ついにシリーズ完結――「ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]」始動

サブタイトルは前作シリーズからのつながりどおりニーチェから引用。ナムコは「ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]」の開発を明かした。

» 2005年09月16日 10時00分 公開
[ITmedia]

 「ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]」は、2004年6月に発売されたプレイステーション2用ソフト「ゼノサーガ エピソードII [善悪の彼岸]」の続編。エピソードIIの1年後の宇宙が舞台となる。主人公であるシオンたちが体験したさまざまな事件の真相が明かされる、ゼノサーガシリーズの完結となる作品である。

 副題ともなっている「ツァラトゥストラはかく語りき」と言えば、ドイツの哲学者ニーチェの著書名。ゼノサーガシリーズの副題は過去2作を見ても、エピソードIの「力への意志」やエピソードIIの「善悪の彼岸」と、ニーチェに関連したキーワードで構成されている。そして今回、リヒャルト・シュトラウスによる同名の交響詩として知られるこのサブタイトルが冠せられることになった。

 シリーズの幕引きとなる本作は、主人公、シオン・ウヅキの所属する組織、ヴェクター・インダストリーを退社した彼女は、反U.M.N.を謳う地下組織“スキエンティア”と手を組み、ヴェクターの企みを明るみにしようと独自に活動を始める。しかし、そんな時KOS-MOS開発計画の中止が決定したという話を耳にする。さらには開発が中止されるKOS-MOSの代わりとして謎のアンドロイド、T-elos(テロス)の存在が明らかになる。T-elosの陰にちらつく様々な疑惑と陰謀――物語はこうしてクライマックスに向かって収束していく。宇宙の、そして人類の未来はどこへ向かっているのだろうか……。

ヴェクターを退社して半年。エピソードIIIではシオン自身の隠された謎が明らかになる
身を挺して攻撃を防ぐKOS-MOS。KOS-MOSがシオンのそばにいる本当に理由ははたして? KOS-MOSに“こころ”が存在しているかどうか。それが本作の鍵になるのだという
最近、原因不明の立ちくらみを覚えるシオン。体調が悪いと訴えるのだが……
これは夢の中の思い出なのか。花壇の前に立つ幼いシオンと少年。過去にいったいなにがあったというのだろうか?
炎の中から現れる人物。KOS-MOSにも見えるし、元型となったアーキタイプに見えなくもない。この人物は誰なのか……

シオン・ウヅキ(しおん・うづき)/23歳/女性/人間

主人公。巨大複合企業、ヴェクター・インダストリーに所属し、KOS-MOS開発計画に携わる才媛であったが、グノーシス現象にヴェクターが関わっていることに気づき、半年ほど前に退社。現在は地下組織「スキエンティア」と手を組み、ヴェクターの悪事を明るみにするべく活動を続けている。一見すると明るく前向きな性格に見えるが、幼いころ紛争に巻き込まれて両親を亡くし、3年程前にはKOS-MOS起動実験中の事故で恋人を亡くすという辛い過去を背負っている。今作では彼女の過去に詳しく触れることにより、14年前、旧ミルチアで起こった真実、シオンの本当の役割が明らかになっていく

KOS-MOS(こすもす)/外見年齢18歳程度/女性型/アンドロイド

人類に明らかなる敵意を持って接してくる謎の生命体「グノーシス」に対抗するためにヴェクター・インダストリーによって開発された戦闘用アンドロイド……となっているが、謎めいた行動が多く、別の目的も見受けられる。本来は感情を持たない戦闘兵器のはずであるが、シオンは何度かKOS-MOSに対して「感情の揺らぎ」を感じている。KOS-MOSに「こころ」は存在するのか。今作ではそれが非常に重要な鍵となっていく

 本作では、さらにグラフィックスに磨きをかけている。キャラクターモデリングを一新し、コスチュームも変更されている。ストーリー進行によってはさらなる変更もあるという。おなじみのキャラクターから、今作で登場する謎の組織「スキエンティア」や、T-elosなどの新キャラクターまで、現行機で表現できる最大限を目指し開発が進められているのだ。

M.O.M.O.は今回もE.S.ゼブルンに搭乗

 フィールドグラフィックも刷新。超未来の宇宙を喚起できる造形物や建造物が創造されており、ほかにも洞窟、森、滝といった自然も含め、さまざまなシチュエーションを用意している。どれも前作よりもグレードアップしていることは言うまでもない。

シオンが序盤に訪れることになるとある街。第二ミルチアとも違うようだが
空中に浮かぶ巨大な物体にはヴェクター・インダストリーの文字が描かれている
壁面にはプロジェクト・ゾハルの文字
岩山の麓に立つ家にはある老人と少女が暮らしているというが

 前作と変わらないところもある。バトルシステムは基本的に前作を踏襲しており、キャラクターを操作して戦う“キャラクターバトル”、ロボット(E.S.)に搭乗して戦う“ロボットバトル”の2パターンがある。

 ただし、キャラクターバトルでは、1作目にあった必殺技が復活している。複雑なコマンド入力をなくし、初心者でも戦闘がさくさくと進められるとのこと。また、ロボットバトルでは、今までE.S.という巨大兵器に搭乗して戦うというシチュエーションでありながら、その機動性、パワーが若干伝わりにくかった部分が改善された。

こちらはキャラクターバトル。エピソードIの必殺技が復活。転送した巨大なエネルギー銃をかまえるジギー。これも必殺技のひとつだろうか?
今作ではエーテルやスキルなどキャラクターによって覚えられるものが変わってくるようだ。なお、戦闘エフェクトなどは時間がかなり短縮され、戦闘でのもっさり感をかなり改善されている
前作にあったゾーンの概念はなくなったようだ。戦闘初心者でもサクサク進めることができそうだ
こちらはロボットバトルの攻撃ターンのバトル画面。各技には消費エネルギーが設定されており、攻撃回数は左側に表示されたメーターのエネルギー量と関係するとのこと
新しく戦闘に使用可能になった新規機体。両手に持った刀といえばもちろんパイロットは……?

 改良点としてはほかにも、やけにかかったロード時間の大幅短縮や、戦闘シーンやフィールドマップへの切り替えなど、細かい配慮がなされている。公開されたスクリーンショットをいくつか掲載するので、そちらもチェックしてほしい。

IIのラストで破壊したはずのオメガをとある場所で発見するシオンたち
銃を持つガイナン。床に倒れているのはメリィ。これはいったいどういうことなんだ?
こちらがクエスト画面。街の中に立っている人に近づくと会話ウィンドウが開く。話しかけるとオレンジ色の文字列について詳しい話を聞くことができる
街に設置されている双眼鏡を覗くと、意外なものが発見できるかもしれない
ゾハルエミュレーターの保護ケースが開かれている……!!
ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]
対応機種プレイステーション 2
メーカーナムコ
ジャンルRPG
発売日未定
価格未定
(C)2001 2004 2005 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED.


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