「GTA」とは似て非なる新世代エンターテインメント:「龍が如く」レビュー(1/4 ページ)
“伝説の極道”と呼ばれた男の、暴力と哀愁に満ちたドラマ。まさに、大人のためのエンターテイメントが誕生した! ここでは、ヤクザ社会という、特殊な舞台を理解するための解説も交えつつ、熱き男が繰り広げる熱き闘いの魅力をたっぷりとご紹介する。
まずはカンタンな「極道講義」を
「龍が如く」は、ひとりの極道を主人公にしたアクション・アドベンチャーだ。極道とは、読んで字のごとし、道を極めることを意味する。それは男としての道である。極道とは、真の男たることを最大の価値に置く、生き方なのである。
男を極める道とは、具体的にどんな生き方なのか。一番重要なことは“逃げないこと”だ。どんな困難に直面にしても、絶対に逃げない。窮地に追い込まれれば追い込まれるほど、最後までその場に踏みとどまる。これが、もっとも肝心だ。
特に親友、恩人、最愛の人など、自分にとってかけがいのない存在が危機にさらされた時は、男の真価が問われることになる。こんなときは、どんなことがあっても助けなければならない。勝ち目なんて考えてはいけない。まして、自分の身のことなど考えているようでは話にならない。
逆に言うと、すぐ逃げるのは最悪の背信行為となる。そうした行為をした者を、道を外れた者、「外道」と呼ぶ。外道呼ばわりされることは、極道にとって最大の屈辱であり、恥辱である。
“親殺し”の汚名を背負った主人公・桐生一馬
さて、主人公の極道は、名を桐生一馬という。ゲームのシナリオは、いくつかの章に分かれているのだが、このうち、冒頭部にあたる第1章と第2章は、10年前の事件を扱っている、いわばプロローグ。ここでは、一馬が親友と最愛の女性を守るため、自ら“親殺し”の罪を背負い、10年も獄中生活を送る様子が描かれる。
この親とは、もちろん本当の親ではなく、杯を交わし、義理の親子関係になった相手、つまり組長を指す。身内を手にかけることは、極道にとってはもっとも許されない行動である。その中でも親は別格だ。親殺しをするなど、外道も外道、究極の外道といっていいほどの大罪なのである。いくら親友と愛する女性を守るためとはいえ、その罪を背負う決断をした一馬の決意は、筆舌に尽くしがたい。それは一馬がそこまでの犠牲を払っても守りたいくらいの価値を、ふたりに置いていたということを意味する。そして、一度そう決めたかぎり、一馬はそれをどこまでも押し通そうとする。それが、極道たる彼の生き方なのだ。
主人公の桐生一馬(右)と、彼が出所してきた後に出会うことになる少女・遥(左)。彼女は、一馬の最愛の人、由美の姪にあたり、唯一の肉親でもある。彼女に何かあれば、由美は悲しむこと間違いなしだ。ゆえに一馬は命に代えても遥を守ろうとする。決して、変な趣味があるわけではないので、誤解なきように
風間組組長・風間新太郎。博徒稼業のかたわら、孤児院の経営に協力している人徳家だ。孤児院育ちの一馬に目をかけ、極道になってからもよき理解者でいてくれた、実質上の“父”である。声優初挑戦として注目を集めた名優・渡哲也氏が担当している真の男を光り輝かせるには、やはり女も不可欠である。龍が如くには、それに該当する女性がいる。それが、一馬と同じ孤児院で育った、澤村由美だ。彼女は一馬にとってのマドンナ、最愛の人である。ゲーム冒頭の事件は、この由美の身が危機にさらされたことが引き金となって起こる。そしてそれが一馬の一生を変え、10年後に、さらなる大事件を呼ぶのである。
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