E3ではプレイアブル――「Nintendo RoundTable」での質疑応答をレポート
5月17日(米国時間)、ハリウッドにあるチャイニーズシアターで、任天堂のカンファレンス「Nintendo Media Briefing」に続き、その説明会「Nintendo RoundTable」が行われた。
既報のとおり、「RoundTable」とはメディア向けのいわゆる合同説明会。カンファレンスの終了後に「ゼルダの伝説」の宮本茂氏、青沼英二氏、近藤浩治氏の3人、同じく宮本茂氏と紺野秀樹氏の2人が「マリオカートDS」と「nintendogs」について語った。
「ゼルダの伝説 黄昏の姫」
「昨年のE3の時には新しいゼルダのプロデューサーをしていると紹介されたわけですが、1年間ゼルダを製作して宮本にちゃぶ台をひっくり返されディレクターとして今ここにいる」――と語る青沼氏は、自分の仕事は宮本氏がひっくり返したちゃぶ台を片付けることだと紹介。それを受けた形で宮本氏は「一緒に片付けるのが自分の仕事」と返す。
好き嫌いがはっきりと分かれた「ゼルダの伝説 風のタクト」から、今度はいろんな人が共有できるゼルダを作りたいとリアルを追及した。本作最大のテーマは“大人のリンクを作る”だ。
リアルを求めているため、現在はグラフィックをリアルにするとは別に、触った感じをよりリアルにする作業を進めていると宮本氏。そういう人がやっていない作業をするのが任天堂らしさなのだと言う。
今回、英語表記で発表されたゼルダの伝説は「THE LEGEND OF ZELDA:Twilight Princess」。そのまま直訳すると「ゼルダの伝説 黄昏の姫」(あくまでも直訳なので邦題については変更の可能性あり)となる。今回の「Nintendo RoundTable」では、実際のスタッフが操作しているゲーム画面を使用してトークが進んでいく。ぱっと見た感じでは、すでに作りこまれつつある段階で、普通に不自由なく動いている感じだった。
まず、ゲームをスタートさせると気がつくのが、リンクがハイラルではない“とある村”で、シェパード(山羊を飼う仕事)を生業として生活していること。舞台は「時のオカリナ」の数十年後で、時系列でいくと「時のオカリナ」と「風のタクト」の間に入る。
ゼルダの世界では馬が重要なファクターとなっている。今回は最初から馬と共におり、馬上での戦いも展開される。
ストーリーは“とある村”の男の子・コリンがさらわれるところから始まる。ポータルと呼ばれる入口から這い出た異形のモノにさらわれたコリンを追って、リンクはポータルの先にあるトワイライトと呼ばれる禍々しい世界へと入り込む。リンクはこの世界に入り込むと狼へと姿を変える……。リンクは徐々にそのトワイライトを自在に操ることができるようになっていく。獣へと姿を変えることで、動物達と会話し、謎を解いていくことに。物語はこうして転がり始める。
リンクが狼になることで、動物とコミュニケーションを取れるだけでなく、様々なアビリティを得る。人には見えないものを見る視力を得たり、聞こえない声を聞き分ける耳を得たり。また、敵を瞬時に倒す技を使用できるようにもなるが、こちらの力は狼と化したリンクの背に乗るキャラクターが大きく関わってくるとのこと。
ブーメランもゼルダを形作るのに重要なアイテムだ。ブーメランは敵はもちろんのこと、好きなところにロックオンでき同時攻撃も可能に。日本名を「疾風のブーメラン」。これだけでなく、まったく新しいアイテムも追加されている少なくともダンジョン数だけを比べると「オカリナ」を超えるだけの数を用意している。今回は「時のオカリナ」を超えることを目標に挙げているだけに、その種類も豊富だ。
ゼルダシリーズの音楽を手がける近藤浩治氏は「今回の作品はすべてフルオーケストラで収録されている。アレンジャーにはシリーズのファンという繋がりもある大島ミチル氏が参加。今までゼルダではオーケストラで録音する機会がなかったため、刺激的だった。オーケストラで収録したものが全編に流れるわけではなく、あくまでも効果的に使用し、壮大であったり情感豊かに表現したいところに彩を加えた」と述べた。ドルビープロロジック2 5.1chを使用。
E3用に公開されたトレーラーでは様々な謎をはらんでいた。その疑問については以下のようなコメントをしていた。
音楽を担当する近藤氏は――「今回のゼルダは写実的だが劇画調ということで、サウンドでもリアルを目指して、効果音含めハイクオリティを追求している」と語ると、青沼氏は冒頭の宮本氏に1年作ったものをひっくり返された話に触れ、これじゃあまだリンクは人形だと言われたと報告。「リアルを追求すると人形になりがちだが、ひっくりかえされた後はそれをいかに自然にするかを試行錯誤し、最近は楽しくなっている。ディレクターとしての血が燃えています」と改めて決意を述べた。
「ゼルダのテーマは自分がその世界にいるように感じさせること。自分が主人公になった気分を深め、そんな自分がかっこいいと思えるものにしたい」と宮本氏。3人が一言寄せた。
「マリオカートDS」
ゼルダのあとはマリオの登場。宮本氏を残してマリオカートのディレクター紺野秀樹氏が登壇した。
「マリオカートDS」は、今回のE3会場でもプレイアブルで出展され、ワイヤレスでの8人対戦も楽しめる。先の任天堂カンファレンス「Nintendo Media Briefing」でも発表されたワイファイコネクションにも対応する予定だ。
青沼氏も宮本氏のちゃぶ台返しの洗礼を受けている。マリオカートでもたくさんの駄目だしをクリアし、完成度を高めている。
「マリオカートは人と人とのコミュニケーションを大事にしているソフト。任天堂がそうであるように、相手があってこその面白みがあるのではないか」と改めて提言。だからこそ「マリオカートDS」は1つのカセットでゲームをシェアして楽しめる。
実はこのコンビは「nintendogs」の開発に携わっていた。アメリカでの発売も発表された「nintendogs」は、まさにそのコミュニケーションの面白さを体現したもの。いわゆる「すれ違い通信」による見ず知らずの相手と出会うドキドキ感が、忘れていた感覚を呼び起こさせる。
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左から近藤浩治氏、青沼英二氏、宮本茂氏


青沼氏自らゼルダの世界としてどうなのか?――と我々に聞くほど、残酷なシーンが存在する。これはあえて狙ったわけではないが、リアルを追求した先にできあがったもの
今回は動物達との会話が重要なキーとなるのだ。騎馬戦しかり、猿の助けを得てのダンジョン探索など。その種類は様々。馬を使った新しい遊びも用意しているとか
空中に開いたゲートはポータルと呼ばれている。このゲートの先にあるのがトワイライトとなる。リンクはこのゲートを開く力を得て、自らも使用できるようになる
このフードをかぶった女性はずばりゼルダ姫。死んだ人を哀れんで彼女は喪服を着ている。リンクがハイラルを救えなかったということを意味していると説明
そのキャラの名前は「ミドナ」。トワイライトの世界にいる女性で、とある目的のためにリンクと共闘することになる。彼女こそ狼になったリンクの背に乗るキャラクターとなる
