しんどいことが重なった時期に、ふと降りたことがない駅で降り、知らない町を歩き回ってみただけで、気持ちが少しほどけて息が吸えるようになったという経験をして、誰かに伝えたいと思いました」
当時は「ギュッと体に力が入り、視野が狭く、呼吸が浅くなって」いるという、つらい状況だったカマタさん。降りたことのない駅で下車したことで、「知らない町、知らない人々の生活を目にして、自分を俯瞰で見られるようになった」と感じたといいます。
そんな「非日常」を経験したことで、「悩みに囚われて生活を疎かにし、自分へのある意味ネグレクトのような状態になっていたと気づき、少しずつでも生活を元に戻そう、と思えました」と心境が前向きに変化したそうです。
「『わかる』という感想をたくさんいただいて感動」
漫画へのコメントでは、忙しい毎日をふらりと抜け出すことに加え、知らない土地にも多くの人びとの生活があると知ったときの、なんとも言えない感情にも共感が寄せられていました。そうしたコメントに、カマタさんはこう感じたといいます。
「自分が全然知らない町でも、途方もない数の『生活』がずっと営まれていたんだ、と気が遠くなるような、同時に救われるような気持ちになったシーンは、『誰にも理解されないかも』とおそるおそる描いたのですが、『わかる』という感想をたくさんいただいて感動しました」(カマタさん)
また、さまざまな人が自身の経験を語るというSNSならではの現象も興味深く感じられたようで、「『自分の場合は、大きな団地の窓の光を見ると感じる』『旅先で、ここで暮らしていたら、と想像すると同じような気持ちになる』など、ご自分の感じ方やエピソードをいくつも伝えて頂けたのも、とても嬉しかったです」と語りました。
「非日常活」は「メンタルを健康に保つための、有効な方法の一つ」
カマタさんは「降りたことがない駅で降りて」みる以外にも、さまざまな「非日常活」をして漫画に描いています。中でも特に印象的だった体験は、六本木でレイトショーの映画を見たあとで、あえて終電を逃して一晩過ごした体験だったとのこと。
「『あえて終電を逃してみる』の回は大きな反響を頂き、自分でも特に印象深かったです。やろうと思えばすぐできるようなことだけど、意外に非日常の入り口になる、そういったものがよく見たら自分の周りにたくさんあるのかもと気づいて、ワクワクしました」(カマタさん)
その経験から、「大人になったら心に『普通はこういうことはしない』というストッパーみたいなものがかかって、見えなくなってしまうのかもしれません」(カマタさん)と発見もあったようです。
最後に「非日常活」の良さやお勧めのポイントについて聞いたところ、「仕事が忙しく、まとまった休みがずっと取れず、ストレスがだんだんと溜まって息苦しいような状態の時に、非日常活によってかなりのリセット感を得られて何度も助けられました」とカマタさん。
非日常活は「自分で自分のストレスをこまめに解消して、メンタルを健康に保つための、有効な方法の一つ」になっているそうです。「めまぐるしい日々の中ストレスが蓄積してうまく発散できない」という人に、「深刻な状態になる前に自分でこまめにリセットする方法の一つとして、試していただけたらうれしいです」とお勧めしています。
カマタさんの非日常活を描いたエッセイ漫画「非日常活はじめました。」は「コミックエッセイ劇場」で連載されており、書籍『非日常活はじめました。』(1397円)も発売されています。
「疲れ切ってしまったので、降りたことがない駅で降りてみた話」全編
作品提供:カマタミワ(@kamatamiwa)さん
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