Virtual PCでメモリを「ガバッ」と確保して「Harpoon II」を動かす勝手に連載!「レトロ“PC”ゲームが好きじゃー」(1/4 ページ)

前回、Harpoonのヒゲ親父にキュンとしたところで、今回は「Harpoon II」の出番。「起動しない」「遅い」「落ちる」の3拍子そろったこのタイトルは、しかし、紆余曲折を経て今も現役の作戦級現代海戦ゲームであったりする。「生まれてくるのが早すぎた」ビッグゲームをWindows XPで復活させる。

» 2005年11月11日 21時47分 公開
[長浜和也,ITmedia]

Harpoon IIのパッケージに「ひとめ惚れ」

 前回の記事でアキバのソフトショップを「オーク」と書いた。書きながら「なんか物足りないね」と、もやもやしていたのだが、先日、必殺!アキバ巡回人に「あれはオークビレッジですね」と指摘された。そうだった、会社名がオークでショップの名前はオークビレッジ、だった。

 Harpoonは「トム・クランシー」効果もあってか、海外製PCウォーゲームとしては珍しく、「海外ゲームの殿堂」オークビレッジだけなく、アキバの多くのショップで扱っていた。なので、Harpoonユーザーは意外と多い。そのゲーム本体に収録されていたシナリオは13本とこの手のゲームとしては少ない。その半分は練習用の小規模シナリオ(ただ、現代における軍事衝突を考えるとき、小規模兵力シナリオのほうが現実に則している、ともいえる)であり、さらに、米空母が登場するシナリオは1本に過ぎない。

 そういうわけで、Harpoonにのめりこんだゲーマーは追加シナリオ集「BattleSet」を先ほどのオークビレッジで購入することになる(BattleSetを購入ほど入れ込んだゲーマーはさすがに少なかった。そのため、我々はオークビレッジを頼るしかなかったのだ)。BattleSetは北大西洋全域を収録した「NACV」、地中海を収録した「MEDC」、インド洋からペルシャ湾を収録した「IOPG」が出荷された。登場する国、艦船、航空機の種類もシナリオの数も増えていき、個人的に気に入っている(たぶん、日本海軍好きが高じてこの遊びに手を染めたウォーゲーマーも同じだと思うが……、そういうミーハーは私だけですか?)米空母が主役となる作戦をいろいろと指揮できるようになってきた。

 しかし、収録される海域と国家が増えても、最後の最後まで、それこそ、最新のHarpoon Classic 97(特定ルートで入手できるHarpoon Classic 2002 Goldもあるが、ここではおいておく)にいたるまで、決してHarpoonで扱われない「聖域」が存在した。その1つが、日本を含む「太平洋」である。

 この理由についていろいろと噂もあったが(前回の記事で触れた「トムとラリーは大の日本嫌い」もその1つ)、「欧州戦線はビジネスになるけど太平洋戦線はビジネスにならない」「陸戦は売れるけど海戦は売れない」などなどの「ウォーゲーム業界の経験則」が大きく影響していたことは十分考えられる。

当時、海上自衛隊が登場するウォーゲーム、となるとVictory Gamesの「7th Fleet」であった。「Sixth Fleet」「2nd Fleet」と続くFLEEETシリーズの第3作として登場したこのゲームは日本周辺から東南アジアまでの西太平洋諸国を扱う

私が日本語版を待てずに購入したオリジナルはこともあろうに「こんごう」級の就役前だったためユニットがない。洋上防空力がなしに等しい海上自衛隊である。それにしても、自衛隊ユニットのデザインはなんというか「ベタ」だなあ

 その「聖域」を収録したのが、Harpoonに遅れること5年、1994年に「ようやく」登場した「Harpoon II」である。Harpoonゲーマーがこぞって、でも、いささかあわてて「オークビレッジ」に駆けつけたのはいうまでもない。当然、私もその一人だった。で、店で目にしたゲームパッケージに度肝を抜かれたのである。

ま、まっ黒……

 ゲームパッケージといえば、今も昔も「派手な火柱と燃えさかる軍艦」といった血潮沸き立つ威勢のいいデザインが主流なのに、Harpoon IIは「真っ黒」である。よーく見ると軍艦や航空機が銀色で薄く印刷されている下地には蛍光色で表示されるPPIスコープが描かれている。スコープにはNTDSシンボルが表示され、その上に、やはり蛍光色で「Harpoon II」のロゴ。

「うっひょー、カッコイイィィィ!」

 と心で叫び、平日の昼間にもかかわらず家に直行(突発性病弱体質は当時から)、家に着いたら即行インストール。そして、ゲームの中身がゲームパッケージに負けず劣らず「渋い……」ことをすぐさま思い知らされたのである。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/04/news128.jpg 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声
  2. /nl/articles/2409/03/news141.jpg 母に「メイクしてはだめ」と言われ悩み続けた40代女性、“変わりたい”とプロに依頼し…… 表情も激変の結末に「エッ女優さんみたい!」
  3. /nl/articles/2409/07/news021.jpg 水族館「装置が故障しました」→しかし…… “そうはならんやろ”な苦肉の策に12万いいね 「嘘やろwww」
  4. /nl/articles/2409/07/news036.jpg そうはならんやろ! ガンダムがかっこよく発進→よく見たら…… “シュール過ぎる絵面”にネット爆笑 「反則でしょwww」
  5. /nl/articles/2409/07/news025.jpg 「これいいな〜」 フリーザーバッグを“意外な形”で再利用→まさかのアイデアに「さっき捨てたの拾って来よう」
  6. /nl/articles/2409/06/news021.jpg 【今日の難読漢字】「泰」←何と読む?
  7. /nl/articles/2409/06/news108.jpg 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
  8. /nl/articles/2409/03/news122.jpg 【追記あり】人気実況者グループ、突然のアカウント名変更にファン戸惑い 事情説明に「いつまでも待ってます」
  9. /nl/articles/2409/07/news043.jpg 「すげぇ安かった!」 お父さんが“でっかい巨峰”と思って買ってきた結果→まさかのミスも意外な結末に……
  10. /nl/articles/2409/07/news046.jpg “100均アイテム”でガンプラの洋上戦闘ジオラマを作る人が現れる 「レジン使わず水中表現?」「天才かよ」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  2. 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  4. 友人にメダカと睡蓮をあげる→3年後に見に行くと…… 想像を超える“楽園”に「こんなに……!?」「めちゃくちゃ綺麗」
  5. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  6. 「24時間テレビ」ラストスパートでのやす子へのわいせつ行為に非難 「胸触りにいってる」「気持ちが悪い」
  7. 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
  8. 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. 300円で購入した格安熱帯魚を、1年じっくり育てたら……宝石に化けた「価格に見合わない」激変に「ダイヤ感出て綺麗」「ラメがすごい」
  10. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」