Virtual PCで空母戦ウォーゲーム「CARRIER STRIKE」を復活させる勝手に連載!レトロ「PC」ゲームが好きじゃー(1/5 ページ)

「Ultimaはどうしたっ」という声を無視してひたすらレトロPC「ウォー」ゲームを復活させるこの連載。ついに日本男子お待ちかねの名作空母戦の登場である。今回はSSIゲームを起動するときに引っかかる「Virtual PCのサウンド周り」についても解説しよう。

» 2005年11月25日 22時14分 公開
[長浜和也,ITmedia]

日本男子なら「ミッドウェー」で勝利したい

 前回前々回とHarpoon関連Webサイトとして紹介したCINCPACFLTの大塚氏は泣く子も黙る日米潜水艦研究の第一人者であるが、その大塚氏から前回の記事で紹介した、海上自衛隊が登場する数少ないウォーゲーム「7th FLEET」は「日本語版にも“こんごう級”は入っていません」と指摘された。

「な、なんと、そうでしたか。日本語版の予告でこんごう級が入るという案内を読んだ記憶があったのですが」

「なんでも最初は退役した艦も含めて海上自衛隊の全艦艇を入れる予定だったのが、担当者が力尽きて、結局オリジナルと同じユニットになったそうです」

 ということで、前回の記事で「私が日本語版を待てずに購入したオリジナルはこともあろうに“こんごう”級の就役前だったためユニットがない」と書いたが、「こともあろうに、日本語版でもこんごう級はない」ということになる。

 海上自衛隊をはじめとして、軍事に関係する話題は、あまり一般的でない日本でも、太平洋戦争で「ミッドウェー海戦」という戦いがあって、主力空母の「ほとんど」を沈められた、という歴史は意外と知られている。

 30代後半以上の男子ならば、その海戦で沈んだ日本の空母が「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」であることを多分知っているだろうし、それより若い世代でもウォーターラインシリーズで軍艦のプラモデルを作っていたりしたならば、第2次攻撃隊の「雷爆換装」で手間取るうちに米軍の奇襲を受けて空母が被弾、誘爆して全滅した、という経緯を知っている。

 そういう敗因を知ったとき、「第2次攻撃隊の武装を変更せずに待機させて、敵空母発見ですぐ出撃させていれば、ミッドウェー海戦は勝てていたのに」と悔しがる青少年が少なからずいた。そんなわけで、今から20年ほど前、日本でウォーゲームが広く知られるようになったとき、「ミッドウェーで日本機動部隊を指揮して勝利に導くのだ」という動機から、この世界に足を踏み入れたゲーマーは多かった(次いで多かったのは「大和で米戦艦を撃破するのだ」という動機)。

 当時、日本で入手できた空母戦ウォーゲームはアバロンヒルの「MIDWAY」が長らく唯一のものであったが、その後、同じアバロンヒルから「FLATTOP」、そしてエポックの「日本機動部隊」、ツクダの「航空母艦」というタイトルが登場する。

アバロンヒルのFLATTOP(オリジナルはバトルライン)は、いまだに空母戦ウォーゲームの最高峰として評価されている。艦船は1隻単位、航空機は3機で1ポイント。1ヘクス20海里で1ターン1時間。空母戦ゲームではあるが、陸上基地航空隊も含めた海軍作戦全般を指揮できるのも特徴であった

エポックの日本機動部隊は、低価格でルールが簡単な空母戦ゲームとして人気を集めた。今でもオークションなどで頻繁に出品されているので入手は容易である。ダミーマーカーを使った索敵ルールは一見不条理に見えるかもしれないが、情報の不確実性を簡単に再現できる優れたデザインでもあった。一緒に見えるSPIのTHE FAST CARRIERSにもダミーマーカーシステムが採用されている(登場したのはTHE FAST CARRIERSが先)

簡単なルールで「それっぽさ」を再現した日本機動部隊と対照的なゲームデザインがツクダの「航空母艦」だ。艦船、航空機、兵器の細微なデータをゲームに取り入れ、索敵処理や戦闘処理でそれらが細かく影響してくる。そのため、ゲーマーは結果判定の各段階で、細かいデータ項目をチェックしつつ膨大な「CRTのコラムシフト」作業を行うことになる
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