Virtual PCでメモリを「ガバッ」と確保して「Harpoon II」を動かす:勝手に連載!「レトロ“PC”ゲームが好きじゃー」(4/4 ページ)
Harpoon IIで海上自衛隊の「有効度」を考える
今に至るまで、かたくなに太平洋海域を排除しているHarpoon Classic系列の代わりに、Harpoon IIは「環太平洋諸国」が登場するシナリオを多数収録している。
最終パッチを適用したHarpoon IIのプログラムとそれまでに発表されていた公式BattleSetとシナリオを収録した「最終版」ともいうべき「Harpoon II Admiral's Edition」(この幻のバージョンについて、前回紹介した大塚好古氏のWebページに興味深い逸話が紹介されている)にはBattleSetとして、「Global Conflicts-1」「Global Conflicts-2」「Global Conflicts-3」「WestPac」「ColdWar」「Rgnl.Conflicts-1」「Rgnl.Conflicts-2」の7本が用意され、それぞれで15本(Rgnl.Conflicts-2のみ20本)のシナリオが収録されている。
自衛隊が登場するシナリオは「Global Conflicts-1」「Global Conflicts-2」「Global Conflicts-3」といった初期収録BattleSetにそれぞれ2〜3本ずつ収録され、「沖縄から排除された米海軍と日本が衝突」「樺太に侵攻する日本とソ連が衝突」という「なんじゃこりゃ」という設定もあったりするが、なぜか「米空母機動部隊を護衛する第2護衛隊群」といった日米安保を象徴するようなシナリオは用意されていない。
「Rgnl.Conflicts-1」「Rgnl.Conflicts-2」はそれぞれ、1カ月程度の長期戦役を分割したシナリオで進めていくBattleSetだ。「Rgnl.Conflicts-2」の半分では「イラン」(イラクではない)と湾岸諸国+西側諸国の衝突を扱ったシナリオが用意され、「Rgnl.Conflicts-1」はすべてが「中国」と周辺諸国の衝突を扱ったシナリオとなっている。
その「Rgnl.Conflicts-1」のシナリオ5本に登場するのが「中国」と「日本」だ。黄海で中国海空軍と「海上」「航空」自衛隊が作戦部隊を展開する。日本は米軍の支援を受けることなく単独で戦う。ほかにも日本が登場するシナリオが用意されているが、作戦海域はオホーツク海、日本海、南西諸島からフィリピン近海に限られている。
手持ちのHarpoon IIをWindows XPが導入されているPCで動作させるには、Virtual PCが必須となる。Virtual PCで動く仮想PCで、パッチを反映させたHarpoon IIは軽く、そして、安定して動作する。しかし、パッケージで流通していないものの、Windows XPで動作する「Harpoon II」が元のデザインスタッフによって開発され販売されている。
それが「Harpoon 3 For Windows」だ。Harpoon HeadQuartersのオンラインショップページからダウンロード、CD-ROMで販売されている。Harpoon HeadQuartersではパッチファイル、データベースエディタなどのユーティリティ、そしてユーザーが作成したBattleSetとシナリオも配布している。現在も新しい艦船データベースやシナリオが供給されるあたりが、Harpoonを「現役の作戦級現代海戦ウォーゲーム」と呼ぶ所以である。
こうして、PCで現代海戦にのめりこんだ私であるが、もともとは空母戦ゲームの名作「Carrier at War」をするべく購入したPCであった。「噂」だけが先行するこのゲームを待っているとき、突如登場したのがSSIの「CARRIER STRIKE」である。
ということで、個人的には「甘酸っぱい」思い出が詰まっている、日本海軍フリークお待ちかねの空母戦ゲームをVirtual PCで復活させてみる。
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