「GTA」とは似て非なる新世代エンターテインメント「龍が如く」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年12月14日 16時58分 公開
[水野隆志,ITmedia]

伝説と呼ばれるだけに、喧嘩の強さは桁外れ

 一馬は、街をぶらついているチンピラや酔っ払いから、組織が送り込んでくる腕利きの殺し屋まで、実にさまざまな相手と闘いを繰り広げることになる。戦闘が発生すると、ゲームはバトルパートに移行し、乱戦が開始される。1対1というのは稀で、通常は4、5人が相手。10人前後をまとめて迎え撃つことも珍しくない。

 バトルパートでは、プレーヤーは左スティックと各種のボタンを使い分けて、さまざまなアクションを行うことができる。殴る、蹴る、踏みつける、投げる、防御するなどのアクションが一通り揃っていて、攻防のバリエーションは広い。……と聞くと、アクションが苦手な人は二の足を踏むかもしれないが、心配御無用だ。まず、第1章の冒頭にチュートリアルがあり、基本的な操作についてひと通り教えてくれる。ここでは敵も反撃してこないので、じっくり練習できるだろう。

 だが、それよりも大きいのは“主人公がめっぽう強い”ということだ。何しろ伝説の極道である。刑務所に行く前は“堂島の龍”と呼ばれ、恐れられていた男なのだ(堂島はかつて一馬が所属していた組。彼はここの組長殺しの罪を被ったのである)。はっきりいって、街にたむろするチンピラなど彼の前では相手にもならない。序盤などは適当にボタンを押しているだけで楽勝してしまうだろう。パッケージ裏に“誰もがケンカの強い男に!”というキャッチがあるが、まさにその通りなのだ。

photo 一馬の攻撃は、□→□→□の3連打が基本。それをベースに、□→△、□→□→△、□→□→□→△などのコンビネーションが可能になっている。□が通常攻撃、△がフィニッシュと考えておけばいいだろう。敵がガードした場合、□だと止められてしまうが、△だとガードを崩せる。そこから連打を加えればOKだ

 また、一馬が行うのはケンカである。つまり勝つことが目的であり、手段は二の次。投げ飛ばした敵の急所を踏みつけるなんてことも、抵抗もなくやってしまう。さらに、武器になりそうな物が近くにあれば、もちろん何でも使う。チャカ(拳銃)や長ドスなんていう、いかにもヤクザっぽい武器もあるが、バット、木刀、ゴルフクラブ、ビール瓶、ナイフ、スタンガンなど、本当にいろいろな武器が出てくる。初めは敵が持っていた武器でも、ノックアウトすれば落としてくれるので、使いたい放題だ。

photo 武器になるのは、いわゆる武器らしい武器だけではない。通りに停めてある自転車、店先に置かれた鉢植え、飲み屋の裏に積まれたビールケース……使えるものは何でも武器にしてしまうのである。ここで面白いのは、通常では考えられない物まで武器にできること。写真はなんと、庭にある石灯籠を武器にしているところだ。黒スーツに身を固めたスジ者同士が、石灯籠を抱えて睨み合っている、なんていう思わず大笑いしたくなるシーンが展開することもあって、こうしたユーモア感覚が殺伐とした喧嘩の雰囲気を、巧みに和らげてくれている

 ケンカに勝てば、敵に見合っただけの経験値を獲得できる。これを消費することで、一馬の能力を成長させることも可能だ。能力は「心・技・体」の3種類。心を上げれば、体力が少なくなった時に攻撃の威力が増す能力を手に入れたり、武器で殴られた時にガードが崩れないなど、精神面の強さに依存する特殊行動を修得する。技はそのものズバリ、初期段階では使えない技が増えていく。体はヒットポイントにあたる体力の上限値を上げたり、ダウンからの起きあがりが速くなるなど、身体面の強化に繋がる。

 こうした成長により、一馬とチンピラたちとの格差はさらに広がる。ゲームの中盤くらいになると、街でからんでくるチンピラなど、経験値を稼ぐための、いいカモにしか過ぎなくなってくるだろう。

photo 成長には10の会得レベルがあり、上のレベルに行くほど、大量の経験値を必要とする。また、能力成長とは別に、街に住んでいる格闘技の師匠を探し出し、技を伝授してもらうといった、条件付きの成長要素も用意されている

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた