移動、戦闘、イベントが間断なく繰り広げられていくことに驚嘆「ローグギャラクシー」レビュー(1/3 ページ)

ゲームの世界観に浸っているとき、「Now Loading」で長々と待たされては興がさめるというもの。この年末、プレイステーション 2で発売された「ローグギャラクシー」は、ローディングなしにあらゆるシーンがつながっていくところが画期的だ。これでプレイ中の没入感も変わる?

» 2006年01月11日 18時00分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

“ドラクエVIII”を手がけたレベルファイブの最新作

 ゲームソフトの供給メディアがROMカートリッジから光ディスクに取って代わって以来、程度の差はあれローディング中を示す画面がゲームには付きものになった。ディスク上のデータ配置を工夫して読み込み時間を極力抑える、あるいは画面に変化をつけるなどして、ローディングの待ち時間がプレイヤーのストレスにつながらないようメーカーも腐心してきたが、RPGで全編を通してローディングが発生しないというのは、HDDをキャッシュに用いるソフトを除けばおそらく初めてだろう。

 今回紹介する「ローグギャラクシー」では、フィールドの移動はもちろん、戦闘やイベントなど、すべてのシーンがローディングで分断されることなく展開していくという。そんなエポックメーキングなRPGを制作したのは、「ドラゴンクエストVIII」の開発にも携わったレベルファイブという会社。比較的新しい会社だが、過去にも「ダーククラウド」「ダーククロニクル」(ともにSCE)を手がけるなど、RPG系に強いデベロッパーとして知られている。

画像 年末商戦向けのPS2タイトルの中でも、特に注目が高い「ローグギャラクシー」。“ドラクエVIII”の開発会社が制作していることや、各種シーンがローディングの待ち時間なしに展開していくことなどで話題を集めている

トゥーンレンダリングを用いた暖かみのあるビジュアルが好印象

 本作のストーリーは、幼少の頃から宇宙を旅することに憧れていた主人公“ジェスター・ローグ”が、ひょんなきっかけから宇宙海賊の一員としてスカウトされ、ドルゲンアーク号に乗船して彼らとともに星々を巡るというスペースファンタジー。RPGといってもコマンド選択方式ではなく、キャラクターを自ら操作して戦うアクションRPGだ。

 まず特徴的なのがビジュアルで、3Dポリゴンで描かれるキャラクターをトゥーンレンダリングによって2Dアニメ風に表現している。これは先述の“ドラクエVIII”などでも見られた手法で、本作では柔らかな色遣いや奇をてらわないキャラクターデザインも相まって、どことなく親しみやすさを感じる。大げさすぎない程度に表情の変化をつけているのも好印象で、広く受け入れられやすい作りだと思う。

画像 主人公を含むキャラクターたちは、すべてトゥーンレンダリングで描かれる。色遣いにも特徴が見られ、全体的に柔らかで暖かみのある印象に仕上げている

 また、リアルタイムポリゴンで描かれるシーンと、プリレンダリングのムービーシーンとの間で、グラフィックのクオリティに大きな開きがないのもよい。とりわけRPGの場合は、このギャップが極端すぎると興を削がれてしまうこともあるが、ローグギャラクシーに関してはイベントシーンがどちらで展開されているかをあまり意識させない。

画像 イベントシーンは、リアルタイムポリゴンによるものとムービーを使い分けているが、キャラクターのモデリングに大きなギャップがない分、違和感なく観ていられる。ちなみに、こちらがムービーで、上の画面がリアルタイムポリゴンによるもの

 そして、やはり注目は冒頭でも述べた“ローディングなし”という点。当然ながら、実際にはローディングも行われているが、それがプレイヤーにほとんど体感されないよう工夫されているというわけだ。例えば、フィールドを歩き回っている際、建物に出入りしたり、敵と遭遇して戦闘になっても、場面転換の継ぎ目がない。イベント発生時も同様で、ほとんど間をおかずに話が進んでいく。おそらくは、ゲームの起動時にシステムの基幹部分を読んでおき、プレイ中はバックグラウンドでデータを先読みしているのだろう。キャラクターの動作がぎこちなくなったり、数秒ほど場面が暗転するところはあるものの、「Now Loading」等の画面でシーンが寸断されることはない。

 実際にプレイしてみると、この軽快さにはきっと多くの方が驚くはず。ローディングで待たされることがないうえ、物語にも区切りがつけられていないため(ストーリーは章立てだが、セーブ画面を除けば「第○章」などの表示が出ない)、つい延々とプレイしてしまう。

画像 フィールドを移動中に敵と遭遇すると、「WARNING」と表示されたのち、フィールド上でそのまま戦闘へと移行する。イベントシーンとのつながりもスムーズで、ディスクのローディングが行われていることをまるで感じさせない
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」